_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/    ふるさとメール小松 Vol.129     _/ _/              平成24年 9月 1日号_/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  皆さんこんにちは。「ふるさとメール小松」VOL.129をお届けします。  「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」で始まる松尾芭蕉 の紀行文「おくのほそ道」。芭蕉は、奥の細道の道程で2度にわたって小松を 訪れています。安宅の関や、多太神社に奉納された斉藤実盛の兜など、源平物 語にまつわる地が数多くある小松を訪れた芭蕉も、きっと遠い源平の昔に思い をはせたことでしょう。    奥の細道ゆかりの自治体や関連団体で毎年開催されている「奥の細道サミッ ト」。今年は小松市で開催されます。小松の文化を再確認し、全国の「奥の細 道」ご当地の情報を知るまたとない機会ですので、皆さんのご参加をお待ちし ています。   【奥の細道こまつサミット 〜芭蕉も訪ねしむかしがたりの地〜】 とき 9月29日(土)13時30分〜 ところ こまつ芸術劇場うらら 大ホール 内容 ・黛まどか(俳人)講演「B面の『おくのほそ道』」 ・小松ビジュアル俳句コンテスト 作品スライドショー・表彰式 ・こまつ歌舞伎未来塾によるエキシビジョン「むかしがたり」 ・情報交換会 など 問い合わせ 文化創造課 電話0761(24)8130 ◆◆和田市長にココが聞きたい!◆◆ ●大学と連携したまちづくり こまつちゃん  市では今年、金沢大学や北陸先端科学技術大学院大学と包括連携協定を結び ました。大きな効果が期待されますね。 和田市長  小松駅東地区に来年度オープンする科学交流館(仮称)を活用し、それぞれ の大学の研究者による情報発信や技術展示のほか、学生の活動拠点として利用 していきます。また、理科・科学大好き青少年を育成するため、市民を対象と した科学講座なども開催していきます。行政・企業に大学を加えた「産学官」 連携により、何度でも訪れたくなる仕掛け作りを行っていきます。  更に、科学交流館だけでなく、環境や福祉・医療、人材育成など幅広い分野 で人的交流や共同事業を積極的に展開することで、市と大学が相互に有益な関 係を築き、共に発展していきたいと考えています。 こまつちゃん  たくさんの研究者や学生が小松を訪れることで、小松の魅力を知ってもらえ ますね。 和田市長  金沢学院短期大学とは小松産大麦の6次産業化を、国際連合大学とは、環境 王国に認定された里山の素晴らしい景観を保全・活用する取り組みを進めるな ど、ほかのいくつかの大学とも様々な事業を展開しています。また、これらが 刺激となって、小松短期大学の成長にもつながると考えています。  全国の高等教育機関と連携することで、多くの学生や研究者が小松を訪れ、 まち全体が活性化していくよう、これからも取り組んでまいります。 ○●国際交流員ハファエレの Vamos nos conhecer(仲良くなりましょう)●○ ●言葉と文化のつながり  皆さんは日本語で普通に話しているつもりでも、外国人にとっては面白い表 現になっていることがあるのをご存じですか。  例えば、日本では人を名字で呼ぶ事が多いですが、その人の名前(ファース トネーム)を知りたい時には、どういう風に聞きますか。おそらく「下の名前 は何ですか」と聞くと思います。しかし、「上」の名前と「下」の名前という 言い方は、アルファベット、いわゆる横文字を使う国では通じません! これ は名字が上、名前が下に来る縦書き文化を反映しています。しかも、横文字を 使う国では大抵名字と名前の順番が逆なので、このような聞き方は、外国人に は分かりにくい時があります。  また、日本人は疑問に思う時に首をひねる習慣があります。しかし、ほかの 国で疑問や不安といった気持ちを表現する時に、首をひねるジェスチャーを見 たことはありません。面白いのは、ここから「首をひねる」や「首をかしげる 」という表現が生み出されたことです。私は「首をかしげる人が多い」という 表現を初めて耳にした時、頭の中に浮かんだイメージに思わず笑ってしまいま したが、本当の意味を知った時に、日本語への興味が更に深まりました。