□◆□◆□◆□◆ 第99号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                          平成24年8月24日  お盆が過ぎても、まだまだ暑い日が続きます。  アサガオやゴーヤなどのつる植物を、窓に覆うように繁茂させた「緑のカー テン」が、市内でもよく目にするようになりました。日光の当たる市役所正面 窓側に緑のカーテンを設置し、今では1階の窓が隠れて紫色や赤色のアサガオ の花が、咲いて見ごろを迎えています。  また、農家の皆さんにとって、これからとても忙しい稲刈りの季節となりま す。すでに、稲刈りをしている人もいるかもしれません。9月上旬には食卓で おいしい新米が食べられると思うと、とても楽しみです。  それでは、「第99号」をお届けします。 ---------------------------------------------------------------------- 七尾市は、市政を身近に感じ、たくさんの人に”ななおファン”になっていた だくきっかけづくりとして、七尾市公式『facebook(フェイスブック)』と 『Twitter(ツイッター)』を運用しています。 これまで以上に新鮮な情報を皆さんにお届けしますので、「いいね!」や「フ ォロー」をよろしくお願いします。 ■フェイスブック(表示名「七尾市役所」) ■ツイッター(表示名「七尾市」「@nanaocity」) 詳しくは↓ http://www3.city.nanao.ishikawa.jp/guide/svGuideDtl.aspx?servno=3014 ----------------------------------------------------------------------                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:石川県七尾市袖ケ江町イ部25番地                    七尾市企画経営部広報広聴課                   電話   0767−53−8423                   ファクス 0767−52−2812                   E-mail  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3.第71回七尾城まつり ☆★☆            日本五大山城の一つに数えられる七尾城の往事を偲ぶ全国詩吟大会をはじめ 剣舞・太鼓・獅子舞など多彩な行事が催され、紅葉の城山で楽しい一日が満喫 できます。 ■日 時 前夜祭 9月15日(土)18:00〜      本 祭 9月16日(日)10:00〜 ■場 所 七尾城跡本丸など ■内 容 邦楽の夕べ、ちびっこ演技、全国詩吟大会など (問)矢田郷公民館 電話0767−52-5240   〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ☆★☆ 4.お熊甲祭 ☆★☆            天狗面をつけた猿田彦が、鉦や太鼓に合わせて踊りながら祭りを先導し、 屈強の若い衆が20mもある真紅の枠旗を担ぐ勇壮な祭りです。 ■日 時 9月20日(木)7:00〜17:00      ・ 7:00〜 道中(各集落が奉幣とともに熊甲神社を目指す)      ・ 8:00〜 境内参入(神輿や枠旗が境内に勢ぞろい)       ・10:30〜 奉幣式(鉦や太鼓に合わせて猿田彦が乱舞)       ・12:00〜 渡御(神輿がお旅所である加茂原を目指す)        ・14:00〜 お旅所(数十本の真紅の枠旗が並ぶ) ■場 所  久麻加夫都阿良加志比古神社(熊甲神社)周辺(七尾市中島町) (問)七尾市観光交流課 電話0767−53−8424 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ☆★☆ 5.