■□■□■ □■□■                                ■□■       『つばたメール1・2・SUN』       ■□■           第152号(2015・11・26)    ■□■□                               ■□■□■                             毎月第4木曜日発行      今年で第14回目となる「石川ふるさとCM大賞」ですが、審査会の様子が 11月30日の19時から北陸朝日放送で放送されます。  津幡町はもちろん、石川県の市町が工夫をこらしたCMが放送されますので 是非ご覧ください。                         ――――――――――――――――――――――――             発 行: 津幡町総務部企画財政課                  石川県河北郡津幡町字加賀爪二3番地                  TEL 076−288−2158                  FAX 076−288−6358             E-mail: kikakuzaisei@town.tsubata.lg.jp            ―――――――――――――――――――――――― ―――――――――――― 第152号 目 次 ――――――――――――                      ふるさとニュース 輝け!シグナス芸能祭 イベントガイド  人権講演会「心豊かに生きる」     ほか       北國新聞・津幡ニュース    ――――――――――――― ふるさとニュース ――――――――――――    ■多彩な演技に拍手喝采!  輝け!シグナス芸能祭(10月25日)     「輝け!シグナス芸能祭」が10月25日にシグナスで開催され、約800 人の芸能愛好家を楽しませました。  記念すべき10回目となるこのイベントには、町内の芸能サークル18団体 から約250人が参加し、日頃の練習の成果を披露しました。きらびやかな衣 装をまとって舞台に上がり、工夫を凝らした演出や迫力ある演技を披露すると 観客から惜しみない拍手が送られました。  今回の公演は東日本大震災のチャリティー公演として実施され、来場者や出 演者から集められた善意18,785円は、日本赤十字社を通じて被災地に送 られました。 ―――――――――――――  イベントガイド ――――――――――――   ■人権講演会「心豊かに生きる」   裁判所の調停委員や、刑務所・少年院の教誨師を務めた講師が、「本当の  豊かさ」とは何かをお話します。  【日 時】 12月9日(水) 10時〜  【場 所】 役場大会議室  【講 師】 真宗大谷派即願寺 前住職 黒崎 浩さん  【参加費】 無料  【問合先】 町民課 電話 076−288−2124 ■科学のまち・つばた「科学の祭典」   参加体験型の科学教室や町内小中学生による科学研究作品の発表、ゲスト  による講演会のほか、夜には石川高専の学生による「プロジェクションマッ  ピング」がシグナスを彩ります。  【日 時】 12月12日(土) 9時〜18時30分         ※受付8時30分〜   【会 場】 シグナス  【催 し】 ・町内小中学校・児童生徒科学研究作品展 16時まで        ・おもしろ科学体験教室 9時〜12時        ・小中学生の科学研究作品発表 13時〜14時40分        ・東国原英夫氏講演会 14時50分〜16時20分         ※入場整理券が必要です。         ・プロジェクションマッピング 16時30分〜18時30分  【申込・問合先】 教育総務課 電話 076−288−8508 ■俳諧中興期の重鎮「河合見風」   「俳諧の長者」と称えられた津幡ゆかりの俳人、河合見風について学びま  す。  【日 時】 12月15日(火) 19時〜   【場 所】 シグナス多目的室  【講 師】 金沢学院大学名誉教授 藏角 利幸さん  【参加費】 無料  【問合先】 生涯教育課 電話 076−288−2125 ■「能楽子ども塾」 発表会   土曜学習の一環として今年開講した「シグナス能楽子ども塾」の発表会を  行います。   