ほか にも、「大の字で寝る」という表現は、文字から生まれた表現で、とても可愛 らしく感じます。文化が言語に反映されているところが面白いですね。 ★☆文化ガイド★☆ ■宮本三郎美術館 特別展 「宮本三郎と戦争 〜戦場で見つめた人々と故郷への想い〜」  太平洋戦争中に画家として従軍した宮本三郎。宮本初の著書となった「宮本 三郎南方従軍画集」や戦争記録画、戦場から家族に宛てた手紙などから宮本の 当時の思いに迫ります。 会期 9月8日(土)〜11月11日(日) ところ 宮本三郎美術館 開館時間 9時〜17時(入館は16時30分まで) 入館料 一般500円、大学生200円、高校生以下無料 休館日 無休 そのほか ミュージアムパスポート、シルバーパスポートも利用できます。 問い合わせ 宮本三郎美術館 電話0761(20)3600 ■源平ロマン記念講演会  「仏御前と祇王 〜二人の女性 その生き方〜」  白拍子として京で活躍した小松市ゆかりの仏御前の魅力について語るほか、 「白拍子の舞」披露や「しだれ桜」の素読など。 とき 9月17日(月・祝)14時〜16時 ところ こまつ芸術劇場うらら 小ホール 講師 平野啓子(語り部、元キャスター) 入場料 無料 問い合わせ 観光政策課 電話0761(24)8076 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□   「ふるさとメール小松」の発行は小松市広報秘書課   電 話 :0761(24)8016   FAX :0761(24)5563   ホームページ :http://www.city.komatsu.lg.jp/   メール :koho@city.komatsu.lg.jp □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ◆ ―――――――――――――――――――――――――――    //北|國|新|聞|* 小|松|ニ|ュ|ー|ス|//      ― ― ― ―   ― ― ― ― ― ― ---------------------------------------------------------------------- 01:粟津演舞場の再生支援 法人、活用計画策定へ 小松市 9月補正予算案 02:新弟子に月3万円 小松瓦、小松表、石材、九谷焼 技術継承を支援 03:ものづくり現場、子供記者が取材 ラジオこまつ特別番組 小松精練で 04:2025年度開業へ起工 北陸新幹線金沢―敦賀 計画決定から40年 05:小松産スギで国連大に茶室 世界の頭脳癒やす場に 里山の発信期待 06:捕獲イノシシ、食材に 小松などで協議会結成 今年度中に体制づくり 07:戦争伝えるマツの傷跡 小松市の安宅住吉神社 松やに取り出し油作る 08:12年ぶり、中町で 子供歌舞伎 来年5月、小松・お旅まつり 09:試乗や砂像、建機身近に コマツ粟津工場 開放デーに1万6千人 10:急募!小松アイドル 観光客もてなしへ 10人育成、秋にも活動 ---------------------------------------------------------------------- 〈01〉2012年08月30日(木)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎粟津演舞場の再生支援 法人、活用計画策定へ 小松市 9月補正予算案  南加賀地区で唯一現存する芝居小屋とされる小松市粟津温泉の粟津演舞場の 再生が加速する。地元の社団法人「粟津演舞場」が2年後のこけら落とし公演 に向けて利活用計画を策定する。市は9月補正予算案に計画支援費として50 万円を盛り込んだ。  演舞場は1933(昭和8)年に収容人数200人弱で建設され、歌舞伎公 演などに使われた後に軍需工場や旅館従業員の宿舎などに転用された。  市は近代和風建築の外観を生かした街並みを整備し、実際に芝居を上演する 観光施設として活用することで粟津温泉の誘客と活性化に役立つとしている。 温泉旅館の宿泊と芝居観覧をセットにした観光商品の発売などが期待できると いう。  同法人は2014年のこけら落とし公演開催を目指しており、利活用計画で は、管理・運営方法を検討したり、収支見込みも試算する。  