□◆□◆□◆□◆ 第87号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                          平成23年8月26日  8月も終わりに近づき、夏の猛暑も一段落しています。このまま過ごしやす い季節に入ればよいのですが、天気予報によれば、北陸地方は9月も残暑が厳 しいとのこと。クーラーや扇風機たちには、もう少しがんばってもらわなけれ ばならないようです。  お盆といえばお墓参り。普段はお参りをしない私ですが、さすがにお盆には 毎年欠かさずお墓参りに出かけています。そこで毎年感心させられるのは、多 くのお墓がきれいにされていることです。お墓の周りはきれいに掃除され、生 き生きとした花が飾られています。普段は人けもなく殺風景な墓地も、このと きばかりは色鮮やかに彩られ、先祖を大切にする日本人の心の優しさが伝わっ てくる瞬間でもありました。  先人に感謝し、今ある命の大切さをかみしめる。東日本大震災からはや半年 が経ちましたが、そのことを忘れてはならないように思います。   それでは、第87号をお届けします。                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:七尾市企画経営部広報広聴課                    TEL 0767−53−8423                    FAX 0767−52−2812                    E-mail koho@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○                   〜〜〜●第87号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  (1) 車両フェスタin七尾  (2) 地域防災講演会 「想定を超える災害にどう備えるか」  (3) 水環境フォ−ラムin七尾2011  (4) 田鶴浜あかりまつり2011  (5) 第70回 七尾城山まつり  (6) 国指定重要無形民俗文化財 「お熊甲祭」    ※ 市内各施設のイベントについて   ☆北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ (1) 車両フェスタin七尾  ☆★☆       七尾線電化開業20周年を記念して、現在七尾線で使用されている車両を中 心に七尾駅構内で展示公開します。鉄道関連のさまざまなイベントも行います。 ご家族連れなどで遊びに来てください。 ■日時 8月27日(土)・28日(日)      10:30〜15:00 ■場所 七尾駅構内 ■内容 (1)415系電車と綱引き (2)運転席乗車体験     (3)車内放送体験     (4)ミニSL運転     (5)ジオラマ模型展示   (6)鉄道グッズ販売     (7)北陸の駅弁販売    (8)二十歳の一日駅長     (9)ステージイベント   (10)テント市 (問)七尾市観光協会(七尾市観光交流課内)    TEL 0767−53−8424 =================================== ☆★☆(2)地域防災講演会 「想定を超える災害にどう備えるか」 ☆★☆      「釜石の奇跡」を影で支えた人物が語る、真の防災教育とは?  3月11日に発生した地震による大津波から、奇跡ともいうべき見事な対応 によって、多くの命が救われた地域があります。それは岩手県釜石市です。  子どもたちの生存率は「99.8%」。  その子どもたちは教えられたとおり、いやそれ以上の対応をとることで、巨 大津波から無事に生き残りました。  これは奇跡ではなく、その陰には8年前から大津波を想定して、学校におけ る津波防災教育を熱心に取り組んできた人物がいます。  東日本大震災後、各方面から注目を浴びている講師の体験談は、これからの 防災教育に役立つこと間違いありません。 ■日時 9月4日(日) 13:30〜15:30 ■会場 サンビーム日和ヶ丘(七尾市垣吉町) ■入場料 無料 ■演題 想定を超える災害にどう備えるか     〜今求められる個人・地域の防災力〜 ■講師 片田 敏孝 氏      (群馬大学広域首都圏防災研究センター長)     (群馬大学大学院工学研究科 教授) (問)七尾市環境安全課 TEL 0767−53−8468      =================================== ☆★☆ (3) 水環境フォ−ラムin七尾2011 ☆★☆            河川・湖沼等の水質保全・向上を図るため、県民の方々に生活排水処理施設 の必要性を理解していただくための展示、基調講演などを開催します。  特別講演では「ムツゴロウさん」こと、畑正憲さんが登場します。 ■日時 9月10日(土)     展示コーナー 10:00〜16:30     フォーラム  13:00〜16:10 ■場所 七尾サンライフプラザ(七尾市本府中町) ■内容 (1)特別講演「ムツゴロウ 大いに語る 水環境と生きもの」         講師:作家 畑 正憲 氏     (2)パネルディスカッション、展示コーナー、クイズコーナー (問) 水環境フォーラム実行委員会事務局(石川県水環境創造課)     TEL 076−225−1493 =================================== ☆★☆ (4)田鶴浜あかりまつり2011 ☆★☆  能登ふるさと博「灯りでつなぐ能登半島」の一環として、地域ブランドであ る田鶴浜建具と地域の特産品や観光資源を活用しながら、“あかり”をテーマ としたまつりを行います。   ■日時 9月10日(土) 17:00〜21:00  ■場所 東嶺寺・さつき苑・住吉神社 周辺      (七尾市田鶴浜町)   (問)田鶴浜あかりまつり実行委員会(能登鹿北商工会田鶴浜支所)    TEL 0767−68−2253 =================================== ☆★☆ (5)第70回 七尾城山まつり ☆★☆  『日本100名城』『美しい日本の歴史的風土準100選』に選ばれた七尾 城址、懐古館とその周辺を舞台に、多彩なイベントが目白押し。 スタッフもお客さんもキラキラ輝く、七尾城まつりに参加してみませんか。 ■日時 9月17日(土)18:30〜 <前夜祭>     9月18日(日)10:00〜 <本祭>       ■場所 七尾城址本丸跡、本丸駐車場、懐古館周辺など (問) 七尾市矢田郷公民館 TEL0767−52−5240 =================================== ☆★☆ (6)国指定重要無形民俗文化財 「お熊甲祭」 ☆★☆  国の重要無形民俗文化財に指定されている奇祭。別名「枠旗祭り」「二十日 祭り」とも呼ばれるこの祭りは、大陸の渡来神を祀る久麻加夫都阿良加志比古 神社(クマカブトアラカシヒコジンジャ)の大祭で、毎年9月20日に行われ ます。  天狗面をつけた猿田彦(サルタヒコ)が鉦(カネ)・太鼓に合わせて踊りな がら祭りを先導し、屈強の若い衆が20mもある真紅の枠旗を担ぐ勇壮な祭り です。 ■日にち 9月20日(火) ■場所  久麻加夫都阿良加志比古神社 周辺 (七尾市中島町宮前)       (問)七尾市観光協会(七尾市観光交流課内)    TEL 0767−53−8424      ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★  ◎ 能登島ガラス美術館  TEL 0767-84-1175    → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html   ◎ 七尾美術館  TEL 0767-53-1500    → http://nanao-art-museum.jp/  ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  TEL 0767-54-0300    → http://www.notorannokuni.com/  ◎ 能登演劇堂  TEL 0767-66-2323    → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:被災の生徒 