The Hokkoku Shimbun ひと to みらい─石川の未来へつづく、石川の人のこと。

ISSUE#20

加速する人口減少。
「令和」の新時代を迎え
私たちに今できることを考えていきます。

 金沢市、金沢青年会議所、国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティングユニットの3者はSDGsを推進するための共同研究を実施しており、3月に金沢SDGs「5つの方向性」を発表しました。現在はさらに多様な主体の参画を得て、地域全体で取り組むべきアクションを盛り込んだ「行動計画」を策定中であり、この案について広く皆さんの意見を募集しています。

SDGsをビジネスに導入

 社会的課題の解決に貢献するSDGsを企業・法人経営に取り入れ、企業価値の向上やビジネス機会の拡大に結びつけようとする動きも金沢では活発化しています。

金沢SDGs「5つの方向性」

①自然、歴史、文化に立脚したまちづくりをすすめる
“古くて新しくて心地よいまち”
②環境への負荷を少なくし資源循環型社会をつくる
“「もったいない」がないまち”
③次代を担う子供たちの可能性を引き出す環境をつくる
“子供がゆめを描けるまち”
⑤文化や産業に革新的イノベーションが起きる仕組みをつくる
“新しいもの、ことを生み出すまち”

詳細はホームページをご覧ください ~https://kanazawa-sdgs.jp/

キャラバンサライ

 コーヒー豆専門店「キャラバンサライ」が、1980年の創業以来守り続けている「コーヒーのある暮らしを通じて地域に根ざしたコミュニティショップを目指す」という理念は、SDGsと共通します。
 キャラバンサライでは、3つの宣言をしています。1つは、環境に配慮したコーヒー農園と取引を続け、安心・安全なコーヒーを消費者に届ける循環活動の推進です。2つ目は働きがいのある職場作りの推進、3つ目は地域社会発展への貢献です。金沢かがやきブランド優秀新製品大賞に輝いた「自家焙煎カカオの羊羹」の開発も、その取り組みの一つです。
 脇坂洋州執行役員・特販部長は「コーヒーに携わる全ての人や物に対して持続可能な社会づくりに貢献したい」としています。

コード・フォー・カナザワ

 社会や地域にはさまざまな課題があります。その課題を集め、整理、分析し、ITやデザインの力で具体的な解決方法を開発するのが、コード・フォー・カナザワの使命です。その方向性はSDGsとも一致します。
 2013年に日本初の組織を9人で設立し、現在は100人以上の市民が参画しています。「いつ、どのゴミが収集されているのか」が一目で分かる「5374(ゴミナシ)」というアプリを開発しました。金沢を起点にした取り組みは、今、全国125都市に拡大しています。
 福島健一郎代表理事は、テクノロジーによる新しい市民社会を構築する意義を説きながら、「中立の立場で活動し、コード・フォー・カナザワにしかできないことをやりたい」と強調しています。

エシカルアクションプログラム

 最近、「エシカル消費」という言葉を耳にするようになりました。環境や地域に配慮した製品を選んで買い物することです。世界が抱える課題を包括的に掲げるSDGsに通じる取り組みと言えます。
 金沢では「エシカルアクションプログラム」と題する活動が、金沢青年会議所の主導で始まっています。今年8月には地元産や規格外の農作物をスーパーの店頭で販売しました。規格外の小さなジャガイモやばらになったニンニクは1時間で完売する盛況ぶり。生産者が作成したレシピも好評を得ました。
 このプログラムを共に推進した金沢エコライフくらぶの青海万里子代表は「生産者のこだわりや商品の持つ背景が伝われば、消費者は選んで買ってくれる」と手応えを感じたようです。

広めようフェアトレード

 フェアトレードとは、途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立をめざす「貿易のしくみ」をいいます。
 現在のフェアトレードは、1940年代に米国のNGO団体の女性が、プエルトリコの女性たちが作っていた手工芸品を輸入販売したのが始まりと言われています。元々は途上国の生産者を助けたいと考える人々の慈善活動でしたが、近年はより多くの消費者に購入してもらえるよう製品の品質を高め、通常の商取引と同じように、一般の市場の中で広めていこうという動きが強まっています。
 フェアトレードで品質の良い製品を作り続けるためには、生産者の労働環境や生活水準が保証されるだけなく、自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。このことから、フェアトレードは、2015年9月に開催された国連サミットで採択されたSDGs「持続可能な開発目標」の多くの目標と重なっています。

アジール

 フェアトレードショップ・アジールは2004年7月、金沢市無量寺にオープンしました。「フェアトレードを広め発信する」「立場の弱い人たちを応援する」「地域の人たちや障害を持った人たちが集う」場所づくりを目指しています。
 毎月第2木曜の「手渡しバナナくらぶ」の活動ではフィリピンで自然栽培されたバランゴンバナナを900グラム600円で販売しています。生産者の収入を確保するため高めの価格となっていますが、毎回大勢の人が買い求めます。併設の喫茶店ではフェアトレードのコーヒーを提供しています。
 また代表の中谷美世子さんは1998年に「金沢・バングラデシュ友好基金」を設立。これまで1千人以上が奨学金を受け、学校に通っています。

金沢大学国際学類 公認サークルKuLOs

 金沢大学国際学類公認サークル「KuLOs(Kanazawa University Links Overseas=クロス)」は金沢・北陸にフェアトレードを広めよう、海外へとつながりの輪を広げようと活動しています。
 週1回の勉強会やディスカッションに加え、外部講師によるお話会を実施しているほか、商品を通してフェアトレードを知ってもらうために学園祭や国際交流まつりなどへのブース出展、金沢大学生協への働きかけを行っています。FTSN(Fair Trade Student Network)の北陸支部に所属し、全国の学生とも交流しています。
 これまでの活動に加え、常に新しい試みを模索し、特に若い世代にフェアトレードを広めたいと考えています。

のっぽくん

 野々市市本町2丁目の「のっぽくん」はオーガニック食材やフェアトレードの品物を扱うお店で、オープンから23年目を迎えます。店内にはコーヒーやチョコレート、洋服、シャンプー、リップクリームなどさまざまな商品が並びます。
 責任者の小浦むつみさんがフェアトレードに関心を持ったのはフィリピン訪問がきっかけです。日本向けの果実を育てる農園に低賃金で働く人々のつらい生活を目の当たりにしました。その一方で、家族を十分に養えるだけの賃金が生産者に支払われる取引が存在し、それを「フェアトレード」と呼ぶことも知りました。
 小浦さんは「フェアトレードの商品の魅力をもっと広め、生産者を笑顔にしたい」と望んでいます。

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