同法人は企業と個人が所有する演舞場の土地と建物の購入も予定する。補正 予算案では、同法人の購入額の参考にするため、評価額を算出するための費用 も盛り込んだ。 〈02〉2012年08月28日(火)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎新弟子に月3万円 小松瓦、小松表、石材、九谷焼 技術継承を支援  小松市は伝統産業4業種を対象に、若手職人の育成を支援する新規事業に乗 り出す。九谷焼と石材業、畳表「小松表」、小松瓦の事業所に40歳未満の人 が「弟子入り」した場合に補助金を支払う。後継者が減少する中、伝統産業の 技術継承を目指す。市は9月補正予算案に事業費270万円を盛り込む方針を 固めた。  「こまつの技継承支援制度」と銘打った事業では、助成額は1人当たり毎月 3万円で2年間を限度とする。対象者は各業界に入って3年以内の40歳未満 で、小松瓦の場合は鬼瓦や神社仏閣の瓦など特殊な瓦の職人に限定する。いず れも小松市内で取れた原材料を使うことも条件に加える。財源は市の産業人育 成基金を取り崩して充て、今年度の交付対象人数は10人を見込む。  他産地からの低価格の商品流入などで若手職人を雇用する余裕がなかったり、 若手職人の賃金が安くて生活できない場合が多い。市が事業所の必要経費分な どを助成して若手職人の雇用環境を底上げし、ベテラン職人から技術を受け継 ぐ環境を支援する。  市は市政の方向を示した「10年ビジョン」で、「小松市内総生産」を10 年間で500億円、約10%上昇させる目標を掲げており、伝統産業の振興を 通じてものづくり産業の育成を図る。 〈03〉2012年08月22日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎ものづくり現場、子供記者が取材 ラジオこまつ特別番組 小松精練で  小松、能美両市の小中学生5人が21日、ラジオこまつ(76・6メガヘル ツ)のリポーターとして、小松精練(能美市)を取材した。同社担当者へのイ ンタビューなどにも挑戦し、地域に密着したメディアであるラジオを通じて、 子供たちの視点でふるさとのものづくり現場を生き生きと伝えた。  応募者から抽選で選ばれた西田宇成(たかなり)君(能美市寺井中1年)と 西田智敬(ともたか)君(同寺井小5年)、今井想(こころ)さん(同浜小6 年)、文大夏希さん(同)、中村咲希さん(小松市第一小6年)の5人がリポ ーターとなった。  5人はJR小松駅高架下の市民交流プラザ「ザ・マッツ」公開スタジオでマ イクに向かって自己紹介し、小松精練に移動。同社担当者は5人に対し、実験 などを交えて同社の高機能加工を分かりやすく説明し、欧州の有名ブランドも 同社素材を使用していることなども紹介した。  5人は同社第二工場で染色の工程を見学した後、担当者にインタビュー。 「1年間でどのぐらいの生地を作っているの」「なぜ能美市にあるのに小松精 練なの」などと、次々と質問した。5人には記念品として同社素材を使ったカ ード入れや、25日に開かれる同社グループ夏祭りのチケットなどが贈られた。  5人のリポートはラジオこまつで29日午後2時半からの特別番組「夏休み キッズリポーターIN小松精練」で紹介され、9月1日発行の生活情報紙「N ankaga.R(なんかが・あーる)」に詳細が掲載される。 〈04〉2012年08月20日(月)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎2025年度開業へ起工 北陸新幹線金沢―敦賀 計画決定から40年  北陸新幹線金沢−敦賀の起工式が19日、JR小松駅前で行われた。197 3年の整備計画決定から約40年。開業予定の2025年度末に向け、石川県 内全区間で新幹線工事の槌音(つちおと)が響くことになる。  工事区間は白山総合車両基地から、敦賀駅周辺で計画中の車両基地までの約 114キロで、県内区間は約40キロ。国が6月に着工を認可し、事業費は1 兆1600億円を見込む。金沢以西の駅は小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、 南越(仮称)、敦賀となる。国土交通省は敦賀開業時に富山―大阪などでフリ ーゲージトレイン(軌間可変電車)の導入を計画している。  