能登ふるさと博 山の寺寺院群あかりのこみち ☆★☆        長谷川等伯を偲び、600基の灯明が並べられた境内や参道は、淡い光を 放つ幻想的な雰囲気を醸し出します。 ■日 時 9月30日(日) 17:30〜20:30 ■場 所 山の寺寺院群周辺(七尾市小島町) (問)七尾市観光交流課 電話0767−53−8424 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ☆★☆ 6.能登ふるさと博 蔵コンサートin鳥居醤油店 ☆★☆        魅惑のムード音楽を楽しみませんか。 ■日 時 10月6日(土) 19:00〜 ■場 所 鳥居醤油店(七尾市一本杉町) ■出演者 BLACK VELVETS(ブラックベルベッツ) ■料 金 1,500円 ※鳥居醤油店オリジナルグッズプレゼント ■定 員 50人 (問)モントレージャスフェスティバルイン能登実行委員会     電話0767−54−8820 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★ ◎ 能登島ガラス美術館 電話 0767−84−1175   → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html  ◎ 七尾美術館  電話 0767−53−1500   → http://nanao-art-museum.jp/ ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  電話0767−54−0300   → http://www.notorannokuni.com/ ◎ 能登演劇堂  電話 0767−66−2323   → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:能登島の芸能、復活後押し/公民館、11月の文化祭での披露打診 02:石崎奉燈祭、勇壮に/イヤサカサー、掛け声に合わせ乱舞 03:和倉で高校総体セーリング/羽咋工がデュエットV、創部26年で初 04:田中さん、浜辺さんが好演/能登の花ヨメ、それから/ウェブドラマ撮影 05:ジンベエザメ 3匹目/のとじま水族館に運ばれる/いけすで餌付け 06:重文「山水図襖」を公開/七尾美術館で等伯展 07:復興願いジャズツアー/IJJA被災地へ/水没のピアノで演奏 08:地下水路「舟尾川のマンポ」/川下りで歴史遺産学ぶ/新垣公民館 09:能登半島地震から5年/七尾市文化財すべて元通り/日吉神社本殿を修復 10:画聖の土台能登にある/長谷川等伯ふるさと調査成果報告会 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2012/08/04付朝刊――――――――――――――☆ ◎能登島の芸能、復活後押し/公民館、11月の文化祭での披露打診  七尾市能登島公民館は、11月11日に開催する「市民文化祭inのとじま」 に向け、住民の高齢化などで幻となった伝統の踊りや風習の再興を島内で促す。 島内の獅子舞などが一堂に会する文化祭で、藩政、明治期から続く武将の闘いや 動物の形態模写などの珍しい踊りを紹介、記録することで、島の多様な民俗芸能 を後世に伝える。  同公民館などは、能登島大橋架橋30周年記念事業として、同祭で能登島各地 の祭りを紹介する初の催し「能登島の祭り大集合」を企画した。現時点で島内2 0町のうち11町が出場し、獅子舞や踊りを交えた寸劇「にわか」「団七踊り」 を披露することが決まった。  準備を進める中で同公民館は、馬踊りや鳥踊り、豊年踊り、いかめしい格好の 怪物「こっぺ」など、人手不足で途絶えたり、規模を縮小した風習が島内に数多 くあることを確認。集落に残る踊りや風習を披露できないか、各町会などを通じ て住民に打診を始めた。  能登島では、各集落ごとに異なる民俗芸能や獅子舞が発達している。同公民館 は「能登島の芸能を島民総出で楽しみ、自分たちの文化に誇りを持ってほしい」 としている。 