□◆□◆□◆□◆ 第71号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                         平成22年 4月23日  ようやく春らしくなってきましたが、朝晩はまだまだ肌寒い毎日が続いてい ます。天候不良の影響で、店頭に並ぶ野菜は目が飛び出るほどの価格。天候に 左右されない安価なモヤシが飛ぶように売れているという話を聞きます。  ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、今年は七尾が生んだ画聖 「長谷川等伯」の没後400年という記念の年です。先日、京都国立博物館で 開催されている「長谷川等伯展」へ行ってきました。歴史や芸術には全く疎い 私ですが、国宝中の国宝と呼ばれている「松林図屏風」を見て胸が熱くなりま した。能登の片田舎から京都へと向かい、当時の京都における最大画派「狩野 派」(総帥・狩野永徳)に正面から立ち向かい、永徳の死を機についには頂点を 極めた等伯。それも束の間、最愛の息子・久蔵を急死で失う。悲しみに打ちひ しがれた等伯が、ふるさと能登の松林を思い出して描いたのが「松林図屏風」 だという説があります。そのことを考えたとき、「松林図屏風」からは等伯の 心が伝わってくるようでした。  京都展は5月9日まで行われています。今回のような大回顧展が開かれる機 会は、今後ほとんどないといわれているようです。まだご覧になっていない方 は、ぜひ京都へ足を運び、ふるさと七尾の薫りに触れていただければと思いま す。  今月号から寺田が担当させていただきます。ご覧いただいている皆さんが ふるさと七尾を感じ、七尾のまちを訪れていだだけるようなホットな情報をお 届けできれば思います。今後ともよろしくお願いします。   それでは、第71号をお届けします。                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:七尾市企画経営部市民男女協働課                    TEL (0767)53−8633                    FAX (0767)53−1125                    E-mail:kyoudou@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ 追伸:4月より担当部署が変更になりました。    (旧)総務部 秘書広報課 → (新)企画経営部 市民男女協働課 〜〜〜●第71号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  @ 長谷川等伯没後400年記念 関連イベント  A 片岡鶴太郎ガラス作品展  B 第8回花嫁のれん展  C 国指定重要無形民俗文化財「青柏祭の曳山行事」 ※ 市内各施設のイベントについて   ☆北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ @長谷川等伯没後400年記念 関連イベント  ☆★☆ <第1弾…「松林図屏風」複製が完成 七尾美術館でお披露目!>    等伯の代表作といえば、国宝人気ナンバーワンの「松林図屏風」。平成17 年に2週間だけの限定公開を行ったときは、約5万7千人の方が鑑賞されまし た。  平成20年の洞爺湖サミット会場に「松林図屏風」の複製が飾られ、今回七 尾美術館においても正式に所蔵品としての制作が決定し、皆さんに公開できる 日が近づいてきました。 【お披露目セレモニー】 日 時 5月2日(日)10:00〜 会 場 石川県七尾美術館 アートホール 入場料 無料 【平成22年一般公開日】 春期 5月2日〜5月5日、秋期 10月31日〜11月2日 (問)石川県七尾美術館 TEL0767-53-1500 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 <第2弾…「坂東玉三郎講演会」>    等伯の作品「松林図屏風」を表現するものとして「存在感や空気感」といっ た言葉がしばしば表現されます。