甘い思い出/辻口さんが新作菓子/MJFイン能登が閉幕 02:能登野菜普及へ農家と学生仲介/七尾鹿島農業青年協議/産直店で協力 03:「とうふ伯」人気じわり/2年目のグルメ博が開幕 04:能登島の夫婦船 石巻へ/夫が急死の池田さん、復興願い船託す 05:サッカー合宿七尾で続々/震災で関東から移る 06:信春の画業に目凝らす/県七尾美術館/等伯展が幕開け 07:大奉燈が乱舞/石崎奉燈祭燃える 08:気仙沼に激励の鍵盤ハーモニカ/有磯小/県ユネスコ協会が橋渡し 09:米モーガンタウン、来年姉妹都市20周年/サンビームで写真や土産展示 10:終戦直前の田鶴浜大火/七尾から義捐物資/相生町に記録文書 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2011/08/01付朝刊――――――――――――――☆ ◎被災の生徒 甘い思い出/辻口さんが新作菓子/MJFイン能登が閉幕  モントレージャズフェスティバル(MJF)イン能登2011は7月31日、 最終日を迎え、会場の七尾市の七尾マリンパークに詰め掛けた大勢のジャズファ ンや市民は、潮風を浴びながら軽快なスイングに心躍らせ、巧みな演奏に聞きほ れた。前日と異なる編成で演奏された「3千人のスイング」では、東日本大震災 の被災地を思う奏者の音色が港町に響いた。  地元の小中高生バンド「石川ジュニアジャズアカデミー(IJJA)オーケス トラ」の4曲で幕開け。被災地から招待され、小編成4バンドで各1曲を演奏し た福島県立福島高ジャズ研究部の演奏に大きな拍手が送られた。帝京高(東京) の「スイギングハニービーズ」も会場を沸かせた。  3バンドとプロ奏者8人による「3千人のスイング」では、IJJA音楽監督 の守屋順子さん編曲の「上を向いて歩こう」の音色に、会場全体が一体感に包ま れた。  寺久保エレナ・カルテットから始まったプロの部では、アクアピット、TOK U、岡本章生&ゲイスターズらの魅力的な演奏に会場の熱気が上がり続けた。  初の2日間開催となったMJFイン能登には、雨の影響はあったものの、2日 間合計で延べ3500人(主催者発表)が訪れた。  七尾市出身の人気パティシエ辻口博啓さん(44)が31日、MJFイン能登 に参加した宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)中生徒に、県産高級ブドウ「ルビー ロマン」を使った新作洋菓子「アシェット・ロマン」(ロマンのひと皿)を生徒 にプレゼントした。宿泊した同市和倉温泉の旅館「加賀屋」で、突然現れた辻口 さんに騒然となった生徒は、一房50万円と聞いてまたびっくり。目を潤ませて 激励の菓子を味わった。  辻口さんは「僕はお菓子でメッセージを伝える。皆さんはジャズでメッセージ を伝えてほしい」と声を掛けた。その場で、ラズベリーエキス入りのゼリーで包 んだルビーロマンとフレッシュチーズの「フロマージュブラン」、アイスを盛り 付けてこしらえた。  じっくり味わった松枝菜央さん(14)は「甘くて、弾力があって、今まで食 べたことがない食感」と感激した様子だった。  材料に使ったルビーロマンは、7月29日の今季初競りで過去最高の50万円 の値が付いた房。喜ぶ生徒を前に、ルビーロマン研究会の大田昇会長は「皆さん の顔を見て勇気をもらった気がします」と声を詰まらせた。このルビーロマンを 生産したかほく市内のぶどう園が託した売上金の一部は、義援金として閖上中に 贈られた。  閖上中の一行は、楽器を提供してくれた金沢市の近江町市場関係者とも面談し た。 〈02〉2011/08/01付朝刊――――――――――――――☆ ◎能登野菜普及へ農家と学生仲介/七尾鹿島農業青年協議/産直店で協力 七尾鹿島農業青年協議会は7月31日、金沢の学生約20人を連れて沢野ごぼ うや能登白ネギ、小菊カボチャなどの能登野菜を栽培する七尾市内5カ所の農地 を巡った。8月に金沢市内に産直アンテナショップを開くに当たり、生産者の協 力を求める学生と、地場野菜栽培に情熱を傾ける農家を同会が仲介。能登野菜の 普及に向け、知恵を出し合った。  