108号(12月1日) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/    ふるさとメール小松 Vol.108     _/ _/              平成22年12月 1日号_/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  皆さんこんにちは。「ふるさとメール小松」VOL.108をお届けします。  今年のクリスマスファンタジーは「11万人、地球エコの日」に合わせたイ ベントと共同で開催します。心温まる楽しいひとときを、家族や友達と一緒に 過ごしませんか。 とき 12月19日(日)15時〜19時 ところ 小松駅前市民公園(悪天候のときは「The MAT’S」横高架下) ●ステージイベント  聖愛幼稚園(歌とハンドベル)、北陸幼稚園(ダンス)、小松高校吹奏楽部、 ティンカーベル(ミュージックベル)、カブッキーサンタとじゃんけんゲーム (景品進呈)、「11万人、地球エコの日」PR ほか ●カフェコーナー  冬至に食べる習慣がある「かぼちゃ」にちなんだスープやスイーツのほか、 ホットドリンクなどを販売(マグカップ持参でスープ、ドリンク割引あり) ●キャンドルホルダーづくり  ペットボトルを再利用したキャンドルに、絵やメッセージを書いたホルダー を取り付けて、会場に飾りましょう。 ●ゆず入り小松うどんの振る舞い  冬至にちなんだ「小松うどんゆず入りバージョン」が1日限定で登場!整理 券を15時から「小松うどん道場つるっと」前で配布します(先着250人) ●キャンドルアップ  会場をキャンドルで飾り、優しいあかりで彩ります。幻想的でロマンチック な雰囲気を演出します。 問い合わせ イベント全般について…観光政策課 0761(24)8076 11万人地球エコの日について…環境推進課 0761(24)8067 ◆◆和田市長にココが聞きたい!◆◆ ●今月のテーマは「市制70周年を振り返って」です。 こまつちゃん  市制70周年を記念して、今年はイベントや催しがたくさん行われましたが、 振り返っていかがですか? 和田市長  昭和15年に小松市が誕生して70年。戦中・戦後の混乱期や大きな社会情 勢の変化もありましたが、その都度市民の皆さんや企業の力で乗り越え、現在 のように文化的にも産業都市としてもレベルの高い市になったことを、皆さん とともに喜ぶことができて大変良かったと思っています。  芦城公園園遊会から始まり、さまざまな記念行事を開催しましたが、小松2 万年の歴史をたどる1年でもありました。特に九谷焼などの伝統産業、繊維や 機械産業、農業など、小松のものづくりの技術や実績がいかに高度なものであ るか、文化やスポーツを担う人材がどれだけ豊富であるかを再確認できました。 こまつちゃん  この1年の盛り上がりを来年以降どう生かしていったら良いでしょうか? 和田市長  今年の成果として、市民の皆さんに連帯感、一体感が生まれたことが挙げら れます。小松はもともと市民活動などが大変盛んですが、それぞれの活動が単 一の印象がありました。市制70周年を機に「これからみんなでがんばってい こう」と、ベクトルが一致したように思います。小松うどん全国発信の機運の 高まりのように、市民独自の自発的な動きや取り組みが出てきたことも頼もし い限りです。  今後10年、社会は大きく変化します。来年4月には小松駅東エリアの再活 用も始まります。「ものづくり」「人づくり」「交流」、そして市民パワーを 生かし、南加賀の拠点の発展につなげていきます。 ブラジルからの国際交流員 ○●Vamos conversar(お話しましょう)●○ 米須 メイリー ●日本に長く居すぎ…?  外国人が日本に長く住んでいると、日本のライフスタイルに適応し、最初に 不思議に思った風習や習慣がいつの間にか当たり前になっていることがありま す。インターネットで検索をしたところ、外国人が日本人化されたと実感した ときのいくつかの例を見付けましたので、皆さんに紹介します。 ●抹茶アイスも悪くないなと思うようになったとき ●信号の色は緑ではなく、青だと思い始めるとき ●写真撮影のときに思わずピースサインをするとき ●自分の国に帰ってから友達と飲みに行き、全員にビールをつぎ始めるとき ●電話中にお辞儀している自分に気付くとき ●大事な年を平成や昭和の年号で覚え始めるとき ●クリスマスイブにケーキを買うようになったとき(国によって、クリスマに はプリンやパネットーネという菓子パンなどを食べる) ●空手チョップスタイルと連続お辞儀が混雑を通り抜ける手段だと思い始める とき ●外国人だけが集まるパーティで、誰かが乾杯を言うのを待ってしまうとき ●旅行のスーツケースの半分はお土産で埋まっているとき  これを読んだとき、私はほとんど全てに当てはまることに気付き、驚きまし た。ブラジルに帰国した後、逆カルチャーショックが大きいでしょうね。 ★☆文化ガイド★☆ ■博物館 本田貞吉200年特別展「九谷〜伝統の継承者たち〜」 会期 12月4日(土)〜平成23年1月30日(日)まで ところ 博物館2階 入館料 一般300円(250円)、65歳以上100円、高校生以下無料 (要証明書提示)、()内は20人以上の団体料金 問い合わせ 博物館 0761(22)0714 ■古代体験まつり(冬の陣) とき 平成23年1月9日(日)1回目:9時30分〜12時 2回目:13 時30分〜16時 ところ 埋蔵文化財センター(原町) 内容 出土品整理体験、石器使用体験、土鈴・勾玉・かごづくり、古代食の試 食など 定員 各回100人(小学生以上) 参加費 無料 申し込み 12月25日(土)9時から電話で 問い合わせ 埋蔵文化財センター 0761(47)5713 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□  「ふるさとメール小松」の発行は小松市広報秘書課   電 話 :0761(24)8016   FAX :0761(24)5563   ホームページ :http://www.city.komatsu.lg.jp/   メール :koho@city.komatsu.lg.jp □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ---------------------------------------------------------------------- 01:末広陸上競技場改修へ 小松市 日本陸連の検定に対応 調査費計上 02:南加賀の酒、海外で販促 小松酒造組合 見本市出展や業者発掘 03:月や夜景、機内から 親子、カップルら 小松空港から、初の遊覧飛行 04:食育支援金を創設 地産地消拡大も後押し 13店に地場野菜コーナー 05:授業に新聞、育て郷土愛 小松市符津小 読解力、表現力磨く 本紙活用 06:小松うどん、乾めんで発信 つるつる創研など 土産や贈答品に提案 07:宮本三郎画伯を顕彰 「デッサン大賞」創設 小松市が来年度 08:長谷川等伯と前田家に接点 芳春院の絵「利長が描かせる」小松で古文書 09:「校長先生ありがとう」 冥福祈り天国へ届け、丸内中、延期の文化祭 10:デッサン公開へ 宮本画伯の代表作 長女の美音子さん、小松市で意向 ---------------------------------------------------------------------- 〈01〉2010年11月29日(月)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎末広陸上競技場改修へ 小松市 日本陸連の検定に対応 調査費計上  小松市は28日までに、末広陸上競技場を改修する方針を固めた。日本陸連 の第2種公認競技場の認定期間が2012(平成24)年7月末に満了するた め、再認定に必要な検定を通るよう整備する。改修に合わせ、同競技場がある 小松運動公園の機能充実に向けた調査も行う考え。市は12月補正予算案に調 査費500万円を盛り込む。  末広陸上競技場は1956(昭和31)年に開設され、全天候型の400メ ートルトラックを備える。第2種公認競技場は5年ごとに日本陸連による検定 を受けなければならず、市は競技場が基準を満たすように改修する。  改修は98年以来となり、トラックのゴムマットを補修したり、フィールド の地面の高さが水平になるように整備することが想定されている。  小松運動公園には末広陸上競技場のほか、弁慶スタジアム、末広体育館、屋 内外のプール、テニスコート、相撲場などがある。市は運動公園全体の施設の 活性化策も検討し、競技力向上と交流人口の拡大などを目指す。  同運動公園はJR小松駅や北陸自動車道小松インターチェンジ、小松空港か らも近く、市外からも訪れる人にとっても交通の便がよい。