現代において、歌舞伎界の立女形:坂東玉三 郎の舞台を表現する言葉にも「美しさと存在感」が使われています。  平成4年に泉鏡花文学賞特別賞を受賞し、石川県とも縁の深い、坂東玉三郎 氏に、その共通する世界観や美を突き詰めた先にあるものを尋ね、等伯の世界 への理解を深めます。 【講演会】 日 時 5月22日(土) 開 演 13:30〜 会 場 能登演劇堂 入場料 無料(定員650人) 講 師 坂東 玉三郎 氏 演 題 「坂東玉三郎の世界」  【対談】 日 時 5月23日(日) 開 演 13:30〜 会 場 能登演劇堂 入場料 無料(定員650人) 講 師 坂東 玉三郎氏・嶋崎 丞氏(石川県立美術館長/七尾美術館長) 演 題 「日本における伝統芸能と美術」 (問) 長谷川等伯没後400年記念事業実行委会 0767-66-2325     HP:http://www.nanaoh.net/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 <第3弾…「没後400年特別展「長谷川等伯」in京都国立博物館>  水墨画の最高峰「松林図屏風」、金碧障壁画の至宝「楓図壁貼付」を描き、 豊臣秀吉・千利休を魅了した絵師、長谷川等伯。七尾に生まれ京都へ活躍の場 を求めて上洛。時はまさに信長や秀吉が覇を争い、豪壮華麗な芸術が爆発的に 発展した絵画の黄金期”桃山”。その時流の中で等伯は非凡な才能を開花させ ました。  京都国立博物館では、国宝3件、重要文化財30件を含む等伯の代表作のほ ぼすべてを公開します。史上最大規模の大回顧展をお見逃しなく! 会 場 京都国立博物館  会 期 5月9日(日)まで 開館時間 9:30〜18:00     (金曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで) 休館日 月曜日(ただし、5月3日(月・祝)は開館) (問)京都国立博物館 TEL075-525-2473    HP:http://tohaku.exh.jp/ =================================== ☆★☆ A片岡鶴太郎ガラス作品展(能登島ガラス美術館)  ☆★☆  ドラマ・映画・演劇はもとより、芸術分野でも多彩な活動を展開している片 岡鶴太郎氏が制作したガラス作品と、人気の墨彩画、石川県で制作した漆器な どを含む約100点をご紹介します。  ガラス作品は、片岡氏ならではの、斬新な色使いと軽やかなタッチで描かれ たガラス絵などを中心に、きらびやかさの中にも落ち着きのある花器や茶道具 などを展示します。 【 片岡鶴太郎氏 能登島来訪 特別企画 】 @ガラス作品の公開制作  日 時 5月7日(金) 15:10〜18:00(予定)  場 所 道の駅のとじま・能登島ガラス工房  ※片岡氏が能登島ガラス工房スタッフとガラス花器などを共同制作します Aトークショー  日 時 5月8日(土) 10:00〜11:00  場 所 道の駅のとじま・交流市場2階  対 象 高校生以上の方(先着200名)  ※お申込み方法(4月30日必着)   往復ハガキに、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、参加人数を明記   の上、〒926-0211 石川県七尾市能登島向田町125-10 石川県能登島ガラス   美術館 片岡鶴太郎トークショー係 までお送りください。   (往復ハガキ1枚につき2名まで申込可) (問)能登島ガラス美術館  TEL0767-84-1175    HP:http://www.city.nanao.lg.jp/nanabi/index.htm =================================== ☆★☆ B第8回花嫁のれん展  ☆★☆  「花嫁のれん」は、幕末から明治時代初期のころより、加賀藩の能登・加賀 ・越中に見られる庶民生活の風習の中に生まれた独自ののれんです。花嫁が嫁 入りの時に「花嫁のれん」を持参し、花嫁の家の仏間の入口に掛けられます。 