□◆□◆□◆□◆ 第82号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                          平成23年3月25日    東北地方太平洋沖地震の被害にあわれた方にはお悔やみを申し上げるととも に、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。  3月25日といえば、平成19年に発生した能登半島地震。震度6強を観測 した七尾市も甚大な被害を受け、震災の記憶がなくなることはありません。  去る3月11日に発生した東日本大震災は、1000年に1度ともいわれる 巨大地震で、2万人を超える尊い命が犠牲となってしまいました。自然界の中 で生かされている人間の無力さを改めて実感するとともに、たった一つしかな い命の重みをこれまで以上に感じる瞬間でもありました。  今回の大地震は、日本海に大きく突き出た能登半島に住む私たちにとっても 決して他人事ではなく、これからもこの地で住み続けるために何をすべきなの かを問いかけられたように感じました。  「ゲリラ豪雨」や「大地震」。『まさか!』が、まさかではなくなっている 今の世の中。今自分たちに何ができるか、何をすべきかを考えながら、一日一 日を大切に過ごしたいものです。   それでは、第82号をお届けします。                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:七尾市企画経営部市民男女協働課                    TEL (0767)53−8633                    FAX (0767)53−1125                    E-mail:kyoudou@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  ◆組織改編により、平成23年4月1日から担当課が変わります。   (旧)市民男女協働課 ⇒ (新)広報広聴課     ※詳しい連絡先は、次回のふるさとメールでお伝えします。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 〜〜〜●第82号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  @ 第8回 花嫁のれん展  A ちょんこ山&小丸山さくらまつり  B 東北地方太平洋沖地震に対する七尾市の支援体制など    (3月23日現在)   ※ 市内各施設のイベントについて   ☆北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ @ 第8回 花嫁のれん展  ☆★☆        「花嫁のれん」は、幕末から明治時代初期のころより、加賀藩の能登・加賀 ・越中に見られる庶民生活の風習の中に生まれた独自ののれんです。  花嫁が嫁入りの時に「花嫁のれん」を持参し、花嫁の家の仏間の入口に掛け られます。玄関で合わせ水の儀式を終え、両家の挨拶を交わした後、花嫁はの れんをくぐり、先祖のご仏前に座ってお参りをしてから結婚式が始まります。  期間中、百数十枚にも及ぶ「花嫁のれん」が通りを彩ります。今回は、ドラ マ化された『花嫁のれん』で実際に使われたのれんが鳥居醤油店に展示されま す。一本杉町名物の「語り」とともに花嫁のれんの魅力を感じてもらえること と思います。 ◎『花嫁道中』(4/29荒天時中止)  晴れの日を迎える新郎新婦が通りを練り歩きます。 日にち  4月29日(昭和の日)〜5月8日(母の日) 場 所  市内一本杉通り (問)七尾市観光交流課 TEL 0767-53-8424     能登・七尾市一本杉通り公式サイト http://www.ipponsugi.org/     花嫁のれん展公式サイト  http://ipponsugi.sakura.ne.jp/noren/     =================================== ☆★☆ A ちょんこ山&小丸山さくらまつり ☆★☆       <ちょんこ山>  ちょんこ山(ちゃんちき山)は、能登生国玉比古神社(気多本宮社)の春祭 りです。