塾生6人が衣装を身につけて能楽を初披露するほか、つばた能楽親交会が  仕舞を披露します。  【日 時】 12月19日(土) 14時〜   【場 所】 津幡地域交流センター  【入場料】 無料  【問合先】 シグナス 電話 076−288−8526 ――――――――――――――――――――――――――――――――     /北/國/新/聞/* 津/幡/ニ/ュ/ー/ス/ ―――――――――――――――――――――――――――――――― ---------------------------------------------------------------------- 01:町の魅力、ポスターで紹介 津幡町の地域おこし団体が制作 02:「お金より、やりがい」 介護奉仕で換金ポイント付与 03:創業支援の補助拡大 条件に民間融資も追加 津幡町 04:年末商戦へ3回目販売 津幡町のプレミアム商品券 05:巴金魚が完成 華やかな3色、町のPRに 津幡町の愛好家・坪坂さん  06:石川高専が創立50周年祝い、記念碑を除幕  07:音楽と食、津幡町に活気 どまんなかフェスタ 中心街でホコ天 08:「やんさの唄」後世に 津幡町川尻地区で伝承 組曲完成 09:特産小豆の由来「おまん伝説」 津幡町では美談、小矢部市は悲話 10:寺に「版画の図書館」 津幡町の慶専寺、築100年超の土蔵改修 ---------------------------------------------------------------------- 〈01〉2015年10月27日(火)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎町の魅力、ポスターで紹介 津幡町の地域おこし団体が制作  津幡町の地域おこし団体「津幡いいとこ・やまほどあっろの会」が町の観光 名所や特産、伝説を紹介する約50種類のオリジナルポスターを制作する作業 を進めている。見て楽しいアートの要素も加えて観光客に町内の魅力を紹介す る試みで、1枚のポスターは、一つの名所のイラストと文で構成する。11月 末からIRいしかわ鉄道津幡駅などで掲示し、町民が津幡の魅力を再発見する ことにもつながるよう期待している。  ポスターは縦30センチ、横42センチで、倶利迦羅不動寺や禁酒の碑、県 森林公園などの観光名所や施設を紹介するほか、「おまん小豆(あずき)」な ど特産品や忠犬伝説も発信する。  津幡いいとこ・やまほどあっろの会は昨年から、「おもてなしアート」とし て、町内200カ所以上の施設で絵手紙などを掲示しており、酒井知克会長が 3月、さらに観光客が津幡に興味を持つようなポスターを掲示しようと企画し た。  酒井会長が名所や史跡を訪れて絵や紹介文を考えた後、「おもてなしアート」 に出品している金沢市のパステルアート作家石野一男さんが図案を描いており、 26日時点で35種類が仕上がった。11月上旬に約50種類を完成させるこ とを目指している。  駅などで掲示するほか、11月25日に町文化会館「シグナス」で全種類を 集めたポスター展(北國新聞社後援)で公開し、小矢部市の道の駅「メルヘン おやべ」でも展示する。酒井会長は「これを機に観光客だけでなく、町民も地 元の魅力をより深く知ってほしい」と期待を込めた。 〈02〉2015年10月29日(木)北國新聞夕刊----------------------------☆ ◎「お金より、やりがい」 介護奉仕で換金ポイント付与  65歳以上の高齢者が介護施設などでボランティア活動をすると、換金でき るポイントをもらえる介護支援ボランティア制度の利用者が、石川県内でじわ じわと増えている。今年4月、先駆けて制度を新設した七尾、加賀、津幡の2 市1町の登録者数は29日時点で計390人となり、奉仕に励む高齢者は「お 金が欲しいというより、ポイントがたまるとやりがいを感じる」などと評価す る。制度は全国で広がり、金沢市も今秋から導入へ検討を始めた。  制度は、元気な高齢者に社会参画してもらい、介護予防につなげることが目 的。