起工式は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)、JR西日 本、石川県が主催した。国交省や県関係国会議員、県内市町の首長ら約130 人が出席した。  鉄道・運輸機構の石川裕己理事長が「技術力と経験を生かし、品質の良い鉄 道施設をつくる」とあいさつ。奥田建国交副大臣は「フリーゲージトレインを 積極的に活用していきたい。地域主導の独創的、魅力的なまちづくりに期待し たい」と祝辞を述べた。  鉄道・運輸機構の深沢成年大阪支社長が起工宣言し、谷本正憲知事、真鍋精 志JR西日本社長ら出席者がくわ入れをした。  鉄道・運輸機構は今後、測量に着手、調査設計、用地取得などを順次進める。 開業すれば東京―福井の所要時間は2時間52分となり、現行の米原経由に比 べ36分短縮される。  起工式後に、県と北陸新幹線建設促進県民会議が、小松市の県こまつ芸術劇 場うららで起工記念大会と県民会議の総会を開いた。  JR福井駅前でも19日、起工式が行われた。 〈05〉2012年08月19日(日)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎小松産スギで国連大に茶室 世界の頭脳癒やす場に 里山の発信期待  国連大学(東京・渋谷)に11月、石川県産スギによる「茶室」が新設され る。小松市内の里山を視察した同大学長が、スギが広がる景観を「思索を深め るのに最適」と気に入り、世界から集まる研究者が心身を癒やす空間を整備す ることにした。くぎを使わない日本の伝統工法で建てられ、分解して海外に運 んで使用される可能性もあり、関係者は石川の里山や茶道文化の発信につなが ることを期待している。  国連大のコンラッド・オスターヴァルダー学長が昨年11月、同大が研究を 進める里山・生物多様性関連の視察で小松市南部の中山間地に位置する日用町 (ひようまち)を訪れた際、スギやコケが醸し出す静かな雰囲気が「研究者の 頭脳をリフレッシュさせる」と直感。日用産のスギを使い、木の香りが漂う休 憩施設「英知のティーハウス」を大学中庭に造ることにした。  設計は、東京ミッドタウンのサントリー美術館などを手掛けた建築家の隈 (くま)研吾東大教授が担当。幅5・8メートル、高さ3・8メートル、奥行 き14・4メートルで、木材をはめ込み式で組み立てる日本独自の技法を採用 した。  完成後は研究者らが日本茶、中国茶、紅茶を楽しめるようにする。日用町を 視察した隈教授は「日用杉の趣を生かし、研究者が英知を養える雰囲気をつく り出したい」と語った。渋谷の国連大で半年ほど使用し、その後、海外を含め、 ほかの場所に運んで使用するか検討する。  日用杉は年輪が細かく、木目が美しいのが特長。日用町は杉苗の産地として 知られるほか、「全国農村景観百選」に選ばれたコケの群生地が広がり、里山 の風景を伝えている。有川宗樹日用町町内会長は「先祖が育ててきた日用杉が 評価されて喜んでいる。小松市や石川県の里山のアピールにつながればうれし い」と話した。 ★〔国連大学(こくれんだいがく)〕  国連の学術機関として1975(昭和50)年、発展途上国の支援などを目 的に研究を始めた。研究所・センターは13カ国にあり、研究者や大学院生、 職員は計約千人。金沢市には国連大高等研究所いしかわ・かなざわオペレーテ ィング・ユニットがある。 〈06〉2012年08月17日(金)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎捕獲イノシシ、食材に 小松などで協議会結成 今年度中に体制づくり  小松、能美、加賀3市の猟友会や生産組合などが「ジビエ利用推進協議会」 を結成し、農作物への被害を防ぐために捕獲したイノシシの肉を食用として流 通させる取り組みに乗り出した。これまでは廃棄処分されることがほとんどだ った肉を、県内の飲食店に提供することを目指す。  計画では、県や県立大、小松市のこまつSATOYAMA協議会などと連携 し、フランス、イタリア料理を中心に、料理人が求める肉を提供できる解体処 理技術を猟師に教える。シェフによるイノシシ料理の試食会や食肉加工施設の 整備も検討する。  協議会は、今年度中にブランド開発体制を構築し、来年度から県内の飲食店 への提供を始めたいとしている。  県によると、イノシシによる農作物被害額は2011年度、県内で過去最高 となった。