□◆□◆□◆□ 第115号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                        平成25年12月27日  今年も残すところわずかとなりました。1年間ふるさとメールをご愛読い ただきありがとうございました。  さて、今年は日本で初となる世界農業遺産国際会議が和倉温泉で開催。 また、俳優の仲代達矢氏率いる無名塾の第5回能登演劇堂ロングラン公演「 ロミオとジュリエット」が行われました。全国各地から大勢の方に訪れて いただき、能登・七尾の里山里海の魅力を感じてもらえたと思います。  これからも行政や市民が一体となって「おもてなしの心」でお客様をお迎 えします。来年もどうぞよろしくお願いします。  それでは、「第115号」をお届けします。 ---------------------------------------------------------------------- 七尾市は、市政を身近に感じ、たくさんの人に”ななおファン”になっていた だくきっかけづくりとして、七尾市公式『facebook(フェイスブック)』と 『Twitter(ツイッター)』を運用しています。 これまで以上に新鮮な情報を皆さんにお届けしますので、「いいね!」や「フ ォロー」をよろしくお願いします。 ■フェイスブック(表示名「七尾市役所」) ■ツイッター(表示名「七尾市」「@nanaocity」) 詳しくは↓ http://www.city.nanao.lg.jp/koho/shise/koho/sns/index.html ----------------------------------------------------------------------                                  ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:七尾市市民生活部広報広聴課                   電話   0767−53−8423                   ファクス 0767−52−2812                   E-mail  koho@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○                   〜〜〜●第115号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 1.和倉温泉めぐり手形  【平成26年3月31日(月)まで】 2.和倉温泉冬花火&海鮮まるごと大鍋とうまいもん市              【平成26年1月12日(日)】                   3.七尾湾能登かき祭2014              【平成26年1月12日(日)〜2月28日(金)】 ※ 市内各施設のイベントについて ☆ 北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ 1.和倉温泉めぐり手形 ☆★☆  和倉温泉の旅館、飲食店、小売店で温泉や食事などが楽しめるお得な手形を 販売しています。  そぞろ歩きをしながら温泉とグルメを楽しんではいかがですか。 ■日にち  平成26年3月31日(月)まで       ※ただし、12月31日(火)〜1月4日(土)はご利用できま        せん。 ■対 象  和倉温泉旅館協同組合加盟店の旅館にご宿泊の方 ■販売先  宿泊フロント ■料 金  手形1枚 1,500円 ■内 容  手形1枚についている3枚のシールで「湯めぐり」「スイーツめ       ぐり」「ほろよいめぐり」の3つが楽しめます。 ・湯めぐりシール1枚につき、和倉温泉の旅館、総湯のいずれかで入浴ができ  ます。 ・スイーツめぐりシール1枚につき、和倉温泉内の飲食店、小売店のいずれか  でスイーツ1つと引き換えができます。 ・ほろよいめぐりシール1枚につき、和倉温泉内の飲食店、小売店のいずれか  でドリンクまたは食事と引き換えができます。 ※各店舗で営業時間、定休日が異なりますのであらかじめご確認ください。 問 和倉温泉観光協会・和倉温泉旅館協同組合    TEL0767-62-1555   http://www.wakura.or.jp/p485.html =================================== ☆★☆ 2.和倉温泉冬花火&海鮮まるごと大鍋とうまいもん市 ☆★☆  和倉温泉の料理長たちが一堂に会し、一度に2,000食分を作る海鮮大鍋 は和倉温泉の冬の名物。直径2m以上の大鍋では、カニや能登カキ、甘エビな ど日本海の冬の味覚を存分に味わえます。花火を見ながらフーフーと食べる 海鮮鍋のうまさは体も心も温まり格別です。 ■日にち  平成26年1月12日(日)       ※荒天時は13日(月)に順延します。 ■場 所  和倉温泉シーサイドパーク ■内 容  海鮮まるごと大鍋 第1部 11:00〜14:00                第2部 17:00〜21:00       うまいもん市       11:00〜21:00       アトラクション  昼の部 12:00〜13:20                夜の部 18:00〜20:00       冬花火          20:00〜21:00 問 和倉温泉観光協会・和倉温泉旅館協同組合    TEL0767-62-1555   http://www.wakura.or.jp/p163.html    =================================== ☆★☆ 3.七尾湾能登かき祭2014      ☆★☆       〜2日間限りの特別イベントを開催〜        平成26年1月12日(日)から2月28日(金)まで、産地だからこその 味と新鮮さを生かして、ふるさと七尾冬の食材まつり「七尾湾能登かき祭20 14」を開催します。  2日間限定の特別イベントも開催しますので、お見逃しなく!! 《特別イベント》 ■日 時  平成26年2月15日(土)10:00〜16:00            2月16日(日) 9:00〜15:00 ■場 所  能登演劇堂正面(七尾市中島町) ■内 容  炭火焼かき・殻付きかき・能登野菜・中島菜・新鮮大鍋・地元の       食材販売コーナーなど ■交 通  鉄道「能登中島駅」       ・能登ふるさと博フリーきっぷ(金沢駅⇔和倉温泉駅)        大人1,500円、こども300円で2日間乗り放題        (観光施設などの割引特典付き)       ・かきグルメ&語り手列車(七尾駅⇔能登中島駅)              能登有料道路「徳田大津インターまたは横田インター」 ■その他  能登中島駅前からシャトルバスあり       前売り券、当日券の販売はありません。 問 ふるさと七尾冬の食材まつり実行委員会(能登鹿北商工会内)   TEL 0767-66-0001   http://n.rokuhoku.shoko.or.jp/    ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★ ◎ 能登島ガラス美術館 電話 0767−84−1175   → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html  ◎ 七尾美術館  電話 0767−53−1500   → http://nanao-art-museum.jp/ ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  電話0767−54−0300   → http://www.notorannokuni.com/ ◎ 能登演劇堂  電話 0767−66−2323   → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆北國新聞ニュース ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:ブリさばき、女性を魅了/人口増へ食材活用/北大呑の漁師が婚活 02:能登ふぐ白子、ジェラートに/事業協組/七尾土産に開発 加工品、多彩に 03:過去最多、1万8000人超/七尾市合宿助成/今年度見込み 04:蓬莱の制作、通算70万枚/七尾市の小野さん46年目/今年も2万枚 05:師走の七尾に「ウットリベー」/鵜様道中/羽咋市の気多大社へ出発 06:117年前の新聞見つかる/七尾市の中島さん/明治期の「伊勢新聞」 07:等伯、10代の作か/定林寺蔵の肖像画/国重文と酷似「限りなく近い」 08:七尾の魚発送、金大生起業/能登島に移住、買い付け/長野出身佐々木さん 09:山崎町の野菜をブランド化/農業グループ「百膳菜」/有機栽培を徹底 10:プロ奏者とスイング/石川ジュニア・ジャズ・アカデミー/コンサート ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2013/12/02付朝刊――――――――――――――☆ ◎ブリさばき、女性を魅了/人口増へ食材活用/北大呑の漁師が婚活   七尾市内で開催される、特産食材を軸にした婚活イベントが成果を挙げている。 1日、庵町で行われたイベント「海の男達がおもてなし」では、地元漁師が重さ 10キロの大ブリをさばいて女性を魅了、3組が交際を始めた。  庵町のいいPARK七尾で行われたイベントには、北大呑地区の20〜40代 の漁師10人と、七尾市や志賀町の女性10人が参加した。  男性陣が、岸端定置網組合が水揚げした大ブリを鮮やかに解体すると、女性陣 から歓声が上がった。  男性陣はブリを手際よく刺し身にしたほか、サワラの炙(あぶ)り刺し身やカ マスの天ぷら、鍋を次々と仕上げ、七尾の冬の海の幸で女性を魅了。会話などを 楽しんだ後、3組が交際を始めることになり、会場に掛けられた花嫁のれんをく ぐった。  美容師グループ「のとつぐウエディング」(同市)が過疎化が進む北大呑地区 の定住人口増加や魚の産地としての知名度向上などを目的に企画した。池田外美 子代表(62)は「魚をさばく漁師の勇ましい姿に心を奪われた女性が多かった よう。今後、別の地域でも特産物を生かした婚活イベントを開きたい」と話した。  七尾市内では、沢野ごぼう生産組合が2009年から能登野菜「沢野ごぼう」 を一緒に収穫、料理する婚活イベントを行っている。男女ともに地区外から呼び 込み、沢野地区の定住人口を増やすことが目的。沢野ごぼうについて話すうちに 打ち解け合うようで、毎回2、3組のカップルが誕生している。 〈02〉2013/12/06付朝刊――――――――――――――☆ ◎能登ふぐ白子、ジェラートに/事業協組/七尾土産に開発 加工品、多彩に  能登ふぐ事業協同組合が、七尾湾など能登沿岸で捕れる「能登ふぐ」の加工品 開発に力を入れている。白子を練り込んだジェラートを完成させたほか、冷凍の ふぐ鍋セットや刺し身、空揚げなども検討している。北陸新幹線金沢開業を見据 えて七尾土産として売り込み、能登ふぐの消費拡大を目指す。  白子のジェラートは、ゴマフグの白子を奥能登産の牛乳などに混ぜて作った冷 菓で、バニラのような風味に仕上げた。組合に加盟するすぎ省水産(七尾市)が マルガージェラート(能登町)の協力を得て開発した。  同社によると、春の産卵時期を過ぎると小さくなり、商品価値が下がる白子を 活用する。90ミリリットル入りで420円。  道の駅のとじまで販売するほか、市内外の土産売り場での販売や飲食店での提 供を提案していく。  杉原省代表理事は「加工品をどんどん開発し、県外客に能登ふぐの魅力を広め てもらいたい」としている。 〈03〉2013/12/07付朝刊――――――――――――――☆ ◎過去最多、1万8000人超/七尾市合宿助成/今年度見込み  七尾市の合宿助成制度の今年度利用者数が、過去最多の延べ1万8千人となる 見込みになった。