玄関で合わせ水の儀式を終え、両家の挨拶を交わした後、花嫁はのれんをくぐ り、先祖のご仏前に座ってお参りをしてから結婚式が始まります期間中、百数 十枚にも及ぶ「花嫁のれん」が通りを彩ります。 日 時 4月29日(昭和の日)〜5月9日(母の日) 場 所 一本杉通り ※4月29日には花嫁道中も行われます。 (問)観光交流課・七尾市観光協会 0767-53-8424    HP:http://www.nanaoh.net/ =================================== ☆★☆ C国指定重要無形民俗文化財「青柏祭の曳山行事」  ☆★☆      〜今年の出し物は、「長谷川等伯」で題材統一〜  若葉萌える5月に行われる大地主神社(山王神社)の春祭りで、能登地区最 大の祭礼。高さ12m、重さ20tの日本一大きな山車「でか山」3台が狭い 町なかを曳き廻されます。訪れる人々が山車を曳くことができる参加型の祭り です。 【見どころ】  5月2日 夕刻、市内の人形宿に「でか山」の人形が飾られます。  5月4日 正午過ぎ、3台の「でか山」が大地主神社(山王神社)にそろい       ます。  5月5日 11:30頃、能登食祭市場前に3台の「でか山」がそろいます。       その後、御祓川河畔に向かい、再び3台の「でか山」がそろいま       す。  ※今年は七尾出身の画家・長谷川等伯の没後400年の年にあたり、青柏祭  の3台の山車「でか山」の舞台場面は等伯にちなんだものとなります。   ●魚 町 「上洛の場」   ●鍛冶町 「茶会の場」(仮)   ●府中町 「等伯、久蔵親子の競演」 (問)観光交流課・七尾市観光協会 0767-53-8424    HP:http://www.nanaoh.net/ ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントはこちら ★★★  ◎ 能登島ガラス美術館  TEL0767-84-1175    → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html   ◎ 七尾美術館  TEL0767-53-1500    → http://www.city.nanao.lg.jp/nanabi/index.htm  ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  TEL0767-54-0300    → http://www.notorannokuni.com/  ◎ 能登演劇堂  TEL0767-66-2323    → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 01:七尾でうどんが熱い!/地元食材生かし、新メニュー相次ぎ発売 02:「七尾の嫁入り」で門出/花嫁のれん展の花嫁道中/一本杉出身の通さん 03:ちょんこ山のお囃子「しゃぎり」の指導者育成へ/保存会が募集 04:書・花・茶が春の競演/七尾で北國特選会にぎわう 05:「もったいない」の心をキルトに/能登島の94歳・宮原さんが初の個展 06:「姉妹」の友好末永く/七尾・御祓公民館へ韓国・金泉文化院の一行訪問 07:手作り卓球場が好評/中島の野田さん方/近所の憩いの場に 08:七尾最古の木造建築/常福寺の本堂再建へ/地震で「全壊」判定受け 09:「和倉温泉の原点」弁天崎源泉公園が完成/初の手湯施設、湯けむり演出 10:「立版古」見て店巡りを/七尾市東部商店街のおかみさん会が展示へ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〈01〉2010/04/20付朝刊――――――――――――――☆ ◎七尾でうどんが熱い!/地元食材生かし、新メニュー相次ぎ発売  七尾市内の飲食店など7店は、七尾の食材を生かしたメニュー開発を進める 「はちめの会」を結成した。第1弾として同市能登島周辺で採れる海藻「アカ モク」を練り込んだ「磯とろ七尾うどん」を売り出し、好評を得ている。  磯とろ七尾うどんは、神明町の定食居酒屋「膳座」などを営む坂上勝則さん (56)が考案した。