ISSUE#17
加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。
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求人倍率高止まり、新卒の売り手市場化が加速
少子化による人手不足の影響が否めません。石川県の今年2月の有効求人倍率は1.95倍。14カ月連続で1.9倍を上回りました。
日本経済の回復も手伝って、新卒採用もバブル期以来と言っていいほど、学生優位の「売り手市場」となっています。同2月末時点での大学など卒業予定者の県内就職内定率は95.7%、高校卒業予定者では98.7%と、ともに過去最高を記録しました。ついひと昔前までは就職氷河期と呼ばれていたことに隔世の感を覚えるほど、新卒者の就職状況は好転しています。
そうした中で民間企業が求める人材を確保するには、自社の魅力を磨き、学生にアピールすることが不可欠です。昨今の時流でいえば、「働き方改革」への取り組みが、学生の関心を集めるポイントでしょう。
この「働き方改革」をはじめ、「ワークライフバランス」「ダイバーシティ」「女性活躍」「健康経営」など、政府は数多くのキーワードを掲げて少子高齢化に伴う生産労働人口の減少にブレーキをかける政策を繰り出しています。社会的な機運も広がり、働く社員を大切にしようとしない企業は学生から就職先として見向きもされないおそれがあります。
医用機器・分析科学機器などの販売・保守サービスを手がける丸文通商(金沢市松島)では、一昨年から女性活躍、昨年からは健康経営の推進を本格化させ、社員が能力を最大限発揮できる社内制度、職場環境の整備に努めています。
そうした取り組みによって採用面にも好影響が出ているという同社に話を聞きました。
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「人財」重視の改革を
丸文通商では今後も拡大
丸文通商では昨年10月、女性活躍推進企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし」を取得しました。また今年2月には、経済産業省が健康経営に注力する企業を顕彰する「健康経営優良法人2019 ホワイト500」に大規模法人部門で認定されています。
これらのほかにも、「石川県ワークライフバランス企業知事表彰」「いしかわ男女共同参画推進宣言企業(女性活躍加速化クラス)」「いしかわ健康経営優良企業表彰」「金沢市はたらく人にやさしい事業所表彰」などに昨年から今年にかけて相次いで顕彰・認定されており、幅広い社内改革の数々が行政からも評価されています。
例えば、営業事務などのアシスタント業務を一元的に担う業務課を新設する一方、同課を女性社員だけで構成し、女性課長(管理職)、女性係長(監督職)を置きました。一般職から総合職への職掌転換を可能にして、現在、女性課長は6人に。2020年度までには管理職の20%を女性が占める見通しです。
また、ノー残業デーを週2回実施する一方で有給休暇の消化率を高め、男性社員の育休取得も推奨。この4月までに4人の男性社員が取得しました。社員の健康面では、定期健康診断のほかに、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳などの節目年齢では人間ドックに加え、希望者に脳ドック・循環器ドックの受診を全額会社負担で可能とし、約4割の社員が受診しています。
同社の働き方改革推進の取り組みはこのほかにも数多く、新卒採用での波及効果を同社総務経理部の小坂部長は指摘します。
「昨年から新卒採用に手応えを感じています。1次試験のエントリーシートは前年比20%増で、採用校も拡大しました。石川県外の大学に進学した学生からもUターン就職先として関心を持ってもらえるようになっています。事前に情報収集しているのでしょう。会社説明会などでも当社の社内制度改革について知っている学生が少なくなく、驚いています」。
同社では、「人財」という貴重な経営資源を生かすために、今後も新しい取り組みを進めたいと話しており、今年、サテライトオフィスを県外に一カ所、既にオープンし、もう一カ所の年内オープンも計画中です。ICTツールを活用したテレワークの導入も検討中。ほか、法定では2年の時効で消滅する消化できなかった年次有給休暇を、20日分を上限にプールして自由に使えるよう就業規則を改訂することも考えていきたいとしています。
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