和倉温泉運動公園多目的グラウンドに加え、3月に能登島グラ ウンドが完成したことで練習環境が充実し、サッカー合宿の利用が好調なことが 理由だ。  10月末現在で、昨年同期比1714人増の延べ1万4549人が利用した。 来年3月までの予約数を加えると、昨年の延べ1万4998人より約3千人多く なる見込みだ。  合宿助成制度は2007(平成19)年に始まり、初年度の延べ2202人か ら6年で8倍以上になった。市は増加の理由として、七尾の制度が全国の学校や 旅行会社などに浸透したことに加え、計5面の人工芝のサッカー場が整備され、 以前より参加チームの多い大規模な大会が開催できるようになったことを挙げる。  和倉温泉運動公園多目的グラウンド近くに大型テニスコートの建設が決まった ことから、市は全国で「合宿地七尾」の定着が進むことに期待している。 〈04〉2013/12/11付朝刊――――――――――――――☆ ◎蓬莱の制作、通算70万枚/七尾市の小野さん46年目/今年も2万枚  七尾市郡町の書家小野竹松さん(86)は10日、正月の縁起物「蓬莱(ほう らい)」2万枚を書き上げた。蓬莱作りは今年で46年目。書き上げた蓬莱は通 算70万枚に達した。毎年、公共施設などに贈っており、小野さんは「蓬莱を心 待ちにしている人のために」と来年以降も筆をふるう決意を新たにした。  小野さんは9月30日から、一日280枚のペースで制作を続けてきた。蓬莱 には力強い墨跡で「福寿」「大漁」の文字を記した。  完成した蓬莱は11日に同市山王町の大地主(おおとこぬし)神社のおはらい を受け、12日から市役所や公民館、病院、旅館などに配る。小松市や滋賀県な ど市外からももらいに来る人がいる。  小野さんは「多くの人が健康で新年を迎えられるよう願い、元気なうちは書き 続けたい」と話した。 〈05〉2013/12/13付朝刊――――――――――――――☆ ◎師走の七尾に「ウットリベー」/鵜様道中/羽咋市の気多大社へ出発   国指定重要無形民俗文化財「鵜祭(うまつり)」に奉納するウミウ「鵜様(う さま)」を羽咋市の気多大社まで運ぶ「鵜様道中」は12日、七尾市鵜浦(うの うら)町を出発した。白装束に身を包んだ鵜捕部(うとりべ)の3人が鵜様が収 められた茅(かや)製のかごを担ぎ、雪で白く染まった七尾のまちに「ウットリ ベー」の掛け声を響かせた。  鵜捕部を務める井渕敏郎さん(63)、辻吉和さん(75)、中山武則さん (64)は午前6時半、住民に見送られて鵜浦町を出発。昨年は鵜様を捕獲でき ず道中が中止となったこともあり、道中、沿道には多くの住民が集まり、ねぎら いの言葉を掛けた。鵜様は「グワァ」と元気な鳴き声で応えた。  一行は同市今町の春成(はるなり)酒造店でかごに付けた御幣を取り換え、市 役所などを巡った。25歳で鵜捕部となり、今回が6回目の道中となる中山さん は「初日に雪が積もるのは過去40年間で初めて」と驚いた様子だった。  鵜捕部は2泊3日の日程で約50キロを練り歩く。13日には同市の能登生國 玉比古(いくくにたまひこ)神社(気多本宮)の新嘗(にいなめ)祭に臨み、 14日夜に気多大社に到着。翌年の吉凶を占う鵜祭は16日未明に営まれる。 〈06〉2013/12/15付朝刊――――――――――――――☆ ◎117年前の新聞見つかる/七尾市の中島さん/明治期の「伊勢新聞」    七尾市佐味町の農業中島繁さん(82)方で、1896(明治29)年に発行 された新聞が見つかった。117年前の新聞は欠損がほとんどない状態で、記事 には伊藤博文首相や西園寺公望文部大臣らの名前が書かれており、中島さんは 「当時の暮らしや社会が読み取れる貴重な資料だ」と驚いている。  見つかった新聞は、1878年に創刊され、現在も三重県内で発行されている 「伊勢新聞」。伊勢新聞社によると、社内に明治29年以前の新聞は残っておら ず、「非常に貴重な新聞だ」(販売部)という。中島さんが約10年前に購入し た掛け軸に巻かれていた。  