□◆□◆□◆□ 第106号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                         平成25年3月30日    3月10日に和倉温泉周辺で5回目となる能登和倉万葉の里マラソン 2013が行われました。  午前中は、冷たい雨やあられ、強い風に見舞われましたが、大勢のランナー の熱意が天に届いたのか、午後からは青空が広がる日となりました。雨の中に もかかわらず、傘を差して沿道で応援していた子どもや、高齢者がランナーに 勇気を与えていました。  地域住民の温かい応援や波穏やかな七尾湾の景色、七尾の特産品である甘み の詰まった能登かきなどが人気を集め、年々ランナーの申込者数が増えていま す。  来年のマラソン大会にも一人でも多くの皆さんが出場していただければと思 います。  それでは、「第106号」をお届けします。 ---------------------------------------------------------------------- 七尾市は、市政を身近に感じ、たくさんの人に”ななおファン”になっていた だくきっかけづくりとして、七尾市公式『facebook(フェイスブック)』と 『Twitter(ツイッター)』を運用しています。 これまで以上に新鮮な情報を皆さんにお届けしますので、「いいね!」や「フ ォロー」をよろしくお願いします。 ■フェイスブック(表示名「七尾市役所」) ■ツイッター(表示名「七尾市」「@nanaocity」) 詳しくは↓ http://www.city.nanao.lg.jp/koho/shise/koho/sns/index.html ----------------------------------------------------------------------                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地                    七尾市企画経営部広報広聴課                   電話   0767−53−8423                   ファクス 0767−52−2812                   E-mail  koho@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○                   〜〜〜●第106号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 1.のとじま交流市場がリニューアルオープン           【4月6日(土)】 2.曳山奉幣祭(チョンコヤマ)〜気多本宮の春祭り           【4月14日(日)】            3.小丸山さくらまつり          【4月14日(日)】 4.第十回 花嫁のれん展         【4月29日(月・昭和の日)〜5月12日(日・母の日)】                      ※ 市内各施設のイベントについて   ☆北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ 1.のとじま交流市場がリニューアルオープン ☆★☆  昨年からリニューアルオープンに向けて工事をしていた「のとじま交流市場 」が4月6日にオープンします。  能登島産の鮮魚や野菜など、能登島の旬の食材が楽しめるコーナーが充実し ています。 ■日 時 4月6日(土)13:00から ■場 所 道の駅 のとじま交流市場 ■内 容 飲食店、みやげ品販売 ■リニューアル箇所  ・能登島淀k楜t舛・蘓緲箸欧気譴慎m靂爐鯣稜・  ・新鮮な海の幸をその場で焼いて食べられる浜焼きコーナー  ・のとじま交流市場限定商品の能登島産ブルーベリーを使った   ケーキやソフトクリームを販売  ・能登島の郷土料理や魚さばきの体験コーナー   (問)道の駅のとじま 電話0767−84−0225    http://notojima.main.jp/ =================================== ☆★☆ 2.