〈02〉2012/08/05付朝刊――――――――――――――☆ ◎石崎奉燈祭、勇壮に/イヤサカサー、掛け声に合わせ乱舞 七尾を代表する夏祭り「石崎奉燈祭」は、七尾市石崎町で行われ、威勢良い掛 け声に合わせて高さ12〜15メートルの大奉燈6基が乱舞し、漁師町は深夜ま で勇ましい男衆の熱気に包まれた。 男衆に担がれた大奉燈は路地を練り歩いた後、同町の中心地「堂前広場」に勢 ぞろい。広場には、52年ぶりに修復された神輿(みこし)が仮宮として設置さ れ、大漁祈願祭が営まれた。  明かりで大文字や武者絵が浮かび上がった大奉燈を男衆が「ソレ、イヤサカサ ー」の掛け声で担ぎ上げ、「サッカサイ」の声とともに、祭り提灯が掲げられた 町内を巡行。大勢の見物客が、威勢良い祭りに見入った。  本祭に先立ち、地元の石崎小3〜6年113人によるマーチングバンド大行進 が行われ、児童が校歌や奉燈ばやしなどを演奏しながら町内を練り歩いた。全校 児童184人による俳句が、同町西1、2区の祭り提灯に下げられ、そぞろ歩き する観光客を楽しませた。 〈03〉2012/08/06付朝刊――――――――――――――☆ ◎和倉で高校総体セーリング/羽咋工がデュエットV、創部26年で初  セーリング女子FJ級は、羽咋工が2艇の合計点数で争う「デュエット」部門 で優勝した。個人の部でも、Aチームの林優季・浜谷静歩ペアが3位、Bチーム の花島瑞紀・堀井柚花ペアが6位とそれぞれ入賞を果たした。創部26年目の同 部がデュエットを高校総体で制したのは初めて。優勝が決まると、4人は抱き合 って喜びを分かち合った。  この日は最終の第7レースが行われる予定だったが、無風状態が続き中止とな り、2日から行われた第1〜6レースの合計で順位が決定した。  主将の林は「1年生の時から目標にしてきた大会で、結果が残せたので悔いは ない」と涙ながらに話し、堀井は「顧問の先生を始め、OGや保護者の皆さんの おかげでつかんだ勝利」と喜んだ。  顧問の瀧川明生監督は、「生徒たちは、厳しい練習でも明るく前向きにこなし てきた。よくやったと言ってやりたい」と目頭を熱くし、向田和義校長は「地元 開催のプレッシャーの中、よく頑張った」と話した。 〈04〉2012/08/07付朝刊――――――――――――――☆ ◎田中さん、浜辺さんが好演/能登の花ヨメ、それから/ウェブドラマ撮影  インターネットで公開中のウェブドラマ「能登の花ヨメ、それから」の撮影が 6日、七尾市内で行われ、主演女優の田中美里さんのほか、昨年の東宝シンデレ ラオーディションで選ばれ、女優として活躍する金沢近郊の小学6年生、浜辺美 波さんらが好演した。  ドラマは能登半島地震復興支援映画「能登の花ヨメ」(2008年公開)で登 場した都会育ちのみゆきが、突然、能登で農業を始めると言い出した夫・紘一に 従って再びに能登に戻り、魅力を再認識する物語。すでにエピソード0、1の2 話が公開されている。  七尾市の社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院では6日、みゆき役の田中さん のほか、紘一の親友の娘である炭田みなみ役を務める浜辺さんが迫真の演技を見 せた。  ドラマの制作は能登の魅力を地元で暮らす女性が発信し、交流・定住人口拡大 を目指す能登半島広域観光協会フィルムコミッション委員会の「能登の花ヨメプ ロジェクト」の一環で行われた。  能登各地でエピソード2〜4までを撮影し、同プロジェクトのサイト=htt p//www.notohana.jp=で9月以降、順次公開する。公式フェ イスブックページでも紹介する。 〈05〉2012/08/10付朝刊――――――――――――――☆ ◎ジンベエザメ 3匹目/のとじま水族館に運ばれる/いけすで餌付け  七尾市沖の定置網に入っていたジンベエザメは9日、のとじま臨海公園水族館 (同市)沖の海上いけすに移され、職員が餌付けの訓練を始めた。同館は当面、 今回の個体を含む海上いけすの2匹と、展示中の「サザベエ」の計3匹のジンベ エザメを飼育する。いけすの2匹のうち、先に餌付けに慣れた方を秋にもサザベ エと交代して展示し、サザベエともう1匹は海へ放す。  