新聞には「西園寺文部大臣は本日旭日大綬章を授けられたり」「日清通商条約 中の一問題」などと見出しや記事がびっしりと書かれ、薬の広告や小説なども掲 載されている。  約50年前から骨とう品収集を続ける中島さんは「掛け軸がたくさんの人の手 に渡る際に新聞が巻かれたのだろう。骨とう品より貴重なくらいだ」と話した。 〈07〉2013/12/15付朝刊――――――――――――――☆ ◎等伯、10代の作か/定林寺蔵の肖像画/国重文と酷似「限りなく近い」  七尾市中島町中島の臨済宗定林寺(じょうりんじ)に所蔵されている肖像画 「伝熊来左近将監(でんくまきさこんしょうげん)像」が、七尾出身の長谷川等 伯によって描かれた可能性が大きいことが14日、「長谷川等伯ふるさと調査」 で分かった。筆使いがまだ緻密でなく、調査団員からは10代後半に描かれたと の見方も出ている。等伯10代の作はこれまで確認されておらず、画聖の青年期 をひもとく貴重な資料となりそうだ。  調査団は肖像画を詳細に調べたところ、等伯が20代後半から30代に描いた 国重要文化財「伝名和長年(でんなわながとし)像」(東京国立博物館所蔵)の 構図と酷似していた。  石川県立歴史博物館学芸主幹の北春千代氏は両作品を比較し、▽画面右側の太 刀が垂直に近い角度で描かれている▽太刀の緒(お)が「8」の形▽太刀のつば の形▽肩の角度▽直垂(ひたたれ)の描き方―などの点で共通性があると指摘。 その上で、美術史研究家の宮島新一顧問は「等伯が描いた作品に限りなく近い」 と強調した。  赤外線カメラなどを使った調査では、落款や署名は見当たらなかった。  北氏は、等伯が20代に「緻密で完成された絵」に達したとし、「今回の肖像 画は筆使いが簡素であり、10代後半に描いた可能性がある」と分析した。北氏 によると、国宝「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」などを残した等伯は、 これまで20代から創作を始めたとされていた。  金沢学院大教授の東四柳史明副団長は描かれた人物について、「等伯が七尾に 住んでいた時代の七尾城主で戦国大名の畠山義綱(よしつな)の近臣、熊来続兼 (つぐかね)である可能性もある」と指摘。「定林寺は能登畠山文化と関わりが 深く、その寺に等伯作品があるとすると畠山文化を理解する上でも重要な資料と なる」と話した。  伝熊来左近将監像は、2010年8月の調査では、養祖父とされる無分(むぶ ん)や養父の宗清(そうせい)の作である可能性も捨てきれず、あらためて調べ た。今回は立正大名誉教授の中尾堯(たかし)顧問も参加した。  落款や署名の有無をより詳しく調べるため、金沢学院大の中村晋也准教授が年 明けにエックス線による分析を行う。  一行は14日、輪島市の日蓮宗妙相寺(みょうそうじ)、曹洞宗常田寺(つね だじ)も訪ねた。15日は珠洲市の曹洞宗本光寺(ほんこうじ)や能登町の萬年 寺(ばんねんじ)を訪問し、所蔵されている涅槃図(ねはんず)や仏画を調べる。 〈08〉2013/12/16付朝刊――――――――――――――☆ ◎七尾の魚発送、金大生起業/能登島に移住、買い付け/長野出身の佐々木さん  担い手不足に悩む能登の漁業を盛り上げようと、金大生が能登島に移り住み、 海のない奈良県や首都圏に七尾の鮮魚を発送する卸会社を起業した。漁にかける 男たちの生きざまに引かれた佐々木絢也(じゅんや)さん(23)=地域創造学 類4年=で、営業、仕入れ、発送を1人でこなす。黒字化はまだ程遠いが、「ほ れ込んだ能登を全国に届ける」と奮闘する新参者は、島民の刺激にもなっている。  佐々木さんは長野県中野市出身。ふるさとも能登同様、少子高齢化や若者の働 き口が少ないなどの課題を抱える。高校生の頃から、地元を観光などで盛んにし たいと進路を模索してきた佐々木さんは、まちづくりを専門的に学ぼうと金大に 進学。能登各地で就業体験のインターンシップに励んできた。  転機は大学3年で訪れた。