The Hokkoku Shimbun ひと to みらい─石川の未来へつづく、石川の人のこと。

ISSUE#03

加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。

3世代同居

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見直そう!ひとつ屋根の下で少子高齢化を
克服する古くて新しい暮らし方。

 1人の女性が生涯に産む子どもの推定数を「合計特殊出生率」といいます。今年5月に発表された石川県の2015年合計特殊出生率は1.51で、前年の1.45 を上回りました。1.50台は1994年の1.58以来、実に21年ぶりです。人口減少に歯止めをかけるには、さらなる出生率の向上が必要で、国、県、市町を挙げた対策が切れ目なく求められます。

石川県の合計特殊出生率推移
グラフ

 人口減少の原因となっている少子高齢化の背景には、核家族化の進行に伴う家庭での“子育て力”の低下が指摘されています。核家族では育児と仕事の両立に大小のハードルがあり、出産を機に妻が仕事を辞めて育児に専念するケースがこれまで少なくありませんでした。また、離職で子育てに集中できる時間をつくっても、家庭内に育児の相談をできる人物が夫以外におらず、妻が孤立してしまう場合もありました。
 国勢調査のデータによると、石川県内の18歳未満の子どものいる世帯に占める核家族世帯の割合は、1985年の55.7%から2010年には71 .3%へと増加。逆に、3世代同居世帯は1985年の39.7%から2010年には22.4%へと減少しています。
 地場住宅メーカーとしては県内トップクラスの新築受注実績を誇るニューハウス工業(金沢市)によると、「昨年度、県内で受注した新築住宅の約80%が核家族向けで、残り約20%が多世代同居の住まいでした」(村上哲也社長)。住宅販売の最前線における受注比率の実態は、国勢調査のデータとほぼ符合しています。

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メリットは子育てと仕事の両立や、経済性の高さ。

 核家族世帯率の上昇は全国的な傾向でもあり、政府は昨年3月に閣議決定した少子化社会対策大綱に、「三世代同居・近居の促進」を明記しています。子どもの両親のほか、祖父母も一緒に子育てに関わることで育児に伴う負担を軽減し、母親が子育てをしながら仕事にも頑張れる環境を整えようというのです。
 国のこの方針に沿う形で県と県内14市町が、住まいの新築によって新たに「3世代同居」もしくは「3世代近居」を始める人に、最大30万円の補助をする「石川県三世代ファミリー同居・近居促進事業」を現在、実施しています(要件は各市町によって異なる)。また、国土交通省も良質な地域型住宅の整備を進める事業で一定条件を満たす新築住宅に補助金を出しており、これに1戸あたり30万円を限度額とする「3世代同居加算」を昨年度から設けています。
 さらに、親子リレーローン、親子ペアローンといった親子2世代が協力して返済する仕組みの住宅ローンを近年、多くの金融機関がそろえ、3世代同居の家を新築する上で有利な環境が整っています。
 前出の村上社長は「生計を共にする経済性の高さも3世代同居のメリット。うちで手がける多世代同居の住まいでも、子世代が夫婦共働きの家庭が多いですね」と話します。
 親世代の年金などの収入と子世代の共働きによる収入が合わさると、暮らしに大きなゆとりが生まれるのは確かです。国や県、市町が用意する優遇制度を賢く利用し、子育てや家事の分担のほか、老齢を迎える親世代の見守りや介助・介護もできる3世代同居の住まいを今後、検討してみてもいいのではないでしょうか。

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