南加賀の3市が特に目立ち、被害額の合計は2722万円と、県全 体の約6割を占めた。県は今年5月に食肉としてのイノシシ肉を取り扱うガイ ドラインを策定し、食材としての活用を図っている。 ●首都圏にも発信  イノシシの肉は、フランスでは狩猟シーズンに食べるジビエ(野鳥獣の肉) の一種として、多彩に料理されている。桂木夏彦協議会長は「県内だけでなく 首都圏にも、イノシシの肉を石川産のジビエとして発信していきたい」と話し た。 〈07〉2012年08月15日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎戦争伝えるマツの傷跡 小松市の安宅住吉神社 松やに取り出し油作る  小松市の安宅住吉神社の裏手に、幹の一部をはぎ取られたマツが立ち並んで いると聞いた。太平洋戦争末期、マツから燃料用の油を取り出した「傷跡」ら しい。67回目の終戦記念日を迎える15日を前に、戦争の歴史を伝える松林 に足を運んでみた。(小野田玲奈)  安宅住吉神社の北村嘉章宮司(58)の案内で松林に入ると、いきなりハー トのような形をした傷跡が目に入った。幹をはいで中央部分に真っすぐ80セ ンチほどの切り込みがある。その左右に刃物で付けたような斜めの筋が残って いた。  いったい、マツからどうやって燃料を取り出すのだろうか。北村宮司は、切 り込みからにじみ出た松やにをマツの根とともに加熱すると、松根油(しょう こんゆ)ができると教えてくれた。当時、マツ200本分の松根油を作れば、 飛行機を1時間は飛ばせると言われたそうだ。  松林にはマツが300本ほど立っており、このうち約80本に傷跡が残る。 コケが生えている部分もあり、時代の流れを感じさせる。 ●「難関突破」  安宅住吉神社と言えば、歌舞伎十八番「勧進帳」の舞台とされ、「難関突破 」の御利益で知られる。戦況好転の願いを込め、神社裏で風雪に耐えるマツか ら油を取り出したのだろうか。  この作業には旧制小松中の生徒が動員された。1944(昭和19)年、当 時15歳で作業に当たったという小松市立博物館専門委員の関戸信次さん(8 2)に話を聞くことができた。「お国のためにみんな一生懸命働いた。泊まり 込みで合宿しながら1本のマツの根を全て取るのに10人がかりで半日かかっ た」。松根油作りに必要なマツの根を毎日、スコップで掘り起こしたという。 ●大事なもの  こうした生徒たちの姿を見ていたのが、当時6歳だった加南地方史研究会安 宅地区担当の岡田孝さん(73)=同市義仲町=だ。学校では松根油は戦争で 使う大事なものであり、松林で絶対にいたずらしてはいけないと教えられたそ うだ。  「戦争の痕跡や記憶が遠のいてしまい、戦時中の話をできる人が少なくなっ てしまった」。岡田さんは松林の傷跡を見詰めながら、しみじみと語った。  70年近く前に刻まれた傷跡からは、今も松やにがにじみ出ていた。戦後も しっかりと地面に根を張り、成長を続けてきたマツは、戦争を知らない私たち の世代に、悲惨な歴史を伝えようとしているように見えた。 〈08〉2012年08月08日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎12年ぶり、中町で 子供歌舞伎 来年5月、小松・お旅まつり  子どもや世話役不足のため、お旅まつりの華である曳山(ひきやま)子供歌 舞伎の上演を2回連続で断念していた小松市中町町内会は7日までに、来年5 月に子供歌舞伎を12年ぶりに上演することを決めた。住民は一丸で迫真の芝 居を披露し、約250年続く伝統を受け継ぐ心意気を示そうと、運営組織を設 立して準備を始めた。  曳山子供歌舞伎は5月のお旅まつり期間中、小松市中心部にある8町が当番 制で毎年2町ずつ上演する。中町は4年に一度、龍助町とともに当番町となる が、前回の2009(平成21)年は世話役となる30〜40代の不足、前々 回の05年は子供役者を務める町内の児童がおらず、いずれも上演を見送った。  児童や世話役の不足は、市中心部の空洞化や少子化、勤務時間や休日が固定 しているサラリーマンの増加が理由で、8町共通の悩みという。8町で最も規 模が小さい中町の7月1日現在の住民は105人、世帯数は39で、特に打撃 を受けた。  