市はスポーツ大会 の誘致に取り組んでおり、運動公園の利便性をさらに高めていく。 〈02〉2010年11月23日(火)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎南加賀の酒、海外で販促 小松酒造組合 見本市出展や業者発掘  小松酒造組合は今年度から3年計画で、南加賀で醸造する日本酒を海外へ売 り込む活動に乗り出す。海外で日本食がブームになっていることを追い風に、 海外進出の専門家らの意見を聞いて、国際見本市への出展や、海外の取引業者 の発掘を図る。海外に魅力を発信し、低迷している日本酒の消費拡大を目指す。  経済産業省の「中小企業海外展開支援事業」(JAPAANブランド育成支 援事業)の補助金を活用する。事業では、日本酒を飲むことがおしゃれでかっ こいいというイメージ戦略に重点を置く。  計画では、今年度は米国人の日本酒ジャーナリストで欧米への販売に強い影 響力を持つジョン・ゴントナー氏らを招いて組合員と販売方針やイメージ向上 策など基本戦略を検討する。新商品の開発や、ラベル・瓶の統一なども話し合 い、来年度以降に販売促進活動を始める見通しだ。  小松酒造組合には小松、加賀、能美の3市にある9社が加盟し、端麗辛口と 甘口の中間で飲みやすい味が主流となっている。  日本酒は、国内では食事内容の欧米化を受けて消費量がピーク時の3分の1 程度に落ち込んでいる一方で、海外市場は年々拡大しており、組合員のうち4 社は個別に輸出している。  ただし4社の海外での販売量は生産量の1%程度にとどまっているため、組 合として「南加賀の酒」というブランドを確立し、販路拡大につなげたい考え だ。  山田英樹理事長は「日本酒を世界で認めてもらいたい」と話している。 〈03〉2010年11月21日(日)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎月や夜景、機内から 親子、カップルら 小松空港から、初の遊覧飛行  雲の上から月夜を眺める遊覧飛行「ムーンライトフライト」は20日、小松 空港発JTA3241便を使って行われ、親子やカップルら約140人がロマ ンチックな約1時間の空の旅を心行くまで堪能した。  遊覧飛行は小松空港開港50周年プレイベントと小松市制70周年記念を兼 ねた「大空で遊ぼう!」(北國新聞社後援)の特別企画として実施された。日 本航空小松空港所によると、同空港発着の航空機を使った遊覧飛行は初めて。  午後7時50分ごろに滑走路を飛び立つと、機内では初めて飛行機に乗った 子どもたちから歓声が上がった。日本海上空を飛行して新潟県の佐渡島を通過 し、新潟市周辺の上空を高度約8千メートルを保ちながら、ゆっくりと旋回。 機内は照明が落とされ、搭乗者は交互に機体の窓に顔を近づけ、「きれい」 「月が近い」と、暗闇を煌々(こうこう)と照らす月に見入った。金沢市や新 潟市の上空では眼下に広がる夜景も楽しんだ。  家族と一緒に参加した金沢市松村2丁目の会社員河村里実さん(40)は 「童心に帰って久しぶりに月を見た。地上で見るよりも青白く輝いていた」と 満足そうに話した。 〈04〉2010年11月13日(土)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎食育支援金を創設 地産地消拡大も後押し 13店に地場野菜コーナー  「南加賀の地場野菜振興協議会」(事務局・県南加賀農林総合事務所)は南 加賀子ども食育支援金(仮称)を創設し、試験運用に乗り出す。12日に小松、 加賀、能美の3市のスーパーマーケットに新設した「南加賀の地場野菜コーナ ー」で地場の農作物が1点売れるごとにスーパーが1円を積み立てる仕組みで、 児童の収穫体験などに活用する。同協議会によると支援金制度は県内初。食育 活動を充実させるとともに地産地消の拡大も後押しする。  スーパー側は地場野菜を示すシールを1枚1円で同協議会から買い取って農 産物に張り、同協議会はシール代金を支援金に充てる。  コーナーは13店に25日まで設けられ、南加賀で生産されたトマトやブロ ッコリー、ネギ、加賀丸いもなどを販売する。生産者の写真やのぼり旗なども 掲示して消費者にアピールする。  積み立てた支援金は、産地見学や生産者が小学校などに出向いて生産の苦労 を紹介したり、試食したりする経費に充て、食育活動のいっそうの充実を図る。  