□◆□◆□◆□◆ 第80号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                          平成23年1月28日    新年明けましておめでとうございます。今年も「ふるさとメール」をご愛読 いただければと思います。  去る1月22日(土)・23日(日)、中島町浜田ののと鉄道能登中島駅前広場 にて「七尾湾能登かき祭り2011」の特別イベントが開催されました。来場 者は過去最多の約1万3千人。会場には県内外から多くの家族連れなどが訪れ、 殻付きのカキを炭火焼でおいしそうにほおばる姿が見られました。来場者の中 には若者の姿も目立ち、金沢市から友達同士で来たという若者グループは「と ってもおいしくて、ここまで来たかいがありました。来年も必ず来ます!」と、 満足げな表情で冬の味覚を堪能していました。  特別イベントは終わりましたが、能登かき祭りは3月6日(日)まで開催中。 中島・田鶴浜・能登島地区の協賛店(25店舗)では各店独自のかき料理やコー ス料理が食べられます。チャンスを逃したと諦めず、ぜひ冬の能登・七尾へお 越しいただければと思います。  それでは、第80号をお届けします。                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:七尾市企画経営部市民男女協働課                    TEL (0767)53−8633                    FAX (0767)53−1125                    E-mail:kyoudou@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ 〜〜〜●第80号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  @ 花嫁のれん展 in 関西  A 能登島ごっつおまつり  B のと・七尾 海鮮七輪まつり  C のと・七尾元気祭り2011   ※ 市内各施設のイベントについて   ☆北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ @ 花嫁のれん展 in 関西 ☆★☆        「花嫁のれん」とは、幕末明治のころより、旧加賀藩の能登・加賀・越中に 根づいた独自ののれんです。花嫁は加賀友禅で描かれた吉祥模様の美しいのれ んを婚家に持参し、花婿の家の仏間の入り口に掛けます。両家の挨拶を交わし た後、花嫁のれんをくぐり、先祖の仏前に「これからよろしくお願いします」 とお参りしてから結婚式が始まります。  花嫁のれんの持つ美しさと物語は、ご覧いただければお分かりになるなずで す。一生に一度しか使われなかった花嫁のれん、それがタンスや蔵から出て輝 き出します。そこに込められた花嫁の日の華やぎ、嫁ぐ娘を送る親の気遣い、 そして花嫁のれんに込められた女の覚悟をぜひ感じて頂ければ幸いです。 【花嫁のれん展公式サイト】http://ipponsugi.org/noren/ ■日時 2月3日(木)〜7日(月) 10:30〜16:00 ■場所 国指定有形登録文化財 奥野家(大阪府豊中市中桜塚2−30−35) ■入場料 無料  (問)七尾市観光協会(七尾市観光交流課内) TEL 0767-53-3824         七尾市観光協会ホームページ http://www.nanaoh.net/   =================================== ☆★☆ A 能登島ごっつおまつり ☆★☆        能登島で鱈福(たらふく)だぁ!を合言葉に、3月6日(日)まで「ぴんぴん 膳(鱈料理)」と「ぴんぴん鍋(鱈スキ鍋)」が食べられます。【要予約】    地物のタラならではの味をお楽しみください。 ※『ぴんぴん』とは能登島地方の方言で「新鮮」や「元気がある」を意味しま  す。 