ISSUE#02
加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。
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多様な人材が能力を発揮できる職場に。
人口減少とそれに伴う労働力人口の減少は、わが国の長期的な課題の一つです。石川県でも2006年に61万3000人だった就業者数は、16年には59万9000人へと1万人以上減少しています。一方、今年4月の県内有効求人倍率は、求人数が求職者数を大きく上回る1.86倍でした。労働力不足が顕在化しています。
「ダイバーシティ」という考え方が、10年ほど前から多くの企業経営者や労務管理者の間で知られるようになっています。女性、高齢者、障がい者、外国人など多様な人材が企業内でその能力を最大限発揮できる機会や職場環境を用意し、業績拡大につなげようとする経営マネジメント手法です。「女性活躍推進」や「ワークライフバランス」「働き方改革」といった近年よく耳にする施策と特に女性の力を積極的に引き出そうとする点で狙いは共通しています。国などは子育て支援策も併せて強化することで、減少する労働力を補うほか、出生率を底上げする効果も期待しています。
医用機器・分析科学機器などの販売・保守サービスを手がける丸文通商(金沢市)では、今年度からダイバーシティ推進に着手し、女性登用に向けた改革をスタートさせました。
同社では総合職と一般職の二つの職掌を設けていますが、50人いる女性社員の大部分は定型業務や補助的業務が中心の一般職を選んでいます。半面、営業や技術系の現場では女性社員の必要性が高まってきており、女性登用の社会的な機運の高まりを感じていた宮本社長ら経営陣がダイバーシティ推進にかじを切った格好です。
人事制度の改革としては、本人が希望すれば一般職から総合職に移れる職掌転換制度を設けました。自己啓発推奨の一環として資格取得も支援し、女性社員のみのステージアップ研修も実施。キャリアアップを後押ししています。さらに、従来は営業各課に一人ずつの配置で業務が専門化され、代わりがおらず休みを取得しづらかった女性営業アシスタントをまとめて業務部の所属に改め、スキルや情報の共有によってバックアップやフォローし合える体制に組織変更しました。「女性社員の能力を有効に引き出せる仕組みを今後も考え、女性社員がハッピーになれる会社にしていきたい」と同社の越野取締役管理部長は話します。
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カギはトップのリーダーシップ。
また、ダイバーシティ推進には、企業風土の改変や社員の意識改革が不可欠であり、実行に際しては経営者自らが社の内外にダイバーシティマネジメント導入を強く発信する必要があるとされています。
15年度を「女性活躍元年」と位置づけ、ダイバーシティを推進する北陸電力では、金井豊社長が同年10月、内閣府が支援する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に賛同の署名をしました。北陸の企業では初で、男性の職場のイメージが強い電力会社としても全国初でした。社内報などにもたびたび登場し、紙面を通してダイバーシティの重要性をメッセージしています。
女性活躍の推進に取り組む経営者や企業を資金面で支援する金融機関もあります。金沢信用金庫と日本政策金融公庫金沢支店・小松支店は、信用金庫では全国初、日本公庫としては北陸初の取り組みとして、15年1月から女性活躍応援連携融資スキーム「なでしこ輝き」を取り扱っています。これまでに融資件数は15件を数え、今年5月からは金沢市とも連携して、融資対象を拡充しています。
「なでしこ輝き」の融資金額は最大10億円。以下の要件のいずれかに該当する法人、個人が対象です。①代表者が女性、または役員の1/4以上が女性②女性の社会進出を支援する事業を営む③女性の雇用を積極的に行っている④今後2年以内に女性管理職比率を10%以上高める予定⑤今後2年以内に女性従業員比率を10%以上高める予定⑥金沢市から女性活躍促進モデル企業の選定を受けている。または、金沢市に対して女性活躍の「業界取組宣言」を行った業界団体に所属する―です。
ダイバーシティ推進によって、多様な人材をあますことなく戦力化できたあかつきには、業績の拡大という大きな成果が得られます。より多くの企業や経営者がダイバーシティに関心を持ち、女性をはじめとする多様な人材の活用に目を向けることに期待したいところです。
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