The Hokkoku Shimbun ひと to みらい─石川の未来へつづく、石川の人のこと。

ISSUE#12

加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。

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2025年が大きな分岐点
団塊の世代が75歳以上に。

 「来年のことを言えば鬼が笑う」と言いますが、1年後どころか、8年後について今からしっかりと考えておかなければならないことがあります。それは、団塊の世代がみな75歳以上を迎える「2025年問題」です。石川県内で見ても、25年には75歳以上の後期高齢者の人口が約15万5000人(15年現在)から大幅に増加し、県民の5人に1人に相当する約20万8000人に達すると予想されています。
 そんな近い将来に備え、欠かせない存在が「介護・福祉人材」です。石川県では、15年3月に「県介護・福祉人材確保・育成基本計画」を策定し、25年までに県内の介護職員数を12年調査時点よりも7000人多い2万3000人に増やす目標を立てています。
 同計画に基づいて現在、「介護・福祉人材の確保」と「介護・福祉人材の資質向上」の2つの視点で、多岐にわたる取り組みが進んでいます。
 例えば、人材の確保策としては、金沢市石引の「いしかわ就職・定住総合サポートセンター(ILAC)」に「福サポいしかわ」を併設。他分野からの求職者やUJIターン者が介護職を希望する場合、これら2つの機関が連携しながら仕事を斡旋しています。
 また、県では、介護福祉士などの資格がありながら、結婚・出産などで退職した経験者を潜在的な介護・福祉人材と位置づけてデータベース化しており、登録者に求人や研修などの情報を配信しています。再就職準備金最高20万円も貸与し、介護・福祉施設などで2年以上勤務した場合は返済を免除しており、現場への復帰を後押ししています。

 一方で、認知症や発達障害といった各分野の専門性を身につけた人材の養成や、業界全体が切磋琢磨してのスキル向上など、人材の資質を高める取り組みも活発です。例年10月開催の「いしかわ介護フェスタ」で行う介護技能グランプリもその一つで、医療法人社団仁智会が運営する金沢南デイサービスセンター(野々市市蓮花寺町)に勤める廣澤寧子さんは、昨年10月にあった同グランプリで技能賞(安全の確保)を獲得しました。「グランプリでは、日ごろの仕事ぶりがはっきりと現れました。出場を通して、自分自身のケアを見直すとともに、常に学んでいく大切さを再確認するきっかけになりました」と廣澤さん。県では、グランプリの成績優秀者を小規模な介護事業所に派遣し、技術力の底上げにも取り組んでいます。

介護技能グランプリで技能賞を受賞した廣澤寧子さん
介護技能グランプリで技能賞を受賞した廣澤寧子さん
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民間も多彩な取り組み
託児室を構える施設も。

 もちろん、介護・福祉人材に関する問題に悩みを抱えているのは、行政だけではありません。介護・福祉サービスを手がける民間の事業者にとっては、確保と育成が直面する大きな課題となっています。仁智会では、学生のインターンシップを積極的に受け入れたり、施設見学会を月2回実施したりするなど、介護職への理解を深め、就職につなげる活動を展開しています。この4月からは、介護に関する資格を持っていなくても、よい人材がいれば進んで採用し、働きながら介護職員初任者研修修了者の資格取得を目指す取り組みもスタートします。
 加えて、仁智会では出産・育児による離職を防ぐための環境整備にも力を注ぎ、金沢市元菊町の金沢春日ケアセンター内には託児室を設置しています。実際にお子さんを預けながら介護福祉士として働く職員の瀬例麻実さんは、「送り迎えも便利ですし、近くにいるので急な発熱などにも対応しやすいです。それに周囲も子どもがいることを気にかけてくれて、とても働きやすいですね」と教えてくれました。
 国でも介護職員の待遇改善に取り組む事業者を優遇する「介護職員処遇改善加算」を行い、4月からはさらに手厚い支援を予定するなど、働きやすい職場づくりは今後も進んでいくでしょう。もちろん、「2025年」に備えるにはまだまだ道半ばであり、問題を一気に解決する特効薬はありません。行政、民間それぞれの立場から継続した取り組みが求められています。

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