運ばれたのは、同市黒崎町沖の定置網「寒鰤大敷網」に8日入った雄で、体長 は4・5メートル。この個体は定置網から輸送用いけすに移され、約3時間かけ て約40キロの道のりを運ばれた。  ジンベエザメが陸揚げされた同市の東浜漁港では、住民ら約60人が輸送を見 守った。孫や親類らと漁港に来た同市大泊町の主婦左波恵美子さん(67)は 「孫たちにとって、ふるさとの良い思い出になった」と話した。  縦横各20メートル、深さ8メートルの海上いけすには、志賀町沖から1日に 運ばれた個体と、今回の個体の2匹がいる。いけすで複数匹を飼育するのは初め て。同館によると、能登沿岸の定置網には毎年7〜10月に、計10匹程度のジ ンベエザメが入る。 〈06〉2012/08/11付朝刊――――――――――――――☆ ◎重文「山水図襖」を公開/七尾美術館で等伯展  七尾市の県七尾美術館で11日に開幕する「長谷川等伯展〜圓徳院(えんとく いん)の『山水図襖(さんすいずふすま)』を中心に〜」の内覧会は10日、同 美術館で開かれ、地元住民ら約120人が七尾出身の画聖の名作に触れた。  京都圓徳院が所蔵する重要文化財「山水図襖」16枚表裏32面を前後期に分 けて展示し、等伯や長男久蔵ら長谷川派の七尾初公開作6点を含む絵画17点と 複製3点を紹介する。同襖は51歳の等伯が大徳寺塔頭(たっちゅう)の三玄院 (京都市)の住職に断られたのにもかかわらず、留守中に上がり込み、一気に書 き上げたとの逸話が残る。32面が公開されるのは圓徳院以外では初めて。  会場には山水図襖(冬景)のほか、「長谷川等伯ふるさと調査」で確認された 「涅槃(ねはん)図」など3点も並んだ。  前期は8月31日までで、後期は9月1日から17日まで。内覧会に先立ち開 会式が行われ、武元文平七尾市長のあいさつに続き、圓徳院の後藤正晃住職らが 祝辞を述べた。 〈07〉2012/08/12付朝刊――――――――――――――☆ ◎復興願いジャズツアー/IJJA被災地へ/水没のピアノで演奏  県内の児童生徒でつくるジャズバンド「石川ジュニア・ジャズ・アカデミー」 (IJJA)は11日、東日本大震災被災地演奏ツアーで福島、宮城県を訪れ、 昨夏に七尾市でジャズ演奏を披露した生徒と旧交を温めた。一行は鎮魂のスイン グを響かせ、いったんは津波がのみこんだピアノで「上を向いて歩こう」を奏で て復興への願いを託した。  宮城県名取市を訪れた一行は、閖上(ゆりあげ)中が10日まで間借りしてい た不二が丘小で同中吹奏楽部員と再会した。リーダーの小林明日香さん(七尾高 2年)があいさつし、IJJAの演奏で部員11人が「上を向いて歩こう」を合 唱した。  一行は、卒業式当日に津波に襲われた旧閖上中校舎も訪れ、濁流の跡が残る校 舎を目の当たりにし、黙とうをささげた。  同中吹奏楽部顧問の宮本静子教諭が、部員を含む生徒14人が亡くなったこと や、サクソホンなどを抱えたまま見つかった生徒もいたと説明。「避難した生徒 には、生きていれば何とかなると励まし続けた」と語った。  守屋純子音楽監督によると守屋さんが津波で水没したピアノに向かい「上を向 いて歩こう」を奏でると、弦がさびたためややずれた音で、メロディーが響き、 メンバーの涙を誘ったという。  11日午前は福島市の福島高を訪ね、同高ジャズ研究会の生徒と互いに演奏を 披露。昨夏に七尾で合同演奏した「上を向いて歩こう」を再び演奏したほか、演 奏法を教え合うなどして交流を深めた。  ツアーは、昨年のモントレージャズフェスティバルイン能登に出演した被災生 徒への返礼として企画された。 〈08〉2012/08/12付朝刊――――――――――――――☆ ◎地下水路「舟尾川のマンポ」/川下りで歴史遺産学ぶ/新垣公民館  七尾市新垣公民館のあらかき夏越まつりは11日行われ、地元の親子28人が 藩政期に山の下をくりぬいて作った地下水路「舟尾(ふのお)川のマンポ」の川 下りを楽しみながら、世界農業遺産「能登の里山里海」を構成する、ふるさとの 歴史遺産を学んだ。  