曳山奉幣祭(チョンコヤマ)〜気多本宮の春祭り ☆★☆  能登生国玉比古(のといくくにたまひこ)神社(本宮神社)の春祭り。 地元では「ちょんこ山」「チャンチキ山」と呼ばれ、市内西部の6町から祇園 系の曳山6台が奉納され、鉦(かね)・太鼓などの囃子(はやし)にあわせ、 大勢の子どもたちによって、町内を練り歩きます。 ■開催日 4月14日(日)      ※4月13日(土)には曳山に飾る人形を各家で披露する       「人形見」が行われます。 ■場 所 七尾市街地西部      (米町、阿良町、亀山町、一本杉町、木町、生駒町) (問)七尾市観光交流課(七尾市観光協会) 電話0767−53−8424    http://www.nanaoh.net/c74.html =================================== ☆★☆ 3.小丸山さくらまつり ☆★☆  加賀百万石の領主となる前に前田利家が築いた城跡が現在、桜の名所小丸山 公園となり、桜(ソメイヨシノを中心にシダレ桜、ヤエ桜)の開花に合わせて 多彩なイベントが盛大に繰り広げられます。 ■開催日 4月14日(日)       ■場 所 小丸山公園(七尾市馬出町) (問)七尾市観光交流課(七尾市観光協会) 電話0767−53−8424    http://www.nanaoh.net/c74.html =================================== ☆★☆  4.第十回 花嫁のれん展  ☆★☆  「花嫁のれん」は、幕末から明治時代初期のころより、加賀藩の能登・加賀 ・越中に見られる庶民生活の風習の中に生まれた独自ののれんです。  花嫁が嫁入りの時に「花嫁のれん」を持参し、嫁ぎ先の仏間の入口に掛け られます。玄関で合わせ水の儀式を終え、両家の挨拶を交わした後、花嫁は のれんをくぐり、先祖のご仏前に座ってお参りをしてから結婚式が始まりま す。  古い街並みが残る一本杉通りの商家・民家の屋内に百数十枚展示し、街並み を色鮮やかに彩ります。  花嫁のれんを見るだけの観光ではなく、各店の主人、女将さん目線での語り を聞き楽しむ「語り部処」が特徴です。  ゆっくり堪能コースや体験コースもあり、訪れる人の心を魅了するまち・ 七尾市へのお越しを心よりお待ちしております。 ■開催日 4月29日(月・昭和の日) 〜 5月12日(日・母の日) ■場 所 七尾市一本杉通り ■花嫁道中 4月29日(月・昭和の日)※荒天時中止       晴れの日を迎える新郎新婦が一本杉通りを練り歩きます。 (問) 七尾市観光交流課(七尾市観光協会)電話0767−53−8424     http://www.nanaoh.net/p96.html 能登・七尾市一本杉通り公式サイト http://www.ipponsugi.org/ 花嫁のれん展公式サイト  http://ipponsugi.org/noren/   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★ ◎ 能登島ガラス美術館 電話 0767−84−1175   → http://www.city.nanao.ishikawa.jp/glass/  ◎ 七尾美術館  電話 0767−53−1500   → http://nanao-art-museum.jp/ ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  電話0767−54−0300   → http://www.notorannokuni.com/ ◎ 能登演劇堂  電話 0767−66−2323   → http://www.engekido.com/   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆北國新聞ニュース ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:七尾出身学生企画、青柏祭ツアー/金沢から20人招待 02:認知症テーマに創作劇/公立能登総合病院/専門家が劇団結成、上演 