同市沢野町には、県農業青年グループ連絡協議会の松田友也事務局長=同市= らの案内で金沢星稜大生5人と星稜女子短大生4人が訪れ、堆肥作りを手伝った 後、沢野ごぼうを使ったタコ飯やゴボウ茶などを味わった。  学生は沢野ごぼう生産組合の谷口藤悦組合長に収穫時期や収量について質問。 谷口組合長は「平安時代から続く伝統野菜を守りたい」と語り、上質なゴボウを 育てる粘土質の畑は機械化できず大量生産に向かないことを説明した。  学生は8月27日から9月4日まで金沢市の近江町市場いちば館地下1階で能 登野菜などのアンテナショップ、8月30日から9月4日まで飲食店を出店する 予定。能登野菜普及の一助にと3年前から期間限定で開店している。今年はさら に内容を充実させるため、生産者から直接買い付けようと七尾市を訪れた。  参加した嶋野晴奈さん=星稜女子短大2年=は「農家の熱い思いが良くわかっ た。協議会の仲介があって農家との面談がスムーズに実現した」と話した。 〈03〉2011/08/02付朝刊――――――――――――――☆ ◎「とうふ伯」人気じわり/2年目のグルメ博が開幕  七尾市観光協会の「長谷川とうふ伯グルメ博覧会」は1日開幕し、同市内の飲 食店16店が、豆腐を使った和洋の料理やデザートなどの創作料理の提供を始め た。画聖長谷川等伯の名前にあやかったグルメ博は2年目。参加店が前年より2 店増えており、関係者は「等伯のように息の長い人気を」と期待している。  今年は、同市名物の茶碗(わん)豆腐やモズクとともに味わう冷やしうどんや いしり風味の湯豆腐など、能登伝統の味を取り入れた品が登場。とうふバーグや お好み焼き、ドーナツなど食べ応えのある品も充実している。  豆腐料理アイデアレシピコンテストの募集も1日に始まった。協会は、6日に 県七尾美術館で開幕する「長谷川等伯展」と合わせ、グルメ博を夏の誘客の柱と する考えで、「七尾の豆腐料理が、等伯のように末永く愛されるようにしたい」 としている。グルメ博前期は10月31日まで。後期は来年1月8日から3月4 日まで。  グルメ博は、等伯の生誕地であり豆腐料理が好まれる七尾市の観光誘客策とし て等伯没後400年の昨年度、初めて開かれた。名称と取り組みのユニークさが 話題を呼び、同協会のサイト検索件数が急上昇したり、短文投稿サイト「ツイッ ター」での投稿もあった。 〈04〉2011/08/04付朝刊――――――――――――――☆ ◎能登島の夫婦船 石巻へ/夫が急死の池田さん、復興願い船託す  七尾市能登島で32年間、夫婦船として漁を続けていた底引き網漁船「文一丸」 が3日、所有者の池田芳美さん(60)=同市能登島久木町=から、東日本大震災 の津波で船を失った宮城県石巻市の漁師佐々木隆さん(67)に譲渡された。前の 船主だった夫を4月に亡くした池田さんは「石巻でも大漁を」と涙を流して祈り、 夫との思い出が詰まった船を佐々木さんに託した。  文一丸は繊維強化プラスチック製で3・45トン、全長13・2メートル。県に よると、東日本大震災の被災地へ県内から1トン前後の漁船24隻が提供されてい るが、機関を内蔵した漁船の提供は初めて。  池田さんは、夫の清さんが4月16日に64歳で急死したことを受け「一人じゃ 漁はできん」と漁を断念、いとこの中村久和さん(63)を通じ、県に文一丸の被 災地への提供を申し出た。  一方、佐々木さんは15年前から一本釣り漁をしてきた龍神丸を津波で失った。 ボランティア活動で龍神丸の母港である十三浜港(石巻市)を訪れた金沢工大講師 の赤坂剛史さん(39)が、この話を聞いて県に漁船提供を相談し、7月に文一丸 の引き渡しが決まった。  文一丸の引き渡しは3日、機関などを整備した七尾市津向町の川崎造船所で行わ れた。池田さんと佐々木さんらが、清さんと東日本大震災の犠牲者に黙とうをささ げ、石垣康弘県漁協ななか支所運営委員長が「石巻でも大事に使ってほしい」と話 すと、佐々木さんは「本当に大事に使います」と即答した。  池田さんは「胸がいっぱい。涙が出る。さみしいけれど、復興のため向こうで大 漁して」と目頭を押さえ、佐々木さんとともに大漁祈願のお神酒を船体に注いだ。 