舟尾川のマンポは1844(弘化元)年から48年に、二宮川から新しく造っ た田に水を引くため、舟尾村の肝煎(きもいり)役左近四郎(さこんしろう)が 「高ノ山」と呼ばれる小山の下をくりぬいて造った2本の地下水路。長さはとも に約70メートルで、現在は二宮川の支流となっている。  今回の川下りは、世界農業遺産を申請する際にもリストアップされた舟尾川の マンポを若い世代の住民や子どもたちに知ってもらうため、同公民館が初めて実 施した。  参加者は小型ボートに乗り、藩政期に掘削された水路から、マンポの中に入っ た。トンネルの天井は、水面からの高さが1・5〜2メートルで、子どもたちは 懐中電灯で岩肌を照らして手作業で掘り進めた跡を見て、先人の苦労に思いをは せた。 〈09〉2012/08/13付朝刊――――――――――――――☆ ◎能登半島地震から5年/七尾市文化財すべて元通り/日吉神社本殿を修復  能登半島地震で破損した七尾市指定文化財の日吉神社本殿=同市大田町此の木 =の修復完了を祝う慶賀祭が12日、同神社で営まれた。これにより、同地震で 壊れた市文化財の修復12件がすべて終わった。破損時に本殿の床を支えた、約 300年前に寄進された観音菩(ぼ)薩(さつ)とみられる木像も、奉納以来初 めて公開され、住民は地域を守る神仏に手を合わせた。  同神社は1665(寛文5)年の創建で、ご神体を置く床や板壁など本殿の一 部が、同地震による揺れで破損したとみられ、氏子40人の善意と市の助成金で 4月から修復していた。  大森重宜宮司によると、昨年10月、破損した本殿を調べたところ、揺れで落 下した木像の両手が床を支えており、木像を取り除いたところ、床が抜けたとい う。  背中の部分に「阿闍梨(あじゃり)」の文字や梵字(ぼんじ)などが刻まれて いたことなどから、大森宮司はこの仏像を日吉大社がある比叡山麓の修験者が1 本の木から彫り出して奉納した観音菩薩とみている。背中に墨で「元禄十三年」 と記されていることから1700年に寄進されたのではないかと推測している。  慶賀祭では、大森宮司が祝詞を奏上した後、木像が奉納以来初めて公開され、 氏子らは手を合わせた。大田陣太鼓や地元青年団「此の木親友会」による獅子舞 も奉納された。  氏子総代で本殿修復実行委員会代表の村本孝夫さん(67)は「新しくなった 本殿と一緒に、神仏ともに大事に守っていきたい」と語った。 〈10〉2012/08/15付朝刊――――――――――――――☆ ◎画聖の土台能登にある/長谷川等伯ふるさと調査成果報告会  画聖を生み出した土台は、能登にあった。長谷川等伯ふるさと調査の報告会は 14日、七尾市の県七尾美術館で開かれ、約230人の等伯ファンを前に、団員 7氏が2010年から2年に及んだ調査の成果を語った。  全18回の調査を通じて、若き日の等伯が、養父の宗清(道浄)と協力して仏 画を描いていたことが明確になり、等伯が養父、さらには養祖父である無分の強 い影響を受けて画業に取り組んだことが見えてきた。  団長を務めた嶋崎丞(すすむ)館長は、無分作として七尾市の長壽寺(ちょう じゅじ)に伝わる涅槃図(ねはんず)が、後の等伯の原点になったと強調した。 無分については、京都で貴重な絵画を見る機会がある身分の高い絵師だったと指 摘した。  北原洋子県七尾美術館主幹・学芸員は能登時代の等伯作品、北春千代県立歴史 博物館学芸主幹は長谷川派の涅槃図の特色、的場久良県七尾美術館主幹・学芸員 は、七尾を中心に活躍した長谷川派絵師の等誉(とうよ)について報告した。  歴史の面からは、副団長を務めた東四柳史明(ひがしよつやなぎふみあき)金 沢学院大教授が、長谷川家と、大名の畠山家、重臣の長氏や温井氏との密接な関 係を読み解き、宗清は仏画のほか、能登の在地武士の肖像画を描くことを仕事に していた可能性もあるとした。  桜井憲弘・元中能登町文化財保護審議会委員は等伯が生きた時代の七尾城下町 について、和田学七尾市史編さん室次長・学芸員は近世の長谷川家について発表 した。  報告会の後、出席者は北原学芸員の解説で、館内で開催中の「長谷川等伯展」 を巡り、「山水図襖(ふすま)」や「月夜(げつや)松林図屏風」などの名品を 鑑賞した。