□◆□◆□◆□◆ 第69号『ふるさとの薫り・七尾情報』 □◆□◆□◆□                         平成22年 2月26日  小春日和のような天気が垣間見える今日この頃、皆さまにおかれましてはい かがお過ごしでしょうか。  さて、現在行われている冬季オリンピックは2月13日(土)から3月1日 (月)の約2週間にわたり、カナダのバンクーバーで行われています。日本代 表として出場している選手一人ひとりオリンピックに出るために日々の努力を 惜しまず、夢と感動を与えるために頑張っています。そこには人それぞれに物 語があります。ケガなどで挫折することも、なかなか結果が出せなかったりす ることも、それぞれにいろんな壁を乗り越えて日本代表選手となっています。 メダルに手が届かなかった選手もいますが、結果だけで判断せずに、いろんな 過程を踏んでここまでこれた選手に対し「よく頑張った」とテレビの前で言っ てあげてほしいと思います。  何事にも、結果ばかりが目につき、そこまでに至る過程を忘れがちになって しまいます。仕事においてもいろんなスポーツにおいても、しっかりとした過 程を踏んで日々たゆまぬ努力を続けていくことで結果が少しずつでも表れてく るのでないかと思います。  それでは、第69号をお届けします。                 ご意見、ご要望などは下記まで                ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●                 発行:七尾市総務部秘書広報課                    TEL (0767)53−1110                    FAX (0767)53−7050                    E-mail:hisho@city.nanao.lg.jp                ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ 〜〜〜●第69号メニュー●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 @ 能登ごっつおケータイで能登七尾の情報をGET! A 長谷川等伯没後400年記念キャラクター「とうはくん」 B 学び舎の歴史に幕を下ろす ※ 市内各施設のイベントについて   ☆北國新聞「七尾ニュース」 ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ☆★☆ @ 能登ごっつおケータイで能登七尾の情報をGET! ☆★☆  能登ごっつおケータイは、お手持ちの携帯電話へ能登・七尾の素敵な情報が メールで送られてくるサービスです。お得な観光情報やイベント情報、商店街 クーポンが送られてきますので、七尾へお越し際には、ぜひご利用ください。 市内38カ所の商店、飲食店、旅館、民宿などで携帯電話から読み取ることが できるタッチ式リーダーが設置してありますので、登録してご利用ください。 なお、インターネットからQRコードで登録することも出来ます 【登録に際して】  1)登録時にメールの送受信が発生するため、パケット料が発生します。    パケット料はお客様のご負担となります。  2)携帯メールでPCメールからの受信拒否を設定を行っているとメールの    受信ができませんので、設定の解除をお願いします。 (問)和倉温泉まちづくり推進室 0767-62-1221    HP : http://www.wakura.or.jp/p338.html =================================== ☆★☆ A 長谷川等伯没後400年                記念キャラクター「とうはくん」 ☆★☆  「とうはくん」は、七尾市生まれの長谷川等伯をイメージし、等伯がこの世 を去ってから、2010年でちょうど400年と節目の年にあわせ、長谷川等 伯没後400年記念キャラクターとして誕生しました。その「とうはくん」の 公式サイトが開設され、長谷川等伯没後400年記念事業の一環として広く周 知しているところです。