青柏祭のデカ山に比べ、小さな山(山車・曳山)なので、「小さい」 ことをこのあたりの方言で「ちょんこい」と言うことから「ちょんこ山」と呼 び、また「シャギリ」が曳山に乗り組んだ三味線・太鼓・笛・鉦で合奏され、 見物人の気を浮き立たせるように「チャンチキ、チャンチキ」と聞こえるので、 「ちゃんちき山」とも呼びます。 ■人形見  4月 9日(土) 18:00頃から ■本 祭   4月10日(日) 13:00から ■場 所  七尾市内中心部   <さくらまつり>  加賀百万石の領主となる前に前田利家が築いた城跡が、現在桜の名所の小丸 山公園です。桜(ソメイヨシノが主。シダレ桜、やえ桜)の開花に合わせて多彩 なイベントが繰り広げられます。  日にち  4月10日(日) 場 所  小丸山公園(七尾市馬出町)  (問)七尾市観光交流課 TEL 0767-53-8424 ===================================   ☆★☆B 東北地方太平洋沖地震に対する七尾市の支援体制など ☆★☆      (3月23日現在) 1.義援金受付対応  (1) 受付場所(6カ所)     ・市役所市民ロビー、ミナ.クル(福祉課)、サンライフプラザ(健      康推進課)、田鶴浜・中島・能登島市民センター  (2) 受付期間 平成23年3月14日〜当分の間(毎日)      8:30〜19:00      ※ただし、サンライフプラザ(健康推進課)は、平日・土曜日のみ。 2.救援物資受付対応  ※受付場所および受付期間は、義援金受付窓口と同じ     (1)受付物資    @保存食(カップ麺、インスタント麺、乾パン、レトルト食品など)、    A飲料水(ペットボトル、500ml、2リットル)、B粉ミルク、C紙    おむつ、D女性衛生用品、Eトイレットペーパー、Fティッシュ、Gタ    オル、H毛布・布団(新品のみ)   ※使用済みのもの、使用期限が1カ月以内のもの、生ものは受け付けてお    りません。 3.被災者の受入れ  (1) 定住促進住宅の空き部屋の提供 59戸      (2) 市内に避難している人数 52人  (内訳)・七尾定住促進住宅10人、能登島定住促進住宅10人、中島         定住促進住宅13人        ・中島町中島3人、石崎町4人、舟尾町3人、能登島二穴町4         人、中島町河崎5人 4.被災者への支援   ・入浴施設の無料化(「アスロン」「いやしの湯」「島の湯」の3施設      5.災害ボランティアの受付   (担当:七尾市社会福祉協議会 TEL 0767-52-2099)   ・3月18日(金)から受付窓口を開設 6.被災児童生徒を受け入れるホームステイ家庭の募集  (1) 受け入れ対象  小学生〜中学生  (2) 受け入れ先   市内各家庭  (3) 受け入れ方法  ホームステイ方式(衣食住費用を受入家庭で負担いた             だくもの)  (4) 受け入れ期間  最短で1学期まで(4月〜7月21日)             最長で3学期終了まで(〜平成24年3月23日)  (5) 市負担費用   小学生の場合:1人月3万円、中学生の場合:1人             月4万円(学校の給食費代を含む)、学校の学習教材             費その他、通学方法は他児童生徒と同様の措置  (6) 通学校     受け入れ家庭の校区の小中学校  (7) 募集期間    第1次募集 平成23年3月22日〜4月1日              第2次募集 4月2日から引き続き募集する。 (問)義援金に関すること 福祉課 TEL 0767-53-8418    救援物資に関すること 環境安全課 TEL 0767-53-8468    被災者の受け入れに関すること 都市建築課 TEL 0767-53-8429    被災児童生徒の受け入れに関すること                  子ども教育課 TEL 0767-53-8434    ※詳しくは、http://www.city.nanao.lg.jp/      ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★  ◎ 