《特別イベント》 ■日時 2月6日(日) 10:00〜15:00 ■場所 道の駅のとじま 交流市場前特設会場 ■内容 @タラ親子丼大食い選手権、A炭火焼、B大鍋、C特産品販売、     D刺身試食(先着300人)、Eもち振る舞い(先着200人)  (問)能登鹿北商工会能登島支所 TEL 0767-84-1087     能登鹿北商工会ホームページ http://n.rokuhoku.shoko.or.jp/ ===================================   ☆★☆ B のと・七尾 海鮮七輪まつり ☆★☆  能登・七尾の冬の味覚を食べ尽くそう!!  海の幸・山の幸が大集合します。地魚浜焼きセット・焼き魚セット・地酒カ クテル・ちゃんこ鍋など・・・ ■日時 2月12日(土)・13日(日) ■場所 御祓川大通り周辺 ■内容 12日(土)  10:00 開会式・ブース販売開始  10:30 オープニングセレモニー  11:15 ステージイベント  12:00 ブリの解体ショー・千賀ノ浦部屋ちゃんこ鍋  13:00 ステージイベント  16:00 ブース販売終了 13日(日)  10:00 ブース販売開始  10:30 カラオケサロン  11:30 ブリの解体ショー・千賀ノ浦部屋ちゃんこ鍋  12:00 カラオケサロン  13:00 金沢えみ歌謡ステージ  16:00 ブース販売終了 (問)七尾商工会議所 TEL 0767-54-8888       ===================================   ☆★☆ C のと・七尾元気祭り2011 ☆★☆  能登・七尾にある数多くの地域資源(企業・人・モノ)を広く市民・企業に 紹介し、元気な七尾を市内外に発信するイベントを開催します。  世界一薄くて軽いファッション織物「天女の羽衣」は、パリのオペラ座・パ リコレなどに採用されました。会場では、光沢のある透明感を醸し、着け心地 もとろけるドレスやスカーフを披露します。 ■日時 2月13日(日) 10:00〜16:00 ■場所 七尾商工会議所 ■内容 @「天女の羽衣」ファッションショー     A講演会 〜ご当地B級グルメでまちおこしとブランド戦略〜          静岡県富士宮市 富士宮やきそば学会 会長 渡辺英彦氏     B市内外の企業出展 26社(菓子業・製造業)     C市内高校生による「七尾のおいしい商品」提案表彰     D体験コーナー(田鶴浜建具、金箔張り、・縦維姥昌悵)※体験無料                                       Eのと・七尾人間塾・企業塾修了生による情報発信 (問)七尾市産業振興課 TEL 0767-53-8565  ※詳しくは  http://www3.city.nanao.lg.jp/event-topics/svEveDtl.aspx?servno=3366        ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★  ◎ 能登島ガラス美術館  TEL 0767-84-1175    → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html   ◎ 七尾美術館  TEL 0767-53-1500    → http://www.city.nanao.lg.jp/nanabi/index.htm  ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  TEL 0767-54-0300    → http://www.notorannokuni.com/  ◎ 能登演劇堂  TEL 0767-66-2323    → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:でか山、七尾駅前に/22年ぶりルート変更へ/御祓川大通り整備を記念 02:能登島をタラふくアピール/2月に「ごっつおまつり」/初の大食い大会 03:米国モーガンタウン市と姉妹提携来年20年/現地で歌披露へ 04:豆腐ロコモコも登場/七尾で長谷川とうふ伯グルメ博覧会後期 05:ブリ豊漁、止まらない/七尾市の卸売市場 06:年金ぐらしの「タイガーマスク」/県七尾児童相談所に菓子 07:「巻き鰤」もっと知って/伝統の保存食伝承/大呑グリーンツーリズム協 08:芥川賞に西村賢太さん「苦役列車」/七尾出身の藤澤清造に心酔 09:藤澤清造を知ろう/作品掲載誌など特設/七尾市立中央図書館 10:野口雨情作?