細麺(めん)で強いこしがあり、食べると磯の香りが広 がる。腹持ちが良く、女性の人気を集めている。  3月に坂上さんがアカモクペースト「磯とろろ」の商標を取得し、創業91 年の「食堂山藤家」=府中町=の山藤政登さん(54)が量産化に乗り出した。  山藤さんは週1300食分を生産し、坂上さんらはちめの会会員がそれぞれ の店で独自の味付けをした品を提供している。麺そのものは県内をはじめ新潟 や広島県内の飲食店などにも出荷している。  アカモクはがん抑制や血圧安定などが期待される食材で、坂上さんらは「会 を中心に、ほかの食材も使って新たな七尾名物を作り、普及させていきたい」 と意気込んでいる。  また七尾市万行町の山崎製麺では、七尾出身の画聖長谷川等伯の没後400 年を記念して考案した金箔(きんぱく)入りの「等伯うどん」が人気を集めて いる。  製麺所で釜揚げしたばかりの麺に、長谷川家の菩提(ぼだい)寺であり金沢 箔のルーツとされる山崎家の墓碑がある同市の日蓮宗長壽(ちょうじゅ)寺で おはらいを受けた金箔を添えたうどんで、価格は節目の年に合わせて400円。  同製麺代表の山崎政和さん(62)は「到底商売にならないが、等伯の遺徳 を知ってもらうきっかけになれば」と話した。8月末ごろまで提供する。 〈02〉2010/04/19付朝刊――――――――――――――☆ ◎「七尾の嫁入り」で門出/花嫁のれん展の花嫁道中/一本杉出身の通さん  七尾市一本杉通りで29日に開かれる花嫁のれん展の花嫁道中で、今回初め て、花婿の実家での嫁入り儀礼が執り行われる。合わせ水やかわらけ割り、花 嫁のれんをくぐっての仏間入りなど「七尾の嫁入り」を行い、地域の伝統を受 け継ぐ。  今回の道中の主役は、同市一本杉町出身の会社員通(とおり)竜太さん(3 2)と神奈川県藤沢市出身の妻亜希さん(29)。現在は横浜に住んでおり、 今秋の結婚を予定している。  亜希さんは昨年5月、花嫁のれん展期間中に竜太さんの実家を訪れ、能登の 嫁入りに関する文化に触れ、魅了された。親族からの薦めもあって、今年の花 嫁道中への参加を決めたという。  道中当日は、竜太さんの両親が同通りで営む和菓子店「一本杉花月本店」で、 2人が合わせ水などの儀式を執り行い、ともに花嫁のれんをくぐって仏壇に手 を合わせ、祖先に結婚を報告する。  18日は同市袖ケ江町の衣装店「ブライダルみつ和七尾店」で2人が衣装を 合わせ、羽織はかま姿の竜太さんと白むく姿の亜希さんが見つめ合って思いを 新たにした。  亜希さんは「だんなさんの地元で伝統的な結婚儀礼を体験できるのは素晴ら しい」と晴れの日に思いをはせた 〈03〉2010/04/18付朝刊――――――――――――――☆ ◎ちょんこ山のお囃子「しゃぎり」の指導者育成へ/保存会が募集  七尾市のちょんこ山保存会は、同市所口町の能登生國(いくくに)玉比古神 社(通称気多本宮)の曳(ひき)山奉幣祭で演奏されるお囃子(はやし)「し ゃぎり」の指導者育成に乗り出す。  同祭は藩政期以前からの伝統があるとされる。6曲あるしゃぎりの由来は不 明。譜面もなく、御祓地区の住民から住民へと口伝えされてきた。  徐々に曲を知る人が減り、15年前からは保存会囃子部長の通(とおり)外 浩さん(49)=同市一本杉町=が一本杉町出身の男性らから学んだ太鼓や三 味線の演奏を毎春、地域の児童に教えてきた。  通さん一人では負担が大きいことから、保存会は今後、指導者や演奏者を募 る。さらには、大勢でしゃぎり保存に取り組み、祭りそのものも盛り上げてい きたいとして、不用になった三味線の譲渡を広く求めることを決めた。  通さんは「伝統の音色を後世に伝えるため、指導者を複数人育てたい」と話 した。 〈04〉2010/04/16付朝刊――――――――――――――☆ ◎書・花・茶が春の競演/七尾で北國特選会にぎわう  能登最大の合同文化展「第13回書花茶 春の北國特選会」は16日から3 日間の日程で、七尾市の七尾サンライフプラザで行われた。会場には初日から 大勢の市民や愛好者が訪れ、墨の筆致と余白が生み出す味わい深い書と、華麗 に生け込まれた花の様式美、造形美に見とれ、茶席では心安らぐお点前を堪能 した。  