ボランティア登録者が258人で県内最多の津幡町では、高齢者が公民館 などで開催されている「いきいきサロン」や介護施設に出向き、奉仕に励む。 1時間程度で1ポイントがもらえ、年度末には5ポイントごとに買い物券500円分と交換で きる。  町の委託でポイント事業を実施する町社会福祉協議会によると、制度が始ま った当初は「別にお金が欲しくてボランティアをするわけではない」「奉仕は 無償が本来のあり方だ」と登録しなかった人も多かったが、登録者の口コミで 次第に制度に理解が深まった。登録者数の約85%は女性となっている。  ポイントを記録する「げんき手帳」を眺めた由雄邦子さん(72)=津幡町 加賀爪=は「ポイントがたまるのを見るとうれしい。来年春に換金したら、仲 間と一緒に食事会を開きたい」と話した。  制度は自治体ごとに異なり、81人が登録する七尾市では1時間程度で1ポイントが 付与され、10ポイントで1千円に換金できる。加賀市は、1時間の活動で一つスタン プを押す方式を採用し、51人が登録している。  県内3市町の社会福祉協議会によると、制度は新たなボランティアの呼び込 みも目的だったが、「登録者は以前からのボランティアがほとんど」(津幡町 社会福祉協議会)という。同町長寿介護課の担当者は「制度は浸透してきてい る。会社を定年退職した人らが奉仕をしてもらえるよう工夫をしていきたい」 と話す。  七尾市福祉課の担当者は「施設利用者からも好評で、より定着を図りたい」 と意気込み、加賀市長寿課の担当者は「まだ1年目で手探り状態だが、さらに 奉仕の輪が広がっていってほしい」と期待を込めた。 〔介護支援ボランティア制度〕  登録をした高齢者が、介護施設で利用者の話し相手や片付けなどをするとポ イントがたまる。各自治体ごとに制度を設け、ポイントは商品券などに換金で きる。換金額の上限は年5千円が主流となっている。 〈03〉2015年10月31日(土)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎創業支援の補助拡大 条件に民間融資も追加 津幡町  津幡町は町内での創業を促すため、12月から、町独自の補助制度の対象者 を拡大する。従来は県制度融資や日本政策金融公庫の創業融資を受けているこ とが条件だったが、地銀など民間金融機関も補助対象に加える。貸し出しだけ でなく、事業計画の策定や販路開拓など包括的な支援で資金需要の獲得に乗り 出す民間金融機関と連動し、津幡への企業誘致に結び付ける。  2002年にスタートした町の創業者補助制度は、創業時の設備導入や運転 資金などの借り入れの2分の1について50万円を上限に交付する仕組みで、 これまで年2、3件の利用がある。町によると、創業に関する独自の補助制度 を持つ市町は少なく、民間金融機関の融資も補助対象に含めるのは珍しいとい う。 〈04〉2015年11月03日(火)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎年末商戦へ3回目販売 津幡町のプレミアム商品券  津幡町は29日、町商工会を窓口として3回目となるプレミアム商品券の販 売を行う。県内では今年、全19市町が国の交付金を活用して同商品券を販売 したが、町によると、3回売るのは津幡だけとなる。年末年始の商戦に向けて 7800万円分(6500セット)を発行する。  町では今年、1セット1万2千円分を1万円で購入できるプレミアム商品券 を6月14日に4千セット、10月25日に6千セット売り出した。消費刺激 の効果を長くするため、2回に分けて販売したが、いずれも即日完売の人気ぶ りで、購入できなかった人も多かった。  このため、町は急きょ3回目の発行を決定した。これまでは町販売事業協同 組合(ドレミファスタンプ会)を通して売り出したが、今回は窓口を町商工会 とする。商品券を使える先が約80店舗から145店舗へ増え、平和堂のアル・ プラザ、プラントの両店舗など大型商業施設でも利用できる。  29日にはアル・プラザ津幡で午前9時から6500セットを販売する。会 場にある専用の申し込みチラシに記入すれば、誰でも購入できる。