03:島民ヘルパー養成開始/能登島社会福祉協議会が県内初/在宅介護支援に 04:能越道で売る特産物作ろう/南大呑地域協/イカ、イワシの干物試作 05:長谷川等伯一族の墓を初確認/長壽寺、供養塔の土中に 06:風雨の中、健脚競う/能登和倉万葉の里マラソン/三輪が雪辱V 07:相馬の誇り、馬と共に/國分さんが2頭飼育/野馬追出場へ 08:一人暮らし、慣れないな/妻を亡くした福永さん/東日本大震災から2年 09:サッカー合宿新たな拠点に/能登島グラウンドがオープン 10:3月第4日曜を忘れない/能登半島地震から6年/北大呑で避難訓練 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2013/03/02付朝刊――――――――――――――☆ ◎七尾出身学生企画、青柏祭ツアー/金沢から20人招待  能登の祭りの魅力を広く発信するため、七尾市や輪島市出身の学生3人が地元 旅行会社と連携し、5月に青柏祭の無料招待ツアーを実施する。県から助成を受 け、金沢市内の大学生20人を同祭に招き、大きさ日本一の山車「でか山」の巡 行などを楽しんでもらう計画で、独特の熱気を肌で感じてほしいとしている。  ツアーを企画したのは金大人間社会学域法学類2年の前田聡さん(20)と早 大文学部2年の中川湧太さん(20)=いずれも七尾市中島町出身=、武蔵野大 政治経済学部3年の桜木佑斗さん(21)=輪島市河井町出身=。七尾市の旅行 会社が実施主体となり、世界農業遺産「能登の里山里海」ツアーとして行う。  計画では、5月5日午前にJR金沢駅をバスで出発。穴水町でピザ作り体験を 楽しんだ後、七尾市能登島で昼食を食べ、午後から市中心部で青柏祭を見物し、 でか山の曳き綱を引いて巡行を楽しむ。住民との交流会なども予定しており、夜 には金沢に戻る。  前田さんと中川さんは小中高校の同級生で、幼いころから同市中島町のお熊甲 祭(くまかぶとまつり)や能登島の向田の火祭りなどを楽しんできた。能登町宇 出津のあばれ祭(まつり)など、能登にはユニークな祭りが数多くある一方、金 沢や東京などでは魅力があまり理解されていないと実感し、ツアーを企画した。  2人はインターネット上で「祭りドットコム」と題したサイトを運営し、祭り の魅力発信に努めており、桜木さんがこのほど仲間に加わった。3人は無料招待 ツアーが好評であれば、首都圏からの誘客にも挑戦したいとしており、「一人で も多くの人に能登に来てほしい」と話した。 〈02〉2013/03/03付朝刊――――――――――――――☆ ◎認知症テーマに創作劇/公立能登総合病院/専門家が劇団結成、上演  公立能登総合病院精神センター(七尾市)の精神保健福祉士や精神科認定看護 師ら6人が劇団「T―DOKS(ティードックス)」を結成した。仕事を通して 知った認知症患者の気持ちや患者への接し方を創作劇にまとめ、認知症への理解 を広く求める。2日、七尾市の七尾サンライフプラザで初上演した。要望があれ ば能登各地で上演する。  団員は30〜40歳代で、いずれも認知症看護の専門家。精神保健福祉士の田 辺めぐみさん(41)が、自分たちの経験をまとめた脚本「母の黒い手帳」を書 き下ろした。  団員は、認知症を患い、家族から阻害された気分に陥る高齢女性と、家族の名 前や大切な事柄を忘れないよう書き付けた女性の手帳を見つけ、胸を打たれる家 族の様子を熱演し、来場者280人の泣き笑いを誘った。田辺さんは「認知症患 者への正しい接し方などを広めたい」と話した。  認知症診療ネットワークに関する研修会公開講座の一環。滋賀県立成人病セン ター老年内科主任部長の松田実氏の講演も行われた。 〈03〉2013/03/03付朝刊――――――――――――――☆ ◎島民ヘルパー養成開始/能登島社会福祉協議会が県内初/在宅介護支援に  七尾市の能登島地区社会福祉協議会は2日、島内の住民を対象にした訪問介護 員(ヘルパー)2級養成講座を開講した。同会によると、地区社協が、知事認可 のヘルパー養成講座を開くのは県内で初めて。受講生8人は7月に資格を取得す る予定で、地域密着の「地域ヘルパー」として島内の在宅介護宅の支援を行う。  