The Hokkoku Shimbun ひと to みらい─石川の未来へつづく、石川の人のこと。

ISSUE#05

加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。

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金沢市が中小企業の女性管理職採用を支援
「女性活躍トップランナー企業」。

 少子高齢化に伴う労働力人口の減少に対し、女性が持てる能力と個性を十二分に発揮できる環境づくりが対策の重要な柱となっています。
 2015年に実施された国勢調査のデータによると、石川県の「女性就業率」は51.8%(全国平均48.3%)で、都道府県別では全国2位の高さでした。半面、「管理職に占める女性の割合」は14.7%と、全国平均の16.4%を下回っており、就業率が高いだけに落差が目立ちます。理由としては、働く女性に責任が伴う管理職への昇進をあまり望まない保守的な気風があるようで、意識の変化が求められるところです。
 金沢市では、市内企業の新たな雇用創出と女性活躍の推進、そして県外からのUJIターン移住を図るため、中小企業を対象に補助金の交付など複数の支援を用意する「女性活躍トップランナー企業」の制度を今年度、設けました。同市労働政策課では、「女性管理職の登用を後押しするとともに、首都圏などで活躍する女性人材を呼び込み、市内中小企業の経営強化につなげたい」と話します。
 現在、箔一(金沢市森戸)、福光屋(同石引)、森八(同大手町)、金沢機工(同無量寺町)の4社が認定企業となっています。各社におじゃまして、県外からの女性管理職にどういった点を期待しているかを聞きました。

 金沢箔加工品の製造・販売を事業とする箔一では、商品企画や販売促進、商品プロモーションなどに活躍できる女性人材を求めています。テーブルウェアなど女性に選択権のある工芸品や化粧品を数多く製造し、店舗運営も行う同社にとって女性の感性はなくてはならないもの。「当社は創業者(浅野邦子会長)が女性ということもあって、以前から女性の採用と女性が活躍できる環境づくりに力を入れてきました」と同社の浅野達也社長は強調し、「デザインにおいて都市部を経験した女性ならではの洗練を発揮してもらえれば」と話します。
 同社では今年4月に稼働した新工場の「安原第五工場」にパウダースペースを備えた女性用ロッカールームや、140席の休憩用開放フロアを設け、女性が働きやすい職場環境づくりに注力しています。

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都会で培った価値観と能力を
企業内の意識を変える「触媒」に。

 清酒の製造・販売を手がける福光屋では、「女性活躍トップランナー企業」の認定にあたって、「開発本部海外市場室室長」を具体的な採用ポストとして用意し、語学など輸出関連業務に適したスキルとマネジメント能力を有する女性人材を求めています。
 同社の利岡祥子常務兼開発本部長は「これまでも県外から採用の問い合わせは男女半々の割合でいただいてきましたが、近年は、老舗企業の業務に関心を持つ女性が増えているように感じます。一緒に仕事をしたいなと思える優秀な女性も少なくありません。認定というせっかくの機会が採用にうまく結びつけばありがたいですね」と語ります。
 1625(寛永2)年創業の和菓子の森八では、製造部課長職として新商品の開発や食品衛生管理の国際標準であるHACCPの導入に知識やリーダーシップを発揮できる女性人材を募集しています。
 同社業務統括室の森岡晋也室長兼工場長は、「当社の場合、社員のおよそ8割が女性で、女性の活躍があってこその会社です。しかし、女性管理職の比率は少なく、理想としては3~4割くらいになればと考えています。新卒から育てていくにしても10年以上はかかるものですから、県外から適した人材を求めています」と説明します。
 約390年の歴史を誇る同社では、伝統を持つ強みをさらに生かすため、「外の空気に触れてきた女性人材が活躍し、変化を生むきっかけになれば」(森岡業務統括室長兼工場長)と期待を寄せます。
 機械商社の金沢機工では、営業部課長、総務課長に適した女性人材を求めています。「仕事は嫌いでないけど、責任を持つのはちょっと…という方が本県の場合、多いようには感じます。ならば、東京など都会で働く、こちらとは違う感性を持つ女性人材に来ていただき、新しい風を社内に吹き込んでもらえれば」と同社の谷本裕美子総務部長は語ります。
 同社では女性リーダー育成のための「活性化なでしこプロジェクト」を4年前に社内で立ち上げ、スキルアップ研修や女性だけの管理職研修を実施してきました。「社員の皆さんには、仕事をエンジョイして、人生をパッピーに送ってもらえるよう、会社を挙げた働き方改革に今後も取り組んでいきたい」と井上英一郎社長は話しています。
 金沢市や石川県には子育てをはじめとする暮らしやすさの魅力が数多くあります。だからこそ、効果的な求人情報の発信によって県外からの女性人材のUJIターンが加速し、県内産業の活性化に寄与することを期待したいところです。

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