佐々木さんは受け継いだ船を「龍神丸」と名付け、4日早朝に七尾港を出港、石巻 までの約900キロを6日間かけて移動する。 〈05〉2011/08/06付朝刊――――――――――――――☆ ◎サッカー合宿七尾で続々/震災で関東から移る  七尾市で大学、高校、Jリーグユースなどサッカーの合宿をするチームが相次い でいる。同市の宿泊補助に加え、サッカーグラウンドなど施設面が充実しているた め。今年は東日本大震災の影響で、関東から七尾に合宿地を変更するチームも多く 宿泊数は前年同期比で3倍を超える盛況ぶり。15日からは、全国の強豪校を招い た大学の大会が金沢から七尾に開催場所を移して始まる予定で、関係者は「七尾を サッカーの中心地に」と意気込んでいる。  七尾市ではスポーツ合宿の誘致に向け、2006(平成18)年から宿泊費の助 成制度を創設。昨年9月に、同市和倉温泉近くに人工芝のサッカーグラウンド3面 を持つ多目的グラウンドが完成したことなどが合宿誘致につながっているという。  七尾市などによると、今年3〜7月の合宿で、宿泊者数と日数を掛けた「宿泊数 」は延べ約5800。前年同期の約3・7倍とな っている。合宿先として利用者の多かった福島県の「Jヴィレッジ」が福島第1原 発事故対応の拠点となっており、利用チームが増加したとみられる。  15日から開催されるのは、ユニオン・ドリーム・チャレンジカップ2011・ 第1回Jカレッジサッカー大会from七尾。県外の13大学、県内からは金大、 金沢星稜大、北陸大が参加する。4日間の日程で予選リーグと決勝トーナメントを 行う。  これまで金沢で計3回開かれてきたが、多目的グラウンドの完成など環境が充実 したことから、七尾開催を決めた。 〈06〉2011/08/07付朝刊――――――――――――――☆ ◎信春の画業に目凝らす/県七尾美術館/等伯展が幕開け 七尾が生んだ画聖長谷川等伯の若き日に焦点を当てる「長谷川等伯展『信春(の ぶはる)時代』―等伯のプレリュード」は6日、七尾市小丸山台の県七尾美術館で 開幕した。市内外から大勢の美術愛好者らが訪れ、等伯の能登時代の画業をたどる 仏画の数々をじっくりと鑑賞した。  会場には北國新聞社が同美術館と七尾市の協力で取り組む「長谷川等伯ふるさと 調査」の成果である等伯や養父宗清の二つの「日蓮聖人画像」など新発見3点をは じめ、国重要文化財で京都・本法寺(ほんぽうじ)所蔵の「日堯上人(にちぎょう じょうにん)画像」など、等伯が「信春」と名乗った時代の作品を中心に計28点 を展示している。  初日は朝から美術愛好者が次々と訪れ、午後には南砺市の浦町会館運営委員会の 一行約30人が来場した。展示会場では、一点一点の作品にじっと見入ったり、解 説文を熱心に読む姿が目立った。  会期は9月11日まで。 〈07〉2011/08/07付朝刊――――――――――――――☆ ◎大奉燈が乱舞/石崎奉燈祭燃える  七尾の夏を彩る「石崎奉燈祭」は6日、七尾市石崎町で行われ、高さ約12〜1 5メートルの大奉燈6基が若衆の威勢のよい掛け声に合わせて路地を練り、日中か ら夜中まで漁師町を勇壮に乱舞した。  100人以上の若衆に担がれ各区を出発した奉燈は太鼓と鉦(かね)の音を響か せ、民家の軒先をかすめながら町内を練り歩いた。夕方に仮宮が設置されている堂 前(どうのまえ)広場に奉燈が勢ぞろいし、大漁祈願祭が営まれた。  夜になると、再び若衆が「イヤサカサー、サッカサイ」と声を張り上げて大奉燈 を大きく上下させながら巡行し、町を埋め尽くした見物客の盛り上がりは最高潮に 達した。祭りに先立ち、同市石崎小児童によるマーチングバンド演奏行進も行われ た。 〈08〉2011/08/08付朝刊――――――――――――――☆ ◎気仙沼に激励の鍵盤ハーモニカ/有磯小/県ユネスコ協会が橋渡し  七尾市有磯小の鍵盤ハーモニカ24台が東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の 保育所に贈られる。県ユネスコ協会が同小と保育所を橋渡しし、寄贈することが決ま った。同協会に所属する学生らが19日に現地を訪れ、楽器を届ける。  楽器は同小が9月に旧涛南中校舎に引っ越しするため、職員が備品を整理していた 際に見つかった。