皆さんも、一度サイトを覗いてみてください。  また、「とうはくん」ストラップも販売しています。    公式サイト : http://www.touhakun.com/index.html (問)七尾市観光協会 0767-53-8424    http://www.nanaoh.net/ =================================== ☆★☆ B 学び舎の歴史に幕を下ろす ☆★☆ 【石川県立中島高等学校】   中島高校は、昭和38年に石川県立七尾高校中島分校として開校し、地元  の熱い高校誘致運動により、昭和44年に七尾高校から独立して単独校とな  りました。以来、同校は地域の高等教育機関として町民の熱い声援を受けな  がら、教育的な付託に応えてきました。   また、新学習指導要領が平成15年度から本格実施されるなか、新しい教  育方法を求めて、全国でも数少ない「演劇コース」を立ち上げました。   今年度をもって、47年という長い歴史に幕を下ろすこととなり、演劇を  通した教育方針は、七尾東雲高校へ受け継がれていきます。 【七尾市立北嶺中学校】   北嶺中学校は、昭和33年に崎山中学校と北大呑中学校の一部が合併して  創立しました。校舎は、七尾湾と富山湾を仕切るように伸びる崎山半島の中  心部に位置しており、校区は寒ブリのとれる江泊、崎山イチゴを栽培してい  る鵜浦、温泉の湧く湯川、古墳のある三室とそれぞれに誇るものがあります。   現在の全校生徒数は45人(1年生13人・2年生13人・3年生19人)  の小さな学校です。   今年度をもって、51年という長い歴史に幕を下ろすことになり、生徒は  涛南中学校の生徒とともに市内中心部の学校へと通うことになります。 【七尾市立涛南中学校】   涛南中学校は、昭和33年に南大呑中学校と北大呑中学校の一部が合併し  創立しました。場所も東浜町から黒崎町へと移り、高台にある校舎からは富  山湾、立山連峰を一望でき、まさに絶景と呼ぶにふさわしい景色が広がって  います。   現在の全校生徒数は32人(1年生4人・2年生12人・3年生16人)  の小さな学校です。   今年度をもって、51年という長い歴史に幕を下ろすことになり、生徒は  北嶺中学校の生徒とともに市内中心部の学校へと通うことになります。 以上の3校が今年度をもって閉校を迎えることになりました。それぞれの卒業 生には、思い出が多く詰まった学び舎ではないでしょうか。閉校する前に、一 度足を運んでみて、懐かしい学校生活の記憶を思い出してみてはいかがでしょ うか。 =================================== ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ★★★ 市内各施設のイベントについて ★★★  ◎ 能登島ガラス美術館  TEL0767-84-1175    → http://www.city.nanao.lg.jp/glass/index.html   ◎ 七尾美術館  TEL0767-53-1500    → http://www.city.nanao.lg.jp/nanabi/index.htm  ◎ 七尾フラワーパーク のと蘭ノ国  TEL0767-54-0300    → http://www.notorannokuni.com/  ◎ 能登演劇堂  TEL0767-66-2323    → http://www.engekido.com/schedule2008.html   ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ ---------------------------------------------------------------------- 01:能登の技で新型仏壇 七尾仏壇と田鶴浜建具 内扉に鮮やか組子細工 仏壇店が製作、全国展で入賞 02:七尾市和倉温泉に初の県外資本 湯快リゾートが金波荘取得 地元の同業は警戒、商店街は期待 