能登島ガラス美術館  TEL 0767-84-1175    → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html   ◎ 七尾美術館  TEL 0767-53-1500    → http://www.city.nanao.lg.jp/nanabi/index.htm  ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  TEL 0767-54-0300    → http://www.notorannokuni.com/  ◎ 能登演劇堂  TEL 0767-66-2323    → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:若衆がでか山制作/府中町、全工程を実施 02:七尾の魅力、ポスターに/小丸山小6年生 03:休耕田でノブキ増産/七尾市麻生町/清流生かし、特産化加速 04:在宅介護者の54%に症状/七尾市で認知症研修会 05:田鶴浜駅に特産建具/待合室に「長欄間」「町格子」/まちづくり協が設置 06:フルマラソン男子、三輪が約束の優勝/能登和倉万葉の里マラソン 07:七尾市田鶴浜小で卒業記念俳句大会/伊徳君(特選)ら表彰 08:東日本大震災/帰りたい「でも原発が…」福島県から杉山さん一家、七尾へ  09:ナマコの可能性探る/七尾市で初の全国会議 10:岸駒が描いた七尾湾、山水画を確認/七尾市中島町の大覚寺が所蔵 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2011/03/01付朝刊――――――――――――――☆  七尾に初夏を告げる青柏祭の山町の一つ、府中町の若衆らは今年、祭りの目玉 となる「でか山」づくりの全工程を手掛ける。でか山は、港町七尾の船大工の造 船技術の粋であり、人形や舞台も専門の人形師らの腕の見せ場だったが職人が年 々減少。一人でも多くの関係者が山車の仕組みを知っていたほうがいいと考え、 若衆らが技の伝承に乗り出した。  でか山は藩政期から少なくとも戦前までは船大工が組み上げ、人形師や飾り職 人らが人形や舞台を整えた。戦後、職人の減少から山町関係者が組み立てに加わ るようになった。  三つの山町のでか山の舞台補修や人形制作を手掛ける職人は、現在は同市郡町 の安井武次さん、吉成さん親子しかいない。  末永くでか山を伝えるためには、安井さん親子にまかせきりにせず、勉強が必 要だと考えた若衆らは、例年より2カ月早く2月にでか山の準備を始めた。町の 先輩から教わりながら毎週日曜に15人ずつ集まり、印鑰(いんにゃく)神社で 屋根の修繕や装飾づくりを進めている。  今後は人形づくりにも着手する予定で、同町の若衆頭飯川俊彦さん(40)は 「今年は相当苦労するかもしれないが、舞台を自分たちで作ることで、でか山の 技術を後世に伝えたい」と意気込んだ。 〈02〉2011/03/01付朝刊――――――――――――――☆  七尾市小丸山小6年生は28日、七尾をPRするポスターなどを作り、七尾市 役所で武元文平市長に披露した。  児童は「七尾の人口を増やすために地元の良さをPRしよう」と、総合的な学 習の時間に、6年生69人がポスターやパンフレット、ホームページ(HP)作 製に取り組んだ。能登和倉万葉の里マラソン2011や青柏祭でか山などをテー マに、自分たちで調査し、写真などを集めて仕上げた。  この日はポスターとパンフレットに取り組んだグループの代表11人が市役所 を訪れた。児童1人1人から説明を受けた武元市長は「七尾の魅力をより多くの 人に伝えて、みんなでいい町にしたい」と話した。HP作品は近く同校のHPに 掲載する。 〈03〉2011/03/03付朝刊――――――――――――――☆ 七尾市麻生町の麻生ふれ愛山菜加工組合は今年、休耕田を使ったノブキの増産 に乗り出す。湧き水や雪解け水の清流を生かし、特産の山菜加工品の出荷量を増 やすことで、高齢化が進む町の活性化につなげる考えである。  同組合は昨年10月、長年耕作されていない棚田のうち約500平方メートル にノブキの苗を植えた。  同市東部の石動山系の山あいにある麻生町では、豊富な湧き水でワラビやゼン マイ、ノブキ、ウドなどの山菜が豊かに育ち、住民が収穫して販売してきた。  