前回は1世 帯当たり10セットまでだったが、今回は7セットまでとし、多くの人が入手 できるようにする。有効期限は来年1月末までとなる。 〈05〉2015年11月04日(水)北國新聞夕刊----------------------------☆ ◎巴金魚が完成、華やかな3色、町のPRに 津幡町の愛好家・坪坂さん    津幡町井上の荘4丁目の金魚愛好家、坪坂祐輝さん(31)が町ゆかりの女 武者巴御前(ともえごぜん)をイメージした金魚「巴」を生み出すことに成功 した。鮮やかな赤、白、黒色の3色の着物をまとったように見えるうろこが特 長で、昨年誕生させた、町ゆかりの武将木曽義仲にちなむ金魚「義仲」とペア となる。坪坂さんは津幡の「ご当地金魚」として地域の行事や金魚の品評会に 出品し、町のPRに役立てる。  坪坂さんは、津幡町が木曽義仲と巴御前を主人公にした大河ドラマの誘致活 動に取り組んでいることから、2人をイメージした金魚を生み出した。  「巴」は、体が丸く赤、白、黒色のうろこを持つ金魚「玉サバ」と、重厚な 甲(かっ)冑(ちゅう)を黒いうろこで表した金魚「義仲」を掛け合わせた。  坪坂さんが金魚を育て始めたのは6年前で、インターネットで魚津市の金魚 生産者宮島利明さんが生み出した金魚を見たことがきっかけだった。「玉サバ」 を品種改良してより丸くした金魚「福ダルマ」を目にした坪坂さんは「まるで 芸術作品のようだ」と感動し、宮島さんに師事するようになった。  紅白ではない色の福ダルマを見てみたいと思うようになった坪坂さんは3年 前、旧河合谷小のプールでイワナの養殖を始めた地元農家に頼み込み、プール の使わない部分と自宅の水槽でオリジナルの金魚づくりを始めた。  昨年、福ダルマとフナを交配させ、義仲を生み出すことに成功し、今春から 巴の品種改良に取り組んだ。坪坂さんによると、黒い福ダルマはまだ存在せず、 義仲を見た金魚愛好家の間で話題となったという。  2匹ともまだ改良の余地があり、巴は、より丸い体にする必要があり、完成 は来年となる。義仲はうろこの黒色を完全に定着させるため、これから3年掛 けて交配を重ねていく。  義仲は、1日に新潟県長岡市で開催された玉サバ品評大会で、2年連続の特 別賞に輝いた。15日には旧河合谷小がある津幡町河合谷地区の収穫祭り(北 國新聞社後援)で2匹を展示する。坪坂さんは「お世話になった宮島さんに恩 返しする思いで金魚を育てている」と話し、「ご当地金魚」の完成に向けて決 意を新たにした。 〈06〉2015年11月06日(金)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎石川高専が創立50周年祝い、記念碑を除幕   石川高専の創立50周年記念「高専教育之碑」除幕式は5日、津幡町の同校 で行われ、教職員や学生ら約230人が記念碑の完成を祝った。  記念碑は高さ、幅ともに1・5メートルで、高い理想と夢の実現に向けて努 力する学生に向けたメッセージや学科名などが記されている。村本健一郎校長 が「次の50年に向けて新たな発展を築き上げていきたい」とあいさつした。 建築学科5年の大伏玄泰(はるやす)さん(21)が車体をデザインしたスク ールバスの発車式も行われた。 〈07〉2015年11月08日(日)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎音楽と食、津幡町に活気 どまんなかフェスタ 中心街でホコ天  津幡町商工会の「どまんなかフェスタ2015」(北國新聞社後援)は7日、 同町清水の四ツ角交差点を中心に約400メートルを歩行者天国にして開かれ た。吹奏楽の生演奏やダンスが会場を盛り上げ、大勢の家族連れらが模擬店を 楽しみ、にぎわった。同商工会の観光親善大使「ミスつばた白鳥姫」を決める コンテスト(同)の審査結果も発表され、10代目に選ばれた3人が喜びと抱 負を語った。  フェスタは今年、「月と音楽と食」をテーマに開催された。4商店街の飲食 店などが歩行者天国に出店し、海鮮汁やワッフル、ぜんざいなど、店の看板商 品やイベント限定のメニューを提供した。  