加賀屋「地元と協調を」 03:白鵬、七尾市で英気養う 輪島とトークショー、子どもと交流 04:来月、初のナマコ供養 地元知名度UP、県外からの誘客 東京・築地で最高級「能登産」に光 05:中島菜、辛みに抗酸化作用 JA能登わかば 栽培面積拡大へ 東洋大教授が確認 06:袖ケ江駐車場を無料化 七尾市の行財政改革案 市民サービスを意識 07:長谷川等伯の重文、ふるさと七尾市へ 京都市の圓徳院の「山水図襖」 16枚の半数、七尾市に寄託へ 没後400年事業に弾み 08:「ひな見の街」、七尾市に誕生 100年前の人形、商店彩る 東部商店街「おかみさん会」 09:海外の富裕層に照準 観光と健診、一体に 経産省の事業に参画 七尾市の恵寿総合病院 上海から初の受診者 10:でか山に等伯絵巻 没後400年、きょう命日 5月・七尾市の「青柏祭」 3町題材統一 画聖を発信 ---------------------------------------------------------------------- <01> 2010/02/05付朝刊----------------------------☆ ●七尾市藤橋町の澤仏壇店は、伝統の七尾仏壇に地元の田鶴浜建具の組子(くみこ)細工を施した仏壇を製作し、1月に出品した全国伝統的工芸品仏壇仏具展で入賞した。内扉などに神代(じんだい)杉(すぎ)の組子が使われており、きらびやかな従来の仏壇に比べて、落ち着いた仕上がり。関係者は地場産業の新たなコラボレーションとして関心を寄せている。  仏壇は「新三方開(びらき)うるみ色漆塗」で、高さ165センチ、幅76センチ、奥行き70センチ。通常は金箔を施した彫刻が組み込まれる内扉や欄間部分に田鶴浜建具の組子細工がはめ込まれている。組子は神代杉を使い、金箔で飾らずに灰褐色の木肌をそのまま生かしてある。  仏壇は1月19日から25日まで東京で開かれた同仏壇仏具展に出品され、全国伝統的工芸品仏壇仏具連合会長賞を受賞した。  いずれも長い伝統を持つ七尾仏壇と田鶴浜建具の合作は例がないといい、同仏壇店の澤秀晃社長は「内扉に組子細工で風景を描いてもらっても面白い。互いの技術をうまく融合できれば、七尾仏壇の新たな特色になるのではないか」と話している。 <02> 2010/02/06付朝刊----------------------------☆ ●湯快リゾート(京都市)は5日、破産手続きを進めていた七尾市和倉温泉の老舗旅館「金波荘 今昔振舞」を取得した。加賀温泉郷では県外資本による旅館再生が相次いでいたが、和倉温泉にもついに県外資本が進出することになった。低価格路線で個人客を呼び込む湯快リゾートに、地元旅館は価格競争を警戒するが、地元商店街からは温泉客の増加による相乗効果を期待する声も出ている。  「くれぐれも地元との協調を大事にしてほしい」。湯快リゾートが金波荘の取得を発表した5日午後、和倉温泉を代表する旅館、加賀屋の幹部はくぎを刺すように語った。      湯快リゾートは現在、加賀温泉郷で8館の再生旅館を運営。3月5日には加賀市山中温泉で取得した「よしのや依緑園」を開業予定で、金波荘は石川県内で10館目となる。湯快の担当者は金波荘の営業開始日について「未定だが、春以降になる」とし、早急に開業準備に入る方針だ。  同社は中価格帯の旅館も運営しているが、中心は1泊2食7800円の低価格帯。県内外から宿泊客を呼び込み、高い稼働率を保っている。このため、金波荘の料金設定がどうなるかが、和倉の旅館関係者にとって最大の関心事となっている。  湯快の担当者は「金波荘の運営方針は現在未定」とした上で「基本的にこれまでの進出先では既存の客層の上に、新しい客層を呼び込んでいる」と説明する。客一人一人に仲居が付かないなどサービス内容が既存旅館と異なり、真正面から競合はしないとの考えだ。      湯快リゾートの進出について、和倉温泉旅館協同組合の田中道夫理事長代行は「県外大資本の旅館進出に対し、心配する声は強い」と危ぐする。  ただ、「各旅館が力を合わせて誘客のソフトづくりに取り組み、より一層魅力ある温泉地となるよう努力したい」と強調。