今年は七尾出身の桃山期の画聖長谷川等伯没後400年記念事業として行わ れ、書の部に七尾美術作家協会の33人、花の部に9流派から過去最多の12 0人が出展。初日の茶席は茶道表千家津田宗清社中、17日は皇風煎茶禮式笠 間弘昭社中、18日は茶道裏千家宮森宗紅社中がもてなした。  開場式では主催者を代表して太茂野直利北國新聞文化センター理事長があい さつ、山田理平七尾市企画経営部次長・文化振興課長が祝辞を述べた。続いて 河崎雪甫県いけ花文化協会専務理事、木本香泉七尾美術作家協会副会長らが加 わり、テープカットした。  会期中、過去最多の3231人が訪れた。 〈05〉2010/04/15付朝刊――――――――――――――☆ ◎「もったいない」の心をキルトに/能登島の94歳・宮原さんが初の個展  七尾市能登島野崎町の無職宮原とみゑさん(94)の初個展「94歳おばあ ちゃんの布あそび」は14日から4日間の日程で、七尾市中島町中島の大黒呉 服店で行われた。「布物は作り直すのが当たり前」と、90歳を過ぎても手を 動かす宮原さんのために娘が準備した晴れ舞台で、「もったいない」の心が宿 る作品21点が並んだ。  宮原さんは、娘2人のおしめをはじめ生活に必要な裁縫に励んできた。世の 中に安価な布製品があふれるようになっても「布を捨てる気になれん」と手縫 いを続け、約35年前からは不用になった着物を使ったキルトづくりを始め、 ミシンも駆使して楽しんでいる。  展覧会は長女の伊藤祐子さん=同市能登島淀k楪・瓠複僑機砲蕕・嵋イな・メ と筋の母の姿を世間にお披露目したい」と同店に相談したところ、同店の大黒 五平さんが賛同、昨秋から宮原さんに内緒で企画を進めてきた。  会場には、着物を再利用したズボンや風呂敷で作った布団、亡き夫の浴衣を 使ったパッチワークなどが展示され、来場者が宮原さんの細かな手仕事に見入 った。  宮原さんは「どんな布も捨てられない。これからも作り続ける」と話した。 〈06〉2010/04/10付朝刊――――――――――――――☆ ◎「姉妹」の友好末永く/七尾・御祓公民館へ韓国・金泉文化院の一行訪問  七尾市御祓公民館と姉妹公民館提携する韓国・金泉市の金泉文化院の一行2 0人が9日、七尾市を訪れ、関係者と旧交を温めた。提携40周年を記念した 訪問で、同公民館で抹茶の接待を受け、記念植樹を行い、末永い交流を誓い合 った。  同公民館での記念式典では、堀岡啓吾館長に続き、宋英鎬(ソンヨンホ)同 文化院長が「先人が築いた友好関係を継承発展していきたい」とあいさつ。長 憲二七尾日韓親善協会長が歓迎の言葉を述べた。この後、堀岡館長と宋院長が 同館敷地内にムクゲの木を植樹した。  姉妹公民館提携は1970(昭和45)年、互いに医師だった当時の奥田幸 造同公民館長と姜重求(カンジュング)同文化院長が親交を結んだ縁で締結。 これがきっかけとなり5年後、両市の姉妹都市提携に発展した。  一行はこれに先立ち、七尾市役所を訪れ、武元文平市長らから歓迎を受けた。 〈07〉2010/04/10付朝刊――――――――――――――☆ ◎手作り卓球場が好評/中島の野田さん方/近所の憩いの場に  七尾市中島町奥吉田の野田敏信さん(75)が自宅に手作りした「卓球場」 が近隣住民の憩いの場となっている。以前に建築業を営み、ドリルや旋盤の機 械音に包まれていた野田さんの作業場には、友人らの笑い声と軽やかな「ピン ポン」の音が響いている。  5年前に建築業から退き、現在は農業を営む野田さんは2008年11月、 卓球を楽しみながら体力を維持しようと、廃材のベニヤ板や角材を使って卓球 台を手作りした。  妻かをるさん(69)と試合を楽しんでいるうちに近所の話題となり、今で は近在の熟年世代がプレーを楽しんでいる。  技術面では、中学、高校と卓球部で活躍した同町の農業島田信夫さん(73) がアドバイスをしている。島田さんは「野田さんのおかげで近所付き合いが増 えた。わしもここでは『先生』や」と照れ笑いした。  野田さん夫婦は、毎日朝と昼に30分ずつ汗を流している。「単調なトレー ニングより続けられる。近所のみんなにも楽しんでもらえてうれしい」と話し た。 