The Hokkoku Shimbun ひと to みらい─石川の未来へつづく、石川の人のこと。

ISSUE#07

加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。

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「ついのすみか」を求め、
ふるさとへUターン。

 「地元の人には実感がわかないでしょうが、石川は東京と比べてとにかく空気がおいしい。身近なところに豊かな自然があり、魚の味も全然違う。いい施設にめぐり合えたこともあって、こちらでの生活に満足しています」。
 余生を過ごす場所として、石川県の魅力をこう話すのは、金沢市粟崎町にある介護付有料老人ホーム「スプリングライフ金沢」に入居する山谷勉さん(83)です。2012年に東京都江東区から同施設に移りました。

カメラが趣味の山谷勉さん。自然や鉄道など被写体を求めて外出する機会も多いそうで、“ 石川ライフ”を満喫しています=金沢市粟崎町のスプリングライフ金沢

 山谷さんはもともと金沢市の出身で、高校卒業後、上京して都内の企業に就職し、半世紀以上を都会で暮らしました。11年前に奥さんに先立たれていたこともあって、79歳の時に自宅のマンションなど不動産を処分し、Uターン移住したのです。
 「東京で老人ホームを探すと、地方の倍以上の費用がかかります。石川には兄弟もいますし、こちらの施設の隣には医療機関もあって、高血圧の持病がある私には安心できる環境でした」と、山谷さんはふるさとに戻った理由を語ります。
 老いは誰にも等しく訪れます。「老後をどうするか」「老後の自分はどうなっていくのか」。 山谷さんのように今、老齢を迎えている方だけでなく、シルバー世代の予備軍である50代の皆さんにとっても、気になる問題のはずです。とりわけ、自身の老後の健康に不安を感じている方が少なくないのではないでしょうか。

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石川は医療、介護とも充実
しかし、偏在の課題も。

 幸いなことに、石川県は他の都道府県と比べて食や住環境のほか、健康面での安心を支える「医療」が充実しています。
 県発行の『石川100の指標』によれば、14年の人口10万人当たりの医師数は全国11位の285.8人、看護師数は全国6位の1170.8人、病院病床数は全国13位の1598床でした。医師、看護師を養成する高等教育機関が複数そろっているからと考えられます。
 また、医療とともに高齢者の暮らしに安心をもたらす「介護」も石川県は充実しています。
 内閣府の経済財政諮問会議が公表している資料によると、介護保険の75歳以上被保険者1人当たりの介護費が、石川県は13年度の都道府県別で全国1位でした。県内の高齢者が介護サービスの利用機会を十分に得ている証左と言えるでしょう。
 日本医師会総合政策研究機構が発表しているリポート『地域の医療提供体制の現状と将来』2015年度版でも、県内の介護保険施設の定員は、75歳以上人口比で全国平均値を上回っていると評価しています。
 もっとも、石川の医療、介護に課題がないわけではありません。同リポートは、金沢市を中心とする県中央エリアに医師や看護師、病床数が人口比の平均を超えて偏り、奥能登や南加賀は逆に平均以下と指摘。介護では、特に在宅介護を支える職員数が75歳以上人口比で全国平均レベルを下回っているとしています。
 県では、医師の地域偏在の解消を図るため「地域医療人材バンク」や「緊急医師確保修学資金貸与(金沢大医学類特別枠)」といった制度を設け、能登や南加賀での人材確保に動いています。介護に関しては、学卒就職者の確保、他分野からの就業促進、潜在介護・福祉人材の再就業促進、就業者の定着促進など多様な取り組みで、介護人材の量的底上げを図っています。
 高齢化が加速する中で、県や市町、民間事業者が進める「安心」の充実は、多くの県民の願いにかなうものです。そして、大都市圏に住む人に石川への移住を発信していくうえで大きなアピールポイントにもなるはずです。

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