講座には、在宅で実父の介護をする主婦や亡くなった祖父と約束した介護職を 目指す少女、公民館役員の男性らが出席。高齢者の体調管理や福祉理念などを学 んだ。  7月13日まで全22回開かれ、受講生は介護の知識を学ぶほか、島内のケア ハウスや特別養護老人ホーム、デイケアサービスで実習を行い、食事や入浴、排 せつ介助のこつやコミュニケーションなどを体得する。社会福祉法人石龍会(同 市)が協力する。  養成したヘルパーが活躍する母体として、同協議会は5日、NPO法人能登島 福祉協同組合(仮称)を設立し、地域ヘルパーと支援を求める家庭が加盟する。 ヘルパーは有償ボランティアとして活動する予定で、今後、組合内で流通する介 護専門の地域通貨を同NPOが発行する構想も練っている。  協議会によると、島内の人口約3千人に対し、介護認定を受けた高齢者は26 0人、うち認知症患者は100人いる。新田敞(たかし)会長は全21町会に各 3人以上のヘルパーを養成して24時間の介護体制を構築したいとしており「住 民が支え合い、全国に先駆けて、安心して在宅介護ができる態勢を作りたい」と 話した。 〈04〉2013/03/04付朝刊――――――――――――――☆ ◎能越道で売る特産物作ろう/南大呑地域協/イカ、イワシの干物試作 七尾市南大呑地域づくり協議会産業建設部会は能越自動車道七尾氷見道路の1 4年度全線開通を見据え、南大呑地区自慢の海産物を生かした加工食品作りに乗 り出した。3日は同市南大呑公民館に会員7人が集まり、スルメイカとマイワシ の干物を試作した。  同協議会は、七尾氷見道路の大泊IC付近に直売所の新設を求めている。同直 売所で地区特産の海産物を販売することで、通行者に七尾の豊かな自然と美味を 売り込み、地区の活性化を目指す。  試作は、会員で漁師の岩矧_気気鵝複毅院法疇瓜埖臟馗・瓩・愼海靴拭2餔・・ は慣れた手つきでスルメイカやマイワシをさばき、木材やアユ捕り用の漁網で手 作りした高さ約150センチの干し台に丁寧につるし、自然の力で魚のうまみを 引き出す工夫を重ねた。今後、タラやアジ、アンコウ、カレイ、サバなどの魚の 加工にも取り組む。  同会は「地元はもちろん、県外客も満足してもらえるような味に仕上げたい」 と意気込んだ。 〈05〉2013/03/05付朝刊――――――――――――――☆ ◎長谷川等伯一族の墓を初確認/長壽寺、供養塔の土中に  七尾市教委は4日までに、七尾出身の絵師長谷川等伯を輩出した長谷川家の墓 石を、菩提(ぼだい)寺である同市小島町の日蓮宗長壽(ちょうじゅ)寺で確認 した。無縁仏供養塔の下に埋まっていた。市教委によると、等伯一族の墓の確認 は初めて。安部龍太郎氏の小説「等伯」の直木賞受賞などで七尾の画聖に注目が 集まる中、同寺は年内にも墓石の周辺を整備し、等伯をしのぶ場を設ける。  見つかった墓石は高さ約90センチ、幅約30センチ、奥行き約28センチ。 正面や側面の文言から、安土桃山時代から江戸初期に活躍した等伯の一族の末裔 である「長谷川十兵衛」家の11代当主が1855(安政2)年3月に建立した とみられる。市教委七尾市史編さん室の和田学次長が墓石の文言を確認し、長谷 川家のものと断定した。  長壽寺32代住職の高木繁徳(はんとく)さん(51)によると、長谷川十兵 衛家は幕末、現在の金沢市野町に移住し、寺との関係が薄れた。1965(昭和 40)年8月、先代住職が「無縁墓」として供養塔の地下に埋めたという。  高木住職や専門家によると、当時、長谷川等伯を知るのは美術史家や、作品が 多く残る関西の美術ファンに限られており、長谷川家の墓石の持つ歴史的な価値 は認識されていなかったという。  高木住職は、長谷川家の墓石を埋めたことを周囲から伝え聞いていた。北國新 聞社が実施している「長谷川等伯ふるさと調査」などで等伯に脚光が当たったこ とをきっかけに、墓石のことを思い出し、供養塔の周囲を掘り起こした。  同寺は墓石を境内の一画に据え、年内にも柵などを整える予定で高木住職は、 「等伯に光が当たったことで、墓石も掘り起こすことができた。大勢の等伯ファ ンにお参りしてほしい」と話している。  長谷川等伯ふるさと調査の第2次調査団顧問で日本美術史研究者の宮島新一氏 は「十兵衛家は長谷川家の本家筋の可能性がある。