1999(平成11)年4月には、組合が山菜加工施設を整備し、組合員の住 民がみそ漬けなどに加工して、市内のスーパーなどを通じて販売している。  ただ、住民23人の半数以上は高齢者で、山中での収穫量増加には限界がある 上、町内の休耕田も荒れる恐れがあったことから、比較的収穫が容易な休耕田で の山菜栽培を進めることにした。  2日には麻生町集会所で、山間部にある近隣町会の関係者も招いた初の研修会 を開き、県中能登農林総合事務所の担当者が5種類の山菜の栽培方法を説明、ア スリック(金沢市)の濱博一代表取締役が農業の6次産業化について解説した。  厄ハ醂桓〜塙臘垢蓮峪該擇寮源困鯀・笋垢海箸如・・瞭短塞覆鬚気蕕帽C瓠・ス 越自動車道で人を呼び込める町にしたい」としている。 〈04〉2011/03/07付朝刊――――――――――――――☆  七尾市認知症対策プロジェクト委員会は6日、同市初の認知症診療ネットワー クに関する研修会の席上、在宅介護を受ける市民1549人のうち、54.3% に何らかの認知症の症状が認められたことを明らかにした。問題行動などで9. 4%がすでに在宅介護が困難であるとし、地域ぐるみでの治療、介護体制の重要 性を訴えた。  調査では、在宅介護のうちの17.9%が老々介護、または認々介護であった ことも判明。出席した能登地区の医療、介護、行政関係者約250人が地域ぐる みの認知症対策について考えた。続いて福井県の敦賀温泉病院の玉井顯院長が 「脳と心で見る認知症」と題して講演した。 〈05〉2011/03/08付朝刊――――――――――――――☆  七尾市の田鶴浜まちづくり協議会は7日、のと鉄道田鶴浜駅の待合室に地元特 産の田鶴浜建具を設置した。築30年を経過した古い駅舎に伝統の技で彩りを添 え、駅利用者をもてなす。  会メンバーである田鶴浜地区の建具職人が、「長欄間」風と「町格子」風の建 具を制作。待合室内のかもい部分や国鉄時代の時刻表の上に、高さ1・2メート ル、幅8メートルに渡って取り付け、木のぬくもりと職人の精緻な技で駅舎を一 新させた。  同協議会が進めるまちなかギャラリー事業の一環で、新年度には改札口の上や ホーム、待合室に建具を設ける予定。福田教導会長は「建具のまち田鶴浜の玄関 口にふさわしく、誰もが訪れたくなる駅にしたい」と話した。 〈06〉2011/03/14付朝刊――――――――――――――☆  能登和倉万葉の里マラソン2011は13日、七尾市和倉温泉を発着する日本 陸連公認コースでのフルマラソンなど10部門で健脚を競い、東日本大震災の被 災地へ勇気を送った。フルマラソン男子は三輪真之(金沢・スタイリッシュ)が 2年ぶり2度目の優勝を果たした。  フルマラソン、10キロ、5キロ、1・4キロの各部が性別、学年別で行われ た。5519人が出場、5051人が完走した。東日本大震災の影響で、東北、 関東方面など1236人のエントリー者が欠場した。  和倉温泉街では「牡蠣フェスティバル」、七尾歩こう会の能登和倉万葉の里ウ オークも行われた。  能登半島地震復興支援事業の同大会は今回、「東北地方太平洋沖地震復興祈念 マラソン」と題して開催された。参加者は復興を願う黄色いリボンを着け、スタ ート前に犠牲者へ黙とうをささげた。会場周辺には、東日本大震災の義援金募金 箱が設けられ、多くの市民が協力した。  地震直前の11日昼に青森県つがる市を出発した白瀬久聖さん(52)は、2 0時間かけて七尾市に到着した。同日夜にようやく家族の無事を確認し、フルマ ラソンを完走した白瀬さんは「東北には大きな被害が出ている。1日も早く復旧 してほしい」と話した。  組織委員会会長の武元文平七尾市長は「開催すべきか悩んだが、能登半島地震 でいただいた多くの支援の恩返しとして、被災地復興を願って開催した」とあい さつした。 〈07〉2011/03/18付朝刊――――――――――――――☆    七尾市田鶴浜小で17日、卒業記念俳句大会の表彰式が行われ、特選の「うぐ いすといっしょにないて旅だとう」を詠んだ伊徳泰弘君をはじめ、秀逸の5句、 入選の7句を詠んだ6年生が、大橋覚能登あかくら山田鶴浜大句会実行委員会委 員長から賞状などを受け取った。  