津幡町加賀爪の弘願寺(ぐがんじ)境内では、石川高専生が県内のスギの間 伐材で作った個性豊かなベンチや家具を展示し、抽選で来場者にプレゼントし た。子どもたちも木材と工具を使い、ベンチ作りを体験した。  10代目ミスつばた白鳥姫が、会社員東谷佳奈さん(20)=津幡町緑が丘 3丁目=、会社員大嶋桜子さん(21)=同町潟端=、金城大短大部坂井莉奈 さん(18)=同町横浜=に決まり、認証式が行われた。山矧_議・・・馗垢ャ 振り袖姿の3人に委嘱状を手渡し、3人が津幡をPRする意気込みを語った。 任期は2年間となる。 〈08〉2015年11月12日(木)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎「やんさの唄」後世に 津幡町川尻地区で伝承 組曲完成  津幡町川尻地区で地固め作業の際に歌われていたとされる「やんさの唄」の 組曲が完成した。津幡町太田の三味線奏者高坂邦夫さん(75)が地区に伝わ る6曲の歌詞をまとめ上げ、一つの組曲に仕上げた。地元民謡会員が小型のや ぐらを手作りし、地域の文化祭などで当時の様子を再現しながら伝統の曲を後 世に歌い継いでいく。  高坂さんによると、「やんさの唄」は家屋の建設や堤防設置の工事で基礎と なる石やくいを突き固める際の唄で、工事に従事した地域住民が縄を引っ張っ て丸太を持ち上げ、緩めて丸太を落とす動きに合わせて歌っていたという。  組曲は、6曲の「やんさの唄」から歌詞を選んで作られた。「嶋の神様川下 り」「病なおしの神となる」など川尻地区にある神社2社の伝説を歌詞に盛り 込んだ。太鼓と三味線の伴奏で、主に男性が歌い、女性が「ヤーレサッサ」 「ヤンサヤンサ」などの合いの手を入れる。  高坂さんは川尻地区にある津幡町井上コミュニティプラザの民謡教室「井上 民謡会」で講師を務め、伝統の唄を楽譜として保存するため7月から組曲作り に乗り出した。曲作りに合わせ、井上民謡会員が当時の様子を分かりやすく伝 えようと、高さ約2メートルのやぐらを手作りした。  組曲は10月17日の井上地区文化祭で初披露された。高坂さんは「歌う人 がいなくなると、唄はすぐに絶える。後世に残るよう、これからも披露してい きたい」と意気込んだ。 〈09〉2015年11月17日(火)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎特産小豆の由来「おまん伝説」 津幡町では美談、小矢部市では悲話  津幡町特産の古代小豆(あずき)「おまん小豆」の名前は、津幡町と小矢部 市に伝わる民話が由来となっている。津幡町では水害から村を守るため、すす んで身をささげた少女の美談として伝わるが、小矢部市では無理やり人柱にし た悲話となっている。一つの物語が県境をまたいで異なる内容になった謎を追 った。(谷内俊介)  津幡町の観光資料によると、「おまん伝説」は藩政期、西砺波郡埴生(はに ゅう)村(現小矢部市)でたびたび決壊するため池「埴生大池」を治めるため、 埴生村大字綾子村の村役、八十嶋家で働いていた娘おまんが志願して人柱にな ったと伝わる。家族や八十嶋家の主人らが止めても、おまんの決心は固く、村 人が涙を流す中、池の底に埋められたという。  ところが、池がある小矢部側では違うらしい。津幡町庄のおまん小豆専門店 「おまん茶屋」の寺西國子店主(80)に聞くと、寺西さんが話しにくそうな 表情を浮かべ、店の奥から紙の束を持って来た。  紙には「違う〈話型のタイプ〉の〈おまん伝説〉を聞くことができました」 と書かれている。寺西さんの知人で、5年前に77歳で亡くなった平良雄さん がまとめた資料だ。小豆の特産化に尽くした平さんと寺西さんは10年ほど前 に、おまんの伝承を調べたという。  資料によると、大池を氾濫させていたのは池の主である大蛇だ。村人に少女 を差し出したら池を荒らさないと告げ、村人が必死で探したところ、見つかっ たのはおまんだけだった。八十嶋家で働いていたのはおまんではなく、おまん の母親で、村人はおまんの手足を縛って人柱にしたという。  寺西さんは「年貢の取り立てが厳しかった八十嶋家を悪く思う人が、当て付 けで悲話にしたのかもしれない」と話し、津幡の内容の方が真相なのではと推 測する。  