田鶴浜に鐵道唱歌/のと鉄道の駅に歌詞掲示 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2011/01/03付朝刊――――――――――――――☆ ◎でか山、七尾駅前に/22年ぶりルート変更へ/御祓川大通り整備を記念  七尾市の青柏祭でか山保存会は、祭最終日である5月5日のでか山巡行の ルートを22年ぶりに変更し、JR七尾駅前近くまででか山を進める方針を 固めた。七尾駅―能登食祭市場を結ぶ「御祓川大通り」が今年度中に整備完 了することを記念し、市街地の新たなメーン通りを、日本一の迫力を誇るで か山で彩る。  青柏祭の曳山(ひきやま)行事は国指定重要無形民俗文化財。5月5日の 曳山は「裏山」と呼ばれ、鍛冶、府中、魚の各町のでか山3台が、市街地を 練る。巡行ルートの変更は、1989(平成元)年、現在の能登食祭市場周 辺で行われた能登国際テント村’89の一環で、3台が会場近くに勢ぞろい するようになって以来という。  今年のルート変更は、市街地を南北に貫く「御祓川大通り」が今春までに 完成することを受け、七尾商工会議所が保存会に提案。保存会が了承し、で か山を運行する山町や関係機関と保存会が調整を進めている。  計画では、5日に能登食祭市場前に3台が勢ぞろいした後、市街地を連な って練り歩く。魚町のでか山は国道249号を横断してJR七尾駅前側に進 行。鍛冶、府中のでか山も国道近くまで大通りを南下する。  高さ12メートルのでか山は、再開発ビル「ミナ・クル」と商業ビル「パ トリア」を結ぶ横断橋をくぐれないため、橋の手前で停止する。曳き手は駅 前交差点まで進み、青柏祭のにぎわいを駅まで伝える。  保存会長代行で魚町総代の本田幸治さんは「七尾の新しい顔になる道路の 完成を、でか山運行で祝いたい」と話した。 〈02〉2011/01/07付朝刊――――――――――――――☆ ◎能登島をタラふくアピール/2月に「ごっつおまつり」/初の大食い大会  能登鹿北商工会などは2月6日、七尾市能登島の郷土料理であるタラ料理 をアレンジした丼で、初の大食い選手権を行う。「能登島ごっつおまつり2 011」特別イベントの一つで、島自慢のタラ料理を「たらふく」味わって もらい、能登島の豊かな食材をアピールする。  能登島には、タラをふんだんに使った「起舟御膳」が伝統料理として伝わ っている。「ごっつおまつり」では、島内の民宿・旅館22軒などが協賛、 起舟御膳を基にした料理提供やイベントを展開する。  大食い選手権では、煮付けたタラコとタラの刺し身を盛り付けた「鱈親子 丼」を30分間で何杯食べられるかを競う。優勝者には、七尾市内の能登鹿 北商工会加盟店で使える地域振興券1万円分が贈られる。  タラ料理を誘客に生かす企画ではほかに、同商工会などが、鱈親子丼と、 タラの刺し身、鱈汁など6品が並ぶ「能登島ぴんぴん膳」、地物野菜とタラ を入れたすき焼き「能登島ぴんぴん鍋」の2メニューを考案している。  能登島ごっつおまつりは七尾市能登島で、1月9日から3月6日まで行わ れる。2月6日は、同市能登島向田町の「道の駅のとじま」前特設会場で、 大食い選手権のほか、炭火焼きや大鍋の出店、餅、タラ、ブリの刺し身振る 舞いなどが催される。  ぴんぴん膳やぴんぴん鍋の食事は、事前予約が必要。大食い選手権の出場 者も募集している。問い合わせは能登鹿北商工会能登島支所=0767(8 4)1087=まで。 〈03〉2011/01/07付朝刊――――――――――――――☆ ◎米国モーガンタウン市と姉妹提携来年20年/現地で歌披露へ  七尾市のモーガンタウン友好協会は、米国モーガンタウン市と姉妹都市提 携20年を迎える来年8月に向け、訪問団結成に乗り出す。旧田鶴浜町時代 から続く中学生訪問団の参加者からも希望者を募り、昨年12月に完成した 友好の歌を現地で披露して旧交を温め、さらに交流を深めたいと意気込んで いる。  旧田鶴浜町とモーガンタウン市は1992(平成4)年8月1日に姉妹都 市関係を締結し、93年から旧町が毎年、中学生を派遣。