同協議会には南加賀の4市町と4JAなどが加盟している。今年度の試行結 果を受け、来年度に本格運用を始めたい考えだ。  県南加賀農林総合事務所は「よりたくさんの地域の農作物を消費者に届け、 子どもたちの食育も進めたい」としている。 〈05〉2010年11月12日(金)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎授業に新聞、育て郷土愛 小松市符津小 読解力、表現力磨く 本紙活用  小松市符津小は今年度、新聞を授業に積極的に取り入れ、児童が地元のニュ ースに触れながら読解力、表現力を伸ばす取り組みを始めた。児童が面白いと 感じた本紙の記事についてスピーチしたり、切り抜いて感想を添えて教室に掲 示しており、地域への関心を深めるきっかけにもなっているという。  新聞を活用した学習は、5年生担任の山崎聡司教諭と橋村由希子教諭が発案 した。5年児童59人は4月から、各クラスの朝会(ちょうかい)で興味を持 った記事をテーマに1分間スピーチを行っている。山崎教諭によると、取り組 みを始めたころは記事の文章をそのまま読むだけだった児童も、回数を重ね、 記事に対する自分の考えを発表できるように成長したという。  教室には、文章を正確に短くまとめる力を身に付けるため、記事に対する児 童の感想を記した用紙を掲示している。6月上旬に小松市内で大麦の刈り取り が始まったという本紙の記事に対し、「黄金色の麦畑がすごくきれい」などと 児童それぞれが意見を寄せている。  同校では、詩吟やかるたなどのクラブ活動で地域の高齢者が講師を務めてお り、児童は住民との交流の中で、地域の話題を取り上げた記事へも強い関心を 見せている。  岡山清美校長は「新聞記事を活用することで、教科書だけでは得られない地 域の話題や歴史に目を向けるきっかけにしてほしい」と話した。 〈06〉2010年11月10日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎小松うどん、乾めんで発信 つるつる創研など 土産や贈答品に提案  小松うどんのブランド化を目指す民間主体の認証団体「小松うどんつるつる 創研」とカブッキータウンこまつは、長期間保存可能な小松うどんの乾めんを 製作し、全国発信する。観光客らに土産や贈答品としての購入を提案し、地元 名物の魅力を広くアピールする狙い。年度内に試作品を完成させ、販売を開始 する見通し。  乾めんは、めんを打った後に湿度を調整しながら乾燥させて作る。半年間程 度保存できるため、つるつる創研などは市内外から小松を訪れた人にうどんを 味わってもらうだけでなく、自宅に持ち帰って食べてもらうことでより多くの 人に魅力を知ってもらう。  現在、小松市内の製めん所に乾めんの試作を依頼しており、試食会などを経 て商品化する予定で、パッケージのデザインの検討も始まっている。  つるつる創研が過去に実施したアンケートでは、小松うどんの購入は「自家 用」と答えた人が全体の7割近くを占める一方、「贈答用」と回答した人は3 割程度にとどまった。長期間保存可能な乾めんとして売り出せば、需要を増や すことができると考え、製作することにした。  乾めんはJR小松駅高架下のアンテナ店「小松うどん道場 つるっと」や粟 津温泉の旅館、市内のホテルなどでの販売を予定している。 ●小松産小麦に太鼓判 試食会で関係者40人 あすから提供へ  小松産小麦を使った小松うどんの試食会が9日、「小松うどん道場 つるっ と」で開かれ、関係者約40人が味わった。他の産地の小麦で作ったうどんと 遜色(そんしょく)がないことが確認され、11日から同店で小松産小麦10 0%のめんが提供されることが決まった。  試食会では小松産小麦100%のめんと50%のめんが出され、参加者が従 来のものと食べ比べた。 〈07〉2010年11月10日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎宮本三郎画伯を顕彰 「デッサン大賞」創設 小松市が来年度  小松市は来年度、同市出身の宮本三郎画伯を顕彰する公募コンクール「宮本 三郎デッサン大賞」(仮称)を創設する方針を固めた。市によると、素描(デ ッサン)作品を対象にしたコンクールは全国で初めてで、絵画制作の基礎であ る素描に力を入れた宮本画伯にならい、後進の育成を