鍵盤ハーモニカ24台が鈴やカスタネットなどとともに音楽室の棚 に保管されており、新品同様だったという。  向俊子教頭は当初、これらの楽器を高校時代の恩師で県ユネスコ協会理事の川畑松 晴さんを通じて同会が支援するカンボジアの子どもたちに贈るつもりだった。ところ が東日本大震災が発生。川畑さんや同協会の青年部は被災地のボランティアに乗り出 し、7月に気仙沼市を訪れた。  現地の惨状に心痛めた川畑さんや学生らは支援の品を届けたいと考え、向教頭に楽 器の贈り先を気仙沼へ変更してはどうかと打診。同小でも44人の児童が募金活動に 取り組み、激励の横断幕をつくるなどしていたこともあって快諾された。  届け先は園児の家族に被災者が多い鹿折(ししおり)保育所に決まり、このほど県 ユネスコ協会青年部に所属する金大4年の石戸洋平さんが有磯小で受け取った。鈴や タンバリンも8月にカンボジアの子どもたちに贈る予定だという。  向さんは「被災地の子どもたちに役立てばうれしい」とし、川畑さんも「しっかり 届けたい」と話した。 〈09〉2011/08/09付朝刊――――――――――――――☆ ◎米モーガンタウン、来年に姉妹都市20周年/サンビームで写真や土産展示  七尾市のモーガンタウン友好協会はこのほど同市のサンビーム日和ケ丘で、同市の 姉妹都市である米国モーガンタウン市との交流を紹介する写真や物品の常設展示を始 めた。来年8月、旧田鶴浜町とモ市とが姉妹都市提携締結20周年を迎えることから より多くの市民にモ市への関心を持ってもらう契機とする。  展示場には、過去23回の相互訪問の際に撮影された写真約300枚と、モ市から 七尾市に持ち帰られた土産の品など約50点が並べられた。  旧田鶴浜町とモ市は、立地企業同士の交流が縁で1992(平成4)年8月1日に 姉妹都市となった。その後、相互訪問団や同町の中学生派遣団などによる積極的な交 流が行われ、旧田鶴浜町や合併後の七尾市から中学生93人を含む延べ203人が1 7回に渡って渡航。モ市からも6回延べ49人が来日した。  相互訪問のたび、両市はモ市最大の祭礼「キャットフィッシュフェスティバル」や 七尾でのホームステイ、教育フォーラム開催などで友好を深めてきた。2008(平 成20)年8月の最後の訪問団派遣以後は、同協会関係者がモ市商工会議所と個人的 に連絡を取る程度となっている。  同協会は、旧田鶴浜町最大の集会施設であるサンビーム日和ケ丘にモ市との交流の 歴史を示すことで、14日に同所で開く、派遣団生の同窓会の盛り上げや、来年の派 遣団結成機運を高める考え。協会の赤坂隆会長は「姉妹都市のモーガンタウンをより 多くの知ってもらい、友好関係が再び深まるきっかけにしたい」と話した。展示は来 年8月まで続ける。 〈10〉2011/08/18付朝刊――――――――――――――☆ ◎終戦直前の田鶴浜大火/七尾から義捐物資/相生町に記録文書  終戦直前の1945(昭和20)年5月、旧田鶴浜町(現七尾市田鶴浜町)で起き た田鶴浜大火で、同市相生町から被災住民に贈った義援物資の記録文書が17日まで に、相生町会文書の中から見つかった。日用品や衣類など町内80世帯から集まった 善意の品々が記載されており、関係者は物資不足の中、品物を供出した当時の住民の 助け合いの精神に感心している。  文書はこより綴(と)じのB5判22ページで、表紙に「田鶴浜罹災(りさい)者 義捐(ぎえん)品寄附(きふ)名簿」と記されている。昨年2月、同市中心部にある 相生町の町会施設で見つかった藩政期の古文書など町会資料の中に含まれていた。  義援物資は、湯飲みや茶碗(わん)など食器類のほか、女児の服、大人のもんぺ、 防空ずきん、バケツ、ノートなど種々雑多。物資の下に寄付者の名前が自筆で記され ている。  74(同49)年発行の田鶴浜町史によると、田鶴浜大火は45年5月7日午後0 時10分、町中心部の寺院から火の手が上がり、周辺の約115戸を焼き尽くし、同 3時ごろ鎮火した。罹災者は約500人に上ったという。  同市市史編さん室の和田学次長は「相生町に限らず、他の町でも物品を募ったので はないか。それにしてもそれぞれに生活が大変な時期に、よく品物を供出できたもの だ」と話している。