七尾市に合併後も 協会として計3回、中学生を派遣して交流を育んできた。  20回目となる来年の訪問を実りあるものとするために、かつての訪問団 員も参加して旧交を温め、協会運営委員の小浦忠吉さんが作曲し、先月歌詞 を完成させた歌「モーガンタウンの思い出」を現地で日本語と英語で披露し て、友情の証しとする。  歌詞には、モーガンタウン最大の祭りキャットフィッシュフェスティバル や、同市近くにある世界最大の洞窟群で世界遺産の「マンモス・ケーブ」な どを盛り込んだ。  小浦さんが作った歌を聞いた同協会の赤坂隆会長は「一度モーガンタウン を訪れた中学生の多くは『もう一度行きたい』と話している。来年は現地で 一緒にこの曲を歌いたい」と話した。 〈04〉2011/01/10付朝刊――――――――――――――☆ ◎豆腐ロコモコも登場/七尾で長谷川とうふ伯グルメ博覧会後期  七尾市観光協会などによる「長谷川とうふ伯グルメ博覧会」が地元をはじ め観光客の人気を集め、七尾市への誘客を後押ししている。1月9日に開幕 した後期には、市内16の飲食店が参加。湯豆腐などの鍋6点をはじめ、ハ ワイでおなじみの「ロコモコ」にヒントを得た洋食やクチコを載せた椀物な ど21点が提供され、「七尾の豆腐」の魅力を多彩に伝えている。  参加店は、昨年10月の開始時より2店増え、洋食が新たに加わった。  同市石崎町の多国籍料理カフェ「マハロ」では、地元店の豆腐を使った豆 腐ハンバーグが入った「ベジタブルロコモコ」を提供している。ニラの風味 が効いた豆腐ハンバーグのうまみが、十五穀米や目玉焼きとからんで好評と いう。  同協会は、毎年2月24日の等伯の命日に湯豆腐を味わう風習など、七尾 に根付いた豆腐の食文化を広く発信したいとしている。後期は3月6日まで 行われる。豆腐料理は、観光協会ホームページなどで閲覧できる。 〈05〉2011/01/12付夕刊――――――――――――――☆ ◎ブリ豊漁、止まらない/七尾市の卸売市場  1月に入り、七尾の定置網でブリの記録的豊漁が続いている。七尾市公設 地方卸売市場には12日、約4200本(37・8トン)が入荷され、12 日までの取扱量は200トンと、昨年1月全体の333倍に。今年のブリは 資源量が多い「団塊世代」との見方もある中、卸値は下落し、最も脂が乗っ たこの時期、消費者にとっては例年にない買い得となっている。  「この仕事に40年携わっているが、毎日毎日、こんな量のブリを見たの は初めて」。12日早朝も同市場には市内の定置網から16・8キロの大物 を含むブリが次々と届き、同市場の荷受会社「七尾魚市場」の東度久志営業 統括部長は目を丸くした。  七尾市場の1月の定置網ブリ取引量は4日の臨時開市以来、12日で20 0トンと、すでに記録的となっている。能登町の宇出津港には1月4〜11 日で41トンのブリが水揚げされた。昨年1月全体の約14倍で、例年の1 月全体の水揚げ量平均である40トンも上回った。氷見市の氷見魚市場でも 11日までの取扱量は、前年同月の17倍にあたる267・8トンに上って いる。  石川県水産総合センターによると、豊漁をもたらしているのは2007年 度生まれの3歳魚。昨年度は青森、秋田、新潟各県や北海道の日本海側でブ リになる1年前のガンドが多く揚がったことから、同センターは「今年のブ リはそもそも資源量が例年より多い」(海洋資源部)とみられる。  加えて、秋田県沖の海中に冷たい海水の塊が押し寄せたことで、ブリの群 れが陸地に近いコースをとって南下していることも定置網の豊漁に影響して いるとみられる。七尾市内の定置網漁業者の多くは「まだ、網の中には見当 がつかないほどブリがいる」と話し、今月中に数万本の出荷を見込む。  例年、寒ブリの需要があり、良い値が付くのは1月までとされ、この時期 の豊漁は漁業者には願ったりかなったり。七尾・能登島定置網漁業振興会の 勝木省司会長は「去年も一昨年も寒ブリ漁の成績は悪かった。今年は大きな お年玉をもらい続けている」と喜んだ。 〈06〉2011/01/14付朝刊――――――――――――――☆ ◎年金ぐらしの「タイガーマスク」/県七尾児童相談所に菓子  七尾市古府町の県七尾児童相談所に13日、年配の男性が訪れ、菓子入り の段ボール箱1箱を置いて立ち去った。