和倉温泉商店連盟の石ア健嗣会長は「温泉街のにぎわい創出に向けて地元と一緒に和倉のまちづくりに取り組んでもらいたい」と語る。  和倉温泉では、石川県が温泉街の中心地を抜ける新たな県道の設置を計画。七尾市は温泉街の核となる総湯建て替えに合わせて観光交流センターの整備を検討するなど、温泉街の魅力を高める施策が進んできている。  県外資本の進出は、温泉地としてのブランド力の低下につながるのか。それとも、新たな客層を開拓し、和倉を活性化させるのか。地場資本で温泉街を守ってきた和倉にとって大きな転機となる。 <03> 2010/02/13付朝刊----------------------------☆ ●「如月おいしんぼ市」は13日、2日間の日程で七尾市の能登食祭市場で始まった。初日は横綱白鵬が訪れ、同市出身の元横綱輪島大士さんらとのトークショーなどで約700人(主催者発表)のファンを沸かせた。  白鵬は自身の優勝回数について「あと2回で輪島さんの14回に並ぶ。これが私の近い目標」と語り、輪島さんは「記録は破られるもの。横綱には(元横綱朝青龍と同じ)25回優勝してほしい。もう一人の横綱が辞めちゃったから」とエールを送った。タレントのカルーセル麻紀さんも駆け付けた。  白鵬は相撲に取り組む地元の子どもたちに胸を貸したほか、同市の松平卓球教室の子どもたちと対戦。幼児を抱いて記念撮影にも応じた。会場では、宮城野部屋特製ちゃんこ大鍋も振る舞われた。 <04> 2010/02/14付朝刊----------------------------☆ ●能登なまこ加工協同組合は3月6日、日本海側最大のナマコ水揚げ量を誇る七尾市石崎漁港近くの神社で、初の「ナマコ供養」を行う。東京・築地の中央卸売市場で最高級品とされる「能登なまこ」の地元での知名度向上や、県外からの誘客にもつなげたい考えである。  供養祭は、全国各地から漁業関係者や観光客が訪れる山口県下関市の「ふく供養祭」などを参考に、関係者が中心となる神社での供養をはじめ、ナマコの放流などのイベントを計画していく。  同組合によると、七尾湾でのナマコの漁獲量は年間推定500トンに上る。東京・築地の中央卸売市場では、七尾湾産の「能登なまこ」は生食用の最高級品として扱われ、近年は中国向けにも高値で取引されている。  ただ、ナマコは七尾市周辺では「あまりに身近すぎて、注目されにくい存在」であることが悩みの種となっている。  同組合の杉原省理事長は「ナマコもほかの魚類と同様、七尾湾の大事な資源。供養祭を市民や観光客が能登なまこに注目してもらう契機にしたい」と話した。 <05> 2010/02/16付朝刊----------------------------☆ ●能登野菜の中島菜に強い抗酸化作用があることを、東洋大の下村講一郎教授が15日までに確認した。細胞の老化防止や、がん抑制の働きが期待できるという。JA能登わかば(七尾市)は、中島菜のこうした働きを生かした商品開発を進め、栽培面積を拡大する。  中島菜の抗酸化作用は、同JAが15日に七尾市の和倉温泉観光会館で開いた「中島菜の機能性講演会」(北國新聞社後援)で、下村教授が農業関係者約120人に説明した。  抗酸化作用があるのはイソチオシアネートと呼ばれる辛み成分で、中島菜は6種類の同成分を持つ。下村教授は「中島菜はお湯をかけると辛くなる」と言われていることに着目、時間や水温を変えて煮た中島菜の成分を分析した。  その結果、辛み成分が最も多く検出されたのは、70度で30秒煮た中島菜だった。その抗酸化作用は同じアブラナ科である小松菜の10倍近くあり、同じ中島菜でも生食の方が粉末状より5倍強いことが分かった。  中島菜には血圧の上昇を抑えるペプチドや、ビタミンC、ベータカロテンなど栄養素が豊富なことが確認されている。高い機能性が注目されていることもあり、同JAの今年度の出荷量は、5年前の5倍にあたる40万トンになる見通し。新年度は50万トンの出荷を目指す。 ●長所を生かしジュース開発 田中組合長  同JAの田中雅晴代表理事組合長は「中島菜の長所を生かしたジュース開発も進めたい」と話した。 <06> 2010/02/18付朝刊----------------------------☆  ●七尾市は17日、新年度から5年計画の市行財政改革2次プラン案をまとめた。財政状況が合併直後の危機的段階から改善が進んだとして「財政立て直し」一辺倒の1次プランから、市民サービスを意識した内容となり、職員定数削減などに加え、市役所前の袖ケ江駐車場の無料化試行などが盛り込まれた。  新プラン案は、17日の市行財政改革推進委員会に示された。案では、職員定数を新年度当初の673人から、2015(平成27)年度当初には584人に削減するとした。時間外手当の抑制と業務効率化のため、新年度から時差出勤制度を導入する。  財政健全化と事務簡素化のため、3特別会計を廃止、統合する。5特別会計に経営計画を定め、一般会計からの繰り入れを抑える。また第3セクター「七尾市わかば農産公社」の存廃を検討する。  市民サービス面では、袖ケ江駐車場で4月1日から無料化を試行する。無料開放されていた夜間は閉鎖する方針。  2006年度からの第1次プランでは、深刻な歳入不足解消を目的に、職員定数削減や公共施設の統廃合を通じ、5年間で117億円を捻出した。プランは22日の市議会全員協議会で報告される。 <07> 2010/02/18付朝刊----------------------------☆ ●七尾出身の桃山期の画聖長谷川等伯が描いた国重要文化財「山水図襖(さんすいずふすま)」が新年度、高台寺塔頭(たっちゅう)の圓徳院(えんとくいん)(京都市)から七尾市へ寄託される運びとなった。本来は大徳院塔頭の三玄院(同)にあった襖絵で、等伯が420年前、住職の目を盗んで描いたいわく付きの逸品。等伯没後400年に当たる今年は、七尾市内で各種記念事業が繰り広げられ、重文の寄託は顕彰ムードに弾みがつきそうだ。  襖絵は16枚32面あり、いずれも五七の桐紋の唐紙に墨で描かれている。春夏秋冬の景色が各4面、季節を特定しない絵が16面ある。特に春景と冬景が有名で、冬景は5年前に県七尾美術館で開かれた「松林図屏風(びょうぶ) 長谷川等伯展」でも公開された。 ●住職の留守に描いた逸話も  等伯が七尾から上洛して18年後の51歳の作品とされ、大徳寺三門の天井画なども同じ年に描いている。当時、三玄院住職の春屋宗(しゅんおくそう)園(えん)に襖に絵を描かせてほしいと求めたが許可されず、住職の留守を見計らって一気呵成(かせい)に描いた逸話が残っている。  関係者によると、圓徳院は襖絵を、より保存環境が整った施設に寄託したい意向を示し、昨年から七尾市など関係機関に打診して調整を進めていた。協議の結果、同市には16枚のうち半数程度が寄託される方向となった。  襖絵は東京や京都で開かれる展覧会に出品されるため、同市に寄託されるのは5月以降となる予定である。  長谷川等伯は上洛してから一度もふるさとの土を踏むことがなかったとされている。七尾市では「等伯没後400年の節目である今年、京都から貴重な重文の作品が来ることは、大変因縁深いものがある」としている。 <08> 2010/02/21付朝刊----------------------------☆ ●七尾市東部商店街の「おかみさん会」が、自宅のひな人形などを店内に飾る初の合同イベント「ひなまつりストリート」を始めた。華やかで郷愁を誘うひな飾りで各店を彩り、通りの散策や店先での会話を楽しんでもらう「ひな見(み)の街」として誘客を図る。  加盟店の一つ、同市本府中町の呉服店「森善」では、100年前に作られたと推定される、ふくよかな顔と華やかな装束が特徴の古今雛(こきんびな)とみられるひな人形が飾られた。  店主の森孝裕さん(47)の祖母で、1995(平成7)年6月に86歳で亡くなった美代さんの誕生に合わせ、森家が購入したと伝えられている。  森さんがこの人形を飾るのは長女の友季野さん(19)の誕生を祝って以来約20年ぶりのことで、同会の向(むかい)和子会長(60)らのすすめで飾り付けたという。  おかみさん会は、4月3日まで同イベントを開催し、ひな人形をはじめ、節句にちなんだ書や俳句、生け花などの装飾を各店舗に呼び掛ける。