この伝承は小矢部でも一部の地域でのみ語られているそうで、小矢部市の観 光ボランティアガイド「おやべメルヘンガイド」の大沼康子代表によると、観 光客に紹介するのは津幡側のストーリーという。  今ではすっかり整備された埴生大池を寺西さんと訪れてみた。雨が少なかっ たせいか水位は低い。寺西さんは「これだけ水が少なかったら、おまんさんも 人柱にならなくて済んだのにね」とつぶやいた。どちらの伝承が正しいのか、 知るすべはないが、かつて村を救ったおまんが、今は特産品となって津幡の町 おこしを助けていると思うと胸が熱くなった。 〔おまん小豆〕  正式名称はヤブツルアズキで、おまんが生前、腰に下げていたかごから小豆 がこぼれ、自生したとの言い伝えを基に、津幡町が特産品にした。茶や菓子な どに加工されている。 〈10〉2015年11月21日(土)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎寺に「版画の図書館」 津幡町の慶専寺、築100年超の土蔵改修  津幡町河合谷地区の慶(きょう)専(せん)寺(じ)で24日、「版画の図 書館」がオープンする。築100年以上の土蔵を改修した趣のある空間に、木 版画家で副住職の谷内正遠(たにうちまさと)さん(59)が集めた版画図書 約2千冊や谷内さんの近作などを並べる。ギャラリーの機能も備え、将来的に は学生や若手芸術家、デザイナーらにも開放し、地域活性化の拠点として発信 していく。  谷内さんは、母方の実家である南砺市の光徳寺に棟方志功が疎開していたこ とがあり、幼いころから版画に関心を持って育った。郷愁をかき立てる北陸各 地の風景をはじめ、地蔵の優しい表情を独特の力強い線で表現するのが谷内さ んの作風で、作品はこれまでに北陸銀行のカレンダーなどにも採用されている。  「図書館」は、谷内さんの蔵書を版画研究に役立てたいとの思いから実現し た。版画としては国内有数規模の数という蔵書は館内で閲覧できる。2階建て で、本のほか、版画、木工品、カレンダー、絵はがきなどが所狭しと並び、一 部は販売も行う。原則、毎週金、土曜日に開く予定で、時間などの詳細は寺の フェイスブックやホームページなどに掲載する。併設のカフェではコーヒーや 報恩講料理が味わえる。  過疎化が進み、若者にとって縁遠い存在となった寺のイメージをなくし、か つてのように住民が集いやすくするため、ギャラリーとしても開放する。  金沢美大や富大芸術文化学部の学生、芸術、文化関係者に活用してもらうほ か、企業ブランディングなどを手掛ける「エーミライトデザイン」(東京)と 連携し、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが使いやすい「ユニバーサルデザ イン」の研究拠点として活用することも視野に入れている。  オープンの24日から30日までは、特別に谷内さんの木版画展(北國新聞 社後援)が開催される。慶専寺関係者は「コーヒーを飲みながら版画の本を楽 しんだり、誰もが気軽に足を運んだりできるようにしたい」と話している。 --------------------------------------------------------------------- ・この記事は北國新聞の記事データベース「ホッコクシンブン・ドットコム」  から抽出しました。申し込みはhttp://www.hokkokushimbun.com/まで。 ・北國新聞「津幡ニュース」の記事本文はすべて北國新聞社の著作物です。コ  ピーや加工、再配付はしないでください。 ・ふるさとメール「つばたメール1・2・SUN」の申し込みや解除は、津幡  町や北國新聞のホームページから行うことができます。   津幡町のホームページ  http://www.town.tsubata.ishikawa.jp/   北國新聞のホームページ http://www.hokkoku.co.jp/ ----------------------------------------------------------------------