18日に卒業する6年生57人が2句ずつ投句し、俳人高浜虚子の孫で、同小 の校歌を作詞した北國俳壇選者の坊城中子さんが、同句会や校歌作詞の縁で昨年 に続き選者を務めた。式で大橋委員長は「これからも俳句づくりに頑張ってほし い」と呼び掛けた。  同日は、入選以上の13句と近江一芳校長ら教職員の俳句6句などを記した扁 額が1階廊下に掲示された。「遠くより見る梅林の白さかな」など坊城さんの近 作2句も記載した。 〈08〉2011/03/19付朝刊――――――――――――――☆  東日本大震災による福島第1原発の事故で屋内待避指示を受けている福島県南 相馬市の警備員杉山勇さん(68)一家4人が18日、親戚が住む七尾市に避難 し、市営住宅に入居した。原発事故が深刻の度を増す中、食料品などの調達がで きず、避難を決断した杉山さんは「本当はすぐに帰りたい。でも原発が落ち着か ないと…」と言葉を絞り出した。  避難したのは杉山さんと妻(66)、同居する次女(42)と孫の中2男子 (14)の4人。自宅は無事だったものの、第1原発から25キロの距離にある 町は、商店がほぼ閉まっており「物はないし、ガソリンも買えない。自宅待機者 には役所の連絡も支援もない。原発もどうなるか分からない」と福島脱出を決め たという。  七尾市石崎町香島3丁目の市営「七尾定住促進住宅」の一室に入った杉山さん は「落ち着いた。雨風がしのげるだけで有り難い。自宅に帰れる日が来ることを 信じている」と話した。 ●家具一式を20組  七尾市によると、同市営住宅に入居した被災者は、杉山さん一家が最初。市は 市営住宅へ入居する被災者向けに家電や家具一式20組を用意する。 ●救援物資を提供  七尾市は、市民から寄せられた米や水など救援物資を南相馬市へ提供する準備 を整え、24日に中継地点である同県相馬市に向けて出発した。 〈09〉2011/03/20付朝刊――――――――――――――☆  能登なまこ加工協同組合の全国なまこ会議は19日、七尾市和倉温泉のあえの 風で開かれ、県内外から参加した水産関係者ら約30人がパネル討論会を通じて ナマコの可能性について考えた。  杉原省同協組理事長や竹内博県漁協七尾支所底曳実行組合副組合長ら4人をパ ネリストに、赤嶺淳名古屋市立大准教授が進行役となってナマコの需要開拓や資 源管理について意見を交わした。  20日は県漁協七尾支所で「なまこ供養大漁祈願祭」が行われた。 〈10〉2011/03/21付朝刊――――――――――――――☆  虎の絵で名高い藩政中期―後期の絵師岸駒(がんく)が、七尾湾を描いたとみ られる山水画が20日、七尾市中島町笠師の曹洞宗大覚寺で確認された。岸駒の 作品は人物画も知られるが、山水画は珍しく、画賛(がさん)の漢詩に「能山 (能登の山)」「七尾湾」と記されており、岸駒が実際に能登を訪れて描いたと みられる。岸駒の画業を知る上で貴重な資料といえる。  山水画は縦36・2センチ、横133・8センチで、絹布の一種に描かれた、 いわゆる絖本(こうほん)。額装されて、本堂に掲げられていた。右下に押され た「岸駒賁然(ふんぜん)」(「賁然」は雅号)の落款から、県立歴史博物館の 北春千代学芸主幹が確認した。  絵は南画風タッチで、山並みを望む波穏やかな水面が描かれ、屋形船や茶会を 開く人々の姿も記されている。左上の余白に書かれた賛には「一帯能山連」(一 帯に能登の山が連なる)「七尾湾何處」(七尾湾はどこに)などと記されている ことから、絵の題材は能登島を望む七尾湾の風景と思われる。  漢詩の最後に「崎陽陳人(きようちんじん) 逸□画」(□は判読不能)とあ り賛の作者は中国人をもじった長崎の人とみられ、最後の「画」の字から、絵自 体が岸駒との合作の可能性もあるという。  岸駒の作品は輪島市の總持寺祖院や門前地区の旧家に残されており、北学芸主 幹は「岸駒は実際に中島に来て描いたとみられ、謎の多い岸駒が能登路に足跡を 残していたという点で、面白い発見」と話した。 ●涅槃図も調査、長谷川派と別  大覚寺では同日、涅槃会(ねはんえ)が営まれ、涅槃図が開帳された。七尾生 まれの画聖長谷川等伯と結び付きが指摘されている「長家からの拝領品」との情 報から、「長谷川等伯ふるさと調査団」のメンバーが確認したが、涅槃図は長谷 川派のものではないことが判明した。