児童の減少を受け、町外に転居した「元住民」の子どもの出演を認める町が 多い中、中町は来年、町内在住の男児2人、女児5人が子供役者を務めること が決まった。  運営は住民全体による実行委員会方式を採用し、特定の世話役に負担が集中 することを避ける。今年から市職員が上演町に派遣され、裏方として活動する ことも上演決定を後押しした。  浜坂純一曳山上演委員長は「子供歌舞伎上演へ精いっぱい取り組みたい。来 年5月には大勢に芝居を楽しんでほしい」と意気込みを示した。  中町の子供歌舞伎の演題などは未定。来年は龍助町も上演する。 〈09〉2012年08月06日(月)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎試乗や砂像、建機身近に コマツ粟津工場 開放デーに1万6千人  小松市符津町のコマツ粟津工場で5日、工場開放デーが開催され、約1万6 千人(主催者発表)がホイールローダーの試乗体験や工場見学などを通じて世 界で活躍する建設機械と生産現場に理解を深めた。地域の団体と連携した催し も多く、砂や折り紙で作られた「建機」も来場者を楽しませた。  巨大な運搬用かごが付いたホイールローダーの体験試乗では、親子連れが運 転席から写真を撮りながら工場内を巡った。油圧ショベルやモーターグレーダ など建機10台が展示され、迫力ある姿が来場者の注目を集めた。  日本折紙(おりがみ)博物館とのコラボ企画「折紙体験コーナー」では、来 場者は折り紙作品をパネルに貼って建機のモザイク画を作った。千里浜砂まつ り実行委員会が製作した砂像の前では、来場者は細部も忠実に表現された精巧 さに目を見張った。  小松カントリークラブ所属の高島早百合プロが出演したグッズ抽選会もあり、 高島プロ自らゴルフウエアや帽子、パターカバーなどを提供した。ミニ運動会 では、JFL加盟のツエーゲン金沢の選手も参加し、少年サッカー選手らが汗 をかきながら交流した。  資源のリサイクルを通じて社会貢献する企画もあった。来場者はペットボト ルのふたやプルタブ、古切手を持参し、海外の子どもにポリオワクチンなどが 届くことを願った。模擬店では小松特産のトマトシロップをかけたかき氷、大 麦プリンなどもお目見えし、人気を集めた。 〈10〉2012年08月01日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎急募!小松アイドル 観光客もてなしへ 10人育成、秋にも活動  小松ゆかりの若者による観光客もてなしグループが結成され、10月にも情 報発信や観光地の案内などを始める。「Koma−PoP」(コマポップ)と 名付けられたグループは男女約10人を選抜し、ダンスや歌などの特技を生か して、「小松のアイドル」として小松の魅力発信に努める。主催者は1日から メンバー募集を始める。  人材育成などに取り組む社団法人「セルフデザインTao(タオ)」が小松 市の委託を受けて実施する。グループは男性中心とするが、特技や特徴はなく ても「小松市が好きで、貢献したいと思っている」20歳以上の男女が応募で きる。募集は8月末で締め切り、9月に審査して決定する。  合格者は小松をPRするための観光知識を身につけ、接遇・語学などの研修 を受ける。研修を通じて成長する過程も公開し、市民全体でグループを育てる 機運をつくり、内面も優れた小松のアイドルを養成する。  早ければ10月にもインターネットによる情報発信やイベント出演などを通 じて、観光客が行き先に小松を選ぶように促す。観光客の希望に応じ、観光地 を案内することも検討し、週2〜3時間の活動を予定する。市民向けフォーラ ムも企画し、もてなし力向上を後押しする。  安井みのり理事長は「グループと一緒に市民が盛り上がり、市全体でおもて なしの機運を高めたい」と話している。問い合わせは同法人=0761(22) 2324=まで。 ---------------------------------------------------------------------- ・この記事は北國新聞の「北國新聞データベースサービス」から抽出しました。 申し込みはhttp://www.hokkokushimbun.com/まで。 ・北國新聞「小松ニュース」の記事本文はすべて北國新聞社の著作物です。コ  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