墓石発見は等伯研究の大きな 一歩となるのではないか」と評価した。 〈06〉2013/03/11付朝刊――――――――――――――☆ ◎風雨の中、健脚競う/能登和倉万葉の里マラソン/三輪が雪辱V 能登和倉万葉の里マラソン2013(10日・七尾市和倉温泉発着コース)44 都道府県と台湾から10部門に過去最多の6499人が出場し、風光明媚(めい び)な七尾西湾沿岸を駆け抜けた。日本陸連公認フルマラソンの男子は三輪真之 (スタイリッシュ)が自己最高の2時間22分52秒で3度目の優勝を果たし、 昨年2位の雪辱を晴らした。女子は安川沙弥香(野々市市)が3時間4分26秒 で制した。  フルマラソン、10キロ、5キロ高校生、5キロ中学生、親子ペア1・2キロ の男女、学年別で健脚を競った。  中、高校生や職場の同僚、奉仕団体、市職員ら1456人がボランティアとし て参加し、沿道で給水や誘導、救護に当たった。能登和倉万葉の里ウオークも行 われた。  フルマラソンのコースでは七尾産のカキやブリを使った補給食が配られ、ゴー ルの和倉温泉でかきフェスティバルも開かれた。スタート前に大会長の不嶋豊和 七尾市長があいさつした。  男子フルマラソンは、30キロでスパートし独走態勢となった三輪が、必死の 形相でゴール。2位一花建、3位の弟征司と星稜高OB勢が上位独占した。  昨年、38キロで抜かれ2位に沈んだ悔しさから、昨夏から例年の1・5倍と なる月400キロの走り込みを自らに課し、「終盤のスタミナに自信が持てた」 と自己新に納得の表情。同い年で、交流のある最強市民ランナー川内優輝(埼玉 県庁)との記録差を縮めるため、「まずは年内に2時間20分を切りたい」と闘 志を燃やした。 〈07〉2013/03/11付朝刊――――――――――――――☆ ◎相馬の誇り、馬と共に/國分さんが2頭飼育/野馬追出場へ  福島第1原発事故で、福島県南相馬市から七尾市中島町に移住した農業國分剛 (こくぶんつよし)さん(35)が、ふるさと相馬に伝わる国の重要無形民俗文 化財「相馬野馬追(のまおい)」に自分の馬で出場するため、中島で馬2頭を飼 い始めた。「相馬の男が馬育てるの当たり前だかんね。ここで馬と一緒に生きて いくよ」。東日本大震災から2年を迎え、國分さんは故郷の誇りを支えに、能登 で生きる思いを新たにしている。  國分さんは震災前、実家で家族と一緒に3頭の馬を育てていた。12歳であこ がれの騎馬行列に参加し、中学生になると甲冑を身に着け、騎馬の行軍などに毎 年出場した。自分の馬で野馬追に出るのが誇りだった。  東日本大震災と原発事故で近所の住民の大半が県外へ避難し、馬は町に取り残 された。「このままだと死んでしまう」。國分さんは実家の3頭と、飼い主を失 った近所の12頭の面倒を見ながら、引き取り先探しに奔走した。全頭を各地に 譲り終え、3月25日に家族を連れて中島に移った。  中島は2009年の無名塾ロングラン公演「マクベス」で、南相馬の住民とと もに、馬に乗って舞台に立った思い出の地だった。  「野馬追に自分の馬で出たい」。望郷の念に駆られた昨年4月、引退した競走 馬の飼育先を探す千葉県のNPOの紹介で、愛知県の馬主から元競走馬2頭を譲 り受けた。中央、地方競馬で活躍したマルカキセキ(12歳牡馬、通算10勝) と、タイカーリアン(8歳牡馬、通算5勝)である。  南相馬の知人に預けたこの2頭で、昨年7月の野馬追に出場すると、今度は 「自分の馬の面倒は自分で見たい」との思いが募った。  所属する農事組合法人「上畠農業機械利用組合」が協力し、空き畜舎を厩舎に 改築。近くの空き地には1250平方メートルの馬場をつくり、2頭を中島に迎 え入れた。  國分さんには3歳の長男と、昨年3月に生まれた長女がいる。放射能の影響な どを考えれば、中島での暮らしが最善だと思う。  「ここで暮らすって腹くくったから、馬を飼うことにした。いつまでも被災者 って言われるのは抵抗あるね。僕とこの馬たちが出会ったのも運命です」  長男が成長した暁には、野馬追に一緒に出場したい。そんな夢を見ながら、國 分さんは馬の手入れに余念がない。 