男性は名前を告げず、箱には「年金 ぐらしのタイガーマスクより」とマジックインキで書かれていた。施設関係 者は、全国に登場する「伊達直人」にひけを取らない、心温まるプレゼント に感謝している。  職員によると、70歳前後と見られる男性が13日午前10時半ごろ、軽 トラックで来所。応対した男性職員に「ここでは子どもを引き取っているの か」と確認し、「ランドセルは無理だけど、子どもたちにあげてほしい」と 段ボール箱1箱を置いていったという。  「少しでごめんなさい」とも書かれた箱には、ポテトチップス20袋とキ ャラメル5箱が入っていた。  同施設では現在、一時保護している子ども4人が生活している。澤村昭夫 所長は「年金生活の中からの善意。ありがたくいただいて子どもたちに気持 ちを伝えたい」と話した。 〈07〉2011/01/17付朝刊――――――――――――――☆ ◎「巻き鰤」もっと知って/伝統の保存食伝承/大呑グリーンツーリズム協  七尾市の大呑グリーンツーリズム推進協議会は16日、同市花園町の池岡 直蔵さん(80)方で巻き鰤(ぶり)の講習会を開き、能登の冬を代表する 魚ブリを使った保存食づくりを市内外から参加した6人に伝承した。今冬は 豊漁が続いていることから同会は初めて、2月にも講習会を開き、より多く の人に石川の風土と歴史が育んだブリの食べ方に親しんでもらう。  巻き鰤は塩漬けにしたブリをわらなどで包んで縄で締め上げ、半年間ほど 日陰で熟成させる。池岡家には、直蔵さんの祖父の代から保存食として伝わ っており、ブリに巻く油紙がセロハン紙に代わった以外は藩政期と同じ方法 で作っている。  会では、昨年12月中旬に池岡さんの妻寿栄子さん(77)が塩漬けし、 年末から陰干した重さ約10キロのブリが使われた。  参加者は池岡さんらの指南を受け、3等分したブリにわらを巻き、その上 から荒縄を巻き付けた。縄にすき間ができないよう力を込め続けると参加者 の額には汗がにじみ、約30分かけて長さ約70センチの巻き鰤を仕上げた 。熟成が進んだ巻き鰤は夏に食べごろとなる。  豊漁に加え、希望者が多かったため、2月12日午前10時半から、今年 2度目の講習会を開く。同協議会事務局長で、講習会の指南役も務めた池岡 直樹さん(47)は「ブリを通じてこの地域の食の魅力を知ってほしい」と 話した。  問い合わせは南大呑郵便局=0767(59)1010=まで。 〈08〉2011/01/18付朝刊――――――――――――――☆ ◎芥川賞に西村賢太さん「苦役列車」/七尾出身の藤澤清造に心酔  七尾出身の作家、藤澤清造の全集刊行を悲願とする西村賢太さん(43) の「苦役列車」(新潮12月号)が17日、芥川賞を獲得した。北國新聞社 が発行する季刊誌「北國文華」に寄稿して、生まれて初めての原稿料を受け 取った西村さん。会見で「今回の賞金とプラスアルファで、これで本当に全 集が出せる」と語った。  西村さんは、貧困と病苦を私小説にし、42歳で東京の芝公園で遺体とな って見つかった清造に心酔。これまでの収入の大部分を清造の直筆原稿や手 紙類の収集に充ててきた。  「北國文華」2001年春号では「破滅に殉(じゅん)じた“能登の江戸 っ子”」と題した長文を寄稿。貧困、野垂れ死にといった「既成の文学史的 な評価には何か義憤と云ったようなものがわき上がってくる」と記すなど、 清造の生涯を熱意をもって掘り下げている。  05年の「群像」9月号で発表、芥川賞候補となった「どうで死ぬ身の一 踊り」では、「北國文華」の寄稿が初めて原稿料を得た体験だった、と打ち 明けていた。  石川近代文学館の館長時代、西村さんの訪問を受け、現在も交流のある井 口哲郎さん(78)=能美市粟生町=は「『北國文華』に寄稿した当時、文 体がすでに出来上がっていることに後になって気付かされた。西村さんは作 家として清造を超えたんじゃないか。執念が実った」と喜びを語った。  東京・丸の内の東京會館で行われた会見で、西村さんは私小説にこだわり 書き続けてきたことについて「僕の場合はホント、ずっと私小説に救われて きたので。