向会長は「見る人も主催者側のわたしたちも楽しんで続けられる息の長いイベントにしたい」と話した。 <09> 2010/02/23付朝刊----------------------------☆ ●七尾市の恵寿総合病院が今年、海外の富裕層向けに健診、人間ドックと観光を組み合わせた経済産業省の「国際メディカルツーリズム調査事業」に参画し、22日、上海から初めての受診者を受け入れた。受診者は現地旅行会社の男性役員(38)で、旅行商品化を検討する。同病院や市などでは、医療という新たな切り口での海外観光客誘致に期待を寄せている。  同病院は昨年末、全国の11病院と共に「国際メディカルツーリズム調査事業」に名乗りを上げ、1月から海外受診者の受付を開始した。  22日には、上海からの男性が恵寿総合病院の健康管理センターを訪れ、人間ドックを受診。内視鏡胃カメラや採血、レントゲン撮影など22項目の健康診断を受けた。同病院にはPET(陽電子放射断層撮影)とCT(コンピューター断層撮影)を組み合わせた最新のPET―CTがあり、男性によると、上海ではPET―CTの台数が少なく、受診は順番待ちになっているという。温泉に関心がある男性は、日本の旅行会社を通じて七尾での事業を知り、21日に和倉温泉に宿泊した。受診後には「和倉の湯は期待以上で、和室の雰囲気も素晴らしかった。PET―CTの受診と合わせて、自社の商品に組み込みたい」と話した。  恵寿総合病院の神野正博理事長は「日本は予防医療が進んでおり、観光だけでなく医療でも外国人を呼び込める」としている。 <10> 2010/02/23付朝刊----------------------------☆ ●5月の七尾市を沸かせる「青柏祭」の主役であるでか山が今年、七尾が生んだ画聖長谷川等伯の時代絵巻となる。でか山を運行する山町3町が23日までに、等伯を題材とした出し物で山を彩ることを決めた。24日に没後400年の命日を迎える等伯の偉功を、高さ12メートルを誇る日本一のでか山3台でたたえ、画聖のふるさとを全国に発信する。  出し物は、でか山の最上部に設けられ、舞台上の人形や背景で華やかな時代絵巻を繰り広げる。毎年、3町(鍛冶町、府中町、魚町)がそれぞれ趣向を凝らし、出し物見物を楽しみにしている観光客も多いという。  鍛冶町は、等伯と後妻妙清が、日本の茶道を大成させ、等伯と親交があった千利休の茶席に臨む場面を表現する。  府中町は、等伯と長男久蔵が豊臣秀吉に拝謁(はいえつ)する設定。夭逝した秀吉の子鶴松の菩提(ぼだい)寺を彩った障壁画の中にある久蔵の遺作「桜図」(国宝)と、昨年製作した等伯の「楓図」(同)の複製で舞台を彩る。桜図は所蔵する智積院(京都)の許可を得て製作する計画である。  魚町は、七尾に別れを告げ、京を目指す等伯と前妻妙浄、幼い久蔵を能登畠山家10代当主の畠山義慶(よしのり)が見送る場面とする。魚町、鍛冶町、府中町の順に見れば、等伯が歴史に名を刻むまでの物語となる。  でか山保存会によると、3町が出し物の題材を統一するのは、NHK大河ドラマ「利家とまつ」放送前年の2001(平成13)年、能登畠山家の統治から600年の節目だった08(同20)年に次いで3度目となる。各町では昨年から「等伯の出し物が最もふさわしい」との声がせり出し、同市の長谷川等伯没後400年記念事業実行委員会も働き掛け、題材統一が実現した。  保存会副会長の本田幸治さん(魚町総代)は「全国から観光客が集まる青柏祭で七尾が生んだ偉人の歩みを振り返り、節目の年を飾りたい」と意気込んでいる。  青柏祭は5月3〜5日に行われる。でか山の曳(ひき)山行事は国重要無形民俗文化財。 ★〔長谷川等伯(はせがわ・とうはく)〕  (1539〜1610)安土桃山時代の絵師。能登畠山氏の家臣奥村宗道の子に生まれ、染師の長谷川宗清の養子となる。七尾在住時代から仏画や肖像画を手掛け、養父母が没した1571(元亀2)年に上洛(じょうらく)。狩野永徳ら狩野派との確執もあったが、千利休の後ろ盾と、豊臣秀吉の取り立てもあり、傑作を描き続けた。代表作に国宝「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」などがある。