まちづくり会社「江尻屋」(穴水町)での長期イン ターンで地元漁師と触れ合い、生業(なりわい)への情熱に感銘を受けた一方、 魚が捕れすぎると値が付かず、若い後継者が減っている現状を目の当たりにした。  「地域の課題や現実を理解するには、住むのが一番」。大学への通学時間は片 道2時間以上と負担になるが、今春に能登島野崎町の空き家を借りて起業を決意。 9月には七尾市小島町に事務所を構えた。  社名は、地域活性化の着火剤になりたいとの思いから「chacca(チャッ カ)」と名付けた。学生1人の起業に不安もあったが、住民から取引先を紹介し てもらい、漁師から魚を分けてもらうなど手助けを受けて、事業は少しずつ軌道 に乗った。現在は奈良県庁の食堂や、東京のレストランなど4社の得意先に定期 配送するまでになった。  佐々木さんは週2回ほど、早朝の能登島・F目漁港に出向いて漁師と交渉し、 フクラギやカマス、コノシロなどを買い付けている。「もっと取引先を増やす。 世話になっている能登島に観光客を誘致できるよう、魚さばき体験ができる加工 場を造りたい」と夢は膨らむ一方だ。  青年団加入などで地域に溶け込み、声を掛けてくる住民も増えてきた。F目の 漁師平山泰之さん(28)=七尾市能登島F目町=は「漁師は販売ルートが限ら れているので助かる。佐々木さんの事業は能登全体の宣伝にもなっている」と歓 迎した。産地偽装などで食への信頼が揺らぐ中、発送時に地元ならではの調理法 を調べて手紙を添える、佐々木さんの心遣いに感心する漁師も多い。  起業の厳しさと喜びを肌で感じ取った佐々木さん。「能登の人々に支えられ 『取引先が安心できる会社』を掲げることができた。将来は長野でまちおこしの 会社をつくりたい」と目を輝かせた。 〈09〉2013/12/22付朝刊――――――――――――――☆ ◎山崎町の野菜をブランド化/農業グループ「百膳菜」/有機栽培を徹底  七尾市山崎町の農業グループ「百膳菜(ひゃくぜんさい)」は来年、栄養価の 高い機能性野菜のブランド化戦略を加速させる。来年から全メンバー18人が有 機栽培に取り組み、山崎町産の野菜のブランド名「食彩効(しょくさいこう)」 のロゴマークを作製することを決めた。野菜の付加価値を高めて市内外に売り込 み、地域の活性化につなげる。  山崎町では2011年から、病気や老化を防ぐ抗酸化作用や動脈硬化防止など 健康づくりに役立つとされる成分を多く含む野菜を機能性野菜と位置付け、町ぐ るみで栽培している。これまで、1品目で化学肥料を使っていたが、来年の栽培 からは全作物に有機肥料を使う。有機栽培の研修も行う。  発信力を強めるため、ブランド名「食彩効」のロゴマークを掲載したのぼり旗、 野菜に張り付けるシールなどを作製する計画だ。  百膳菜によると、近年は安心安全を求めて、有機栽培の野菜を要求する消費者 や飲食店が増えている。全作物が有機栽培であることを野菜の新たな魅力とし、 機能性野菜のファンクラブ「百膳菜倶楽部(くらぶ)」の会員増加や、飲食店へ の販売拡大を目指す。  田中雅晴会長は「地産地消や地元に食べに来てもらう『地食』、地域の食で教 育する『地育』をキーワードにして、健康に良い野菜を作っていきたい」と話し た。 〈10〉2013/12/23付朝刊――――――――――――――☆ ◎プロ奏者とスイング/石川ジュニア・ジャズ・アカデミー/コンサート  モントレージャズフェスティバルイン能登のクリスマスジャズコンサート20 13は21日、七尾市の県七尾美術館アートホールで行われた。プロ奏者の協力 で石川ジュニア・ジャズ・アカデミー(IJJA)が4カ月ぶりにビッグバンド 編成となり、華やかなスイングを届けた。  前半は、IJJAの12人に、トランペット奏者の岡崎好朗さんとサクソホン 奏者の田中邦和さんら4人が加わり、画聖長谷川等伯の国宝「楓図(かえでず)」 をイメージした「Maple」など5曲を演奏した。  後半は、ピアニストでIJJA音楽監督の守屋純子さんとボーカルのCHAK Aさんらのクインテットがバラード調の「キープ・クリスマス・ウィズ・ユー」 などを演奏し、来場者は豊かな音色に酔いしれた。