書くとなったら、その形式というか、その論しかとらない」と語 った。  暴力や女性関係も含め「出来事は9割以上本当」と話す。ただ実際には、 8割のフィクションを入れて筆を走らせてきたという。  「自分は救われることはないが、書いているうちにだんだん面白くなりま すね。だめなやつだな、と思いながら書いていて、でも俺のことなんだよな 、って。で落ち込んで、お酒に逃げて、その繰り返しですね」。1月29日 の命日に、七尾市の藤澤清造の墓標前に報告するという。  「ほんの1%は、可能性がある。(芥川賞受賞を)頼みに来た」。13日 、西村さんは、七尾市小島町の浄土宗西光寺を前触れもなく訪れ、藤澤清造 の墓標に手を合わせていた。  同寺の高僧英淳住職によると、西村さんはお参り後、すぐに東京に引き返 したそうで、受賞の報に「本当に良かった」と喜んだ。  同寺は清造の生家の菩提(ぼだい)寺で、西村さんは2001(平成13) 年、49年ぶりに「清造忌」を復活させた。直筆原稿から取り出した字で「 西村賢太墓」と刻ませた生前墓を清造の墓標の隣に建立した。  清造の親戚に当たる藤澤外吉さん(65)=同市藤橋町=は「何事にも真 面目で徹底する人だ。2度は選に漏れたが、うさぎ年に飛躍のチャンスを得 た」と手放しで喜んだ。 〈09〉2011/01/19付朝刊――――――――――――――☆ ◎藤澤清造を知ろう/作品掲載誌など特設/七尾市立中央図書館  七尾出身の作家藤澤清造に私淑する西村賢太さんが芥川賞を獲得したのを 受け、七尾市立中央図書館は18日、清造の作品が掲載された文芸誌や、北 國文華など西村作品を収録した文芸誌、単行本の特設コーナーを設けた。貧 困の中で私小説を大成した清造と、七尾に一時居住して清造研究を進めた西 村さんを紹介し、七尾ゆかりの文学の再評価を進める。  特設コーナーには、西村さんが初めて原稿料を得たとする「北國文華」2 001年春号をはじめとする文芸誌5冊を展示、私小説「どうで死ぬ身の一 踊り」「暗渠の宿」などの単行本8冊も展示、貸し出しを始めた。  また、清造の代表作「根津権現裏」や短編「狼の吐息」などを収録した石 川近代文学全集など、清造の著作が掲載された書籍5冊を展示。さらに、東 京で極貧の中、凍死した清造を悼み、室生犀星や徳田秋声ら友人による葬儀 の案内状の写しも置かれ、清造に光を当てている。  西村さんは、七尾で熱心に清造研究を進め、1月29日の清造忌復活にも 尽力した。また自身の著作を同図書館などに寄贈している。  西村さんと10年来の親交がある同図書館の久川裕恵館長は「西村さんが 脚光を浴びたことで、藤澤文学も多くの人が知るきっかけになってほしい」 と話し、コーナーに立ち寄った武元文平市長も「七尾ゆかりの藤澤清造も注 目を集めるかもしれない」と期待した。 〈10〉2011/01/26付朝刊――――――――――――――☆ ◎野口雨情作?田鶴浜に鐵道唱歌/のと鉄道の駅に歌詞掲示  七尾市ののと鉄道田鶴浜駅の待合室に25日、1928(昭和3)年10 月の能登鉄道開通記念歌「鐵道唱歌 田鶴浜」と題した歌詞が掲げられた。 関係者によると、歌詞は昭和初期に田鶴浜町を訪れた詩人野口雨情が作った 可能性があり、地域の歴史資料として住民にPRしたいとしている。  歌詞は縦横30センチ程度のアテの板に記されている。同町の川森茂次さ ん(79)が10年ほど前に、お年寄りの聞き取りや資料を基に歌詞を書き 留め、自宅に飾っていたという。  3番までで、「昭和三年(みとせ)の秋立てて」で始まり、2、3番には 「特産建具」や、地元ゆかりの長一族をイメージした「武士(もののふ)」 などの言葉が七五調で織り込まれている。  川森さんは「鐵道唱歌」を雨情の作と伝え聞いており、地元の地方史の会 メンバーも「当時、これだけの歌詞を書ける人物は地元に見当たらない」と して、雨情が作った可能性が高いとする。川森さんらは近くもう少し大きめ の板に歌詞を書き換える予定で「歌詞を地域の誇りとして大勢の住民に見て もらいたい」と話している。  待合室では25日、田鶴浜小児童の書き初め作品展が始まった。展示され たのは各学年の金賞60点で1、2年生は硬筆、3年生以上は毛筆の作品が 利用者を楽しませている。2月中旬まで展示する。