〈08〉2010/04/09付朝刊――――――――――――――☆ ◎七尾最古の木造建築/常福寺の本堂再建へ/地震で「全壊」判定受け  七尾市内で最古の木造建築とされる同市相生町の真宗大谷派常福寺本堂が解 体、再建されることになった。3年前の能登半島地震により市から「全壊」判 定を受けたためで、新本堂には現在の柱材を使い、内陣を江戸期の様式に戻す。  門徒総代会などが決めた計画によると、現本堂のケヤキの柱などを活用しほ ぼ同じ大きさの本堂に建て直す。内陣は、本尊と両脇に安置されていた仏像が 一列に並ぶ「一列仏壇」の様式を再現する。  木越祐馨七尾市文化財審議委員によると、「一列仏壇」の内陣様式は江戸後 期まで主流を占めたがその後全国の大半の寺院で改修された。県内で同様式が 当時のまま現存するのは志賀町の常徳寺だけで、加賀市の常願寺は本堂再建時 にこの様式に改めた。  同寺は室町期の享禄年間(1528〜31年)に国分寺境内(現七尾市古府 町)に建立され、加賀藩祖前田利家の能登入国に伴い数度の移転の後、現在地 に移った。  本堂は棟札によると天明2(1782)年2月の建造。市街地が明治期に2 度にわたって大火に遭った七尾市内では最古の木造建築物とされる。  能登半島地震後、同市から「全壊」判定を受けた後は、本尊や仏具一式を別 棟の門徒会館に移して法要などを営んできた。  畠山和徳住職(66)は「現本堂の建立はちょうど天明の飢饉(ききん)の ころに当たる。新本堂は、当時の門徒たちが寺に寄せた思いが伝わるような建 物にしたい」と話している。 〈09〉2010/04/09付朝刊――――――――――――――☆ ◎「和倉温泉の原点」弁天崎源泉公園が完成/初の手湯施設、湯けむり演出  七尾市和倉温泉の弁天崎源泉公園の完成お披露目式は8日、現地で行われ、 関係者らが温泉街そぞろ歩きの拠点施設となる「和倉の原点」再生を祝った。  約2500平方メートルの同公園はかつて海で、「弁天島」と呼ばれる部分 から温泉がわき出た。  園内には、公共施設では県内初の本格的な手湯施設のほか、水琴窟(すいき んくつ)、伝説の亀岩の池など源泉が流れ湯けむりが漂う仕掛けが施されてい る。湯を利用して着座部分を温める「あったかベンチ」も設置した。  お披露目式では同温泉街にぎわい再生協議会の立川渉会長があいさつし、武 元文平市長、小田孝信同温泉観光協会長が祝辞を贈った。関係者に和倉保育園 の年長園児22人が加わってくす玉を割り、開園を祝った。  同公園整備事業は、国のまちづくり交付金事業の一環で、七尾市が2009 年秋に着工。総事業費は約6200万円。 〈10〉2010/04/02付朝刊――――――――――――――☆ ◎「立版古」見て店巡りを/七尾市東部商店街のおかみさん会が展示へ  七尾市の東部商店街おかみさん会は町のにぎわい作りのために、江戸から明 治期にかけて全国で流行したとされる組み立て絵「立版古(たてばんこ)」を 同商店街加盟20店の店頭で展示する活動に乗り出した。青柏祭が始まる5月 3日を目標に、会員が玩具店「とらや」の伊藤能典さん(51)を師匠として 制作に励んでいる。  伊藤さんは6年ほど前に同市橘町の実家の蔵で約25種類30組の立版古を 見つけたことをきっかけに、復刻に取り組み始めた。歌舞伎や歴史上の名場面 を立体的に表現した立版古は、大人の興味をそそる情緒豊かな玩具であること から、商店街の雰囲気づくりに役立てようとしておかみさん会が展示を企画し た。  31日夜、伊藤さんの実家で開かれた「組み立て講習会」には、おかみさん 会のメンバー13人が集まった。「細かくて大変」と作業に悪戦苦闘しながら も、娯楽が少なかった時代の風情ある遊びを楽しんだ。  伊藤さんは「廃れてしまった庶民の文化を、七尾で復活して発信したい」と 意気込み、おかみさんたちとともに根気のいる作業を進めた。  【立版古】1〜5枚の錦絵に描かれた人物や家屋の部分を切り取り、立体的 な舞台に仕上げる遊び絵の一種。「組み上げ絵」とも呼ばれる。江戸・明治期 には庶民が夕涼みの軒先で床や机の上に飾り、ろうそくでライトアップするな どして出来栄えを競う夏の風物詩だったとされる。