〈08〉2013/03/12付朝刊――――――――――――――☆ ◎一人暮らし、慣れないな/妻を亡くした福永さん/東日本大震災から2年  東日本大震災の大津波で、宮城県女川町に帰省中だった七尾市本府中町の介護 職員福永喜代子さん=当時(57)=を亡くした夫の実さん(61)は11日、 自宅で仏前に手を合わせ、冥福を祈った。明るい性格だった妻。笑顔で手を振る 最後の姿が目に焼き付いたままだ。残された実さんは「慣れないといけないのに 一人暮らしは慣れないな」とつぶやいた。  喜代子さんは2年前の2月27日、女川の実家に暮らす両親を介護老人施設に 入所させるため帰省した。その女川を大津波が襲った。  「生きていてほしかった」。だが、行方は分からないままで、特別法に基づき 2011年7月に喜代子さんの法律上の死亡が決定し、実さんは七尾で葬儀を営 んだ。宮城県石巻市沖で同年3月24日に見つかっていた遺体が喜代子さんと判 明したのは、昨年5月になってからだった。  「じゃ、行ってくるね」「うん」。玄関先でのあいさつが妻との最後の会話に なった。自宅近くのJR七尾線の踏切で、妻が乗る特急列車を見送った実さんは 窓越しに手を振る笑顔の喜代子さんと一瞬、目が合った。「今もサンダーバード を見るのがつらいんだ。思い出すから」  1998年10月から一緒に暮らし始め、婚姻届を提出したのが2010年1 1月だった。「あんたが死んだら、あたし困るし。法律上ちゃんとしよう」と、 遠回しに入籍を切り出したのは喜代子さんだった。笑顔を思い出すたび、実さん は「3カ月半後にあいつが先に逝った。死ぬ順番が逆だ。変だよな」と思う。  震災で妻を亡くし、一人暮らしが2年を過ぎた。市販の弁当が主食となり、体 重が12キロ増えた。「長生きして供養しないといけないと思っている。けど、 一人だし、夜が長くて、食べ過ぎちゃうんだ」。実さんは、喜代子さんが好きだ ったコーラを仏前に供え、近況を伝えた。 〈09〉2013/03/23付夕刊――――――――――――――☆ ◎サッカー合宿新たな拠点に/能登島グラウンドがオープン  七尾市が旧能登島中跡地で整備を進めていたサッカー場「能登島グラウンド」 のオープン記念式典は23日、同市能登島向田町の同所で行われ、関係者約50 人が、サッカー合宿と大会の新たな拠点完成を祝った。  人工芝の大人用グラウンド2面(少年用4面)とサブグラウンド、テニスコー ト3面を兼ねたフットサルコート2面を中心に管理棟、観客席、大型駐車場を備 える。総事業費は6億1172万円。  式典では、不嶋豊和市長が「和倉温泉運動公園多目的グラウンドと併せて活用 し、合宿誘致に弾みをつけたい」とあいさつ。杉本忠一市議会議長、和田内幸三 、西田昭二両県議が順に祝辞を述べ、始球式に臨んだ。  引き続き、石川県内外40チーム約700人が参加する北陸最大級の少年サッ カー大会「七尾市長杯争奪プーマジュニアカップin七尾」が開幕した。 〈10〉2013/03/25付麻刊――――――――――――――☆ ◎3月第4日曜を忘れない/能登半島地震から6年/北大呑で避難訓練  能登半島地震が発生した3月の第4日曜にあたる24日、七尾市北大呑地区で 津波を想定した避難訓練が行われ、約800人が真剣な表情で参加した。地震発 生の翌年から毎年、津波避難訓練を重ねる同地区では、東日本大震災後、危機意 識がさらに高まった。住民は地区独自で設置した海抜表示板を確認しながら、隣 近所で助け合って避難した。  県の想定によると、北大呑地区では最短11分で、最大5・6メートルの津波 に襲われる危険性がある。訓練では、午前8時に防災行政無線が津波発生を知ら せ、5分以内に、参加者全員が地区指定避難所14カ所に徒歩で避難した。足腰 の弱い高齢者には家族や近所の住民が付き添い、安全な避難を心掛けた。  同地区自治防犯防災交通委員会が主催した。事務局長の早見久左エ門さん(5 5)によると、8年前に初めて津波避難訓練を町会長らに提案したときは実施に はいたらなかったという。  訓練前、同委員会は、避難所など12カ所に委員手製の海抜表示板を設置。早 見さんは「お年寄りの誘導もうまくいった。これからも危機感を持ち続けたい」 と話した。 ●七尾市で一斉メール  七尾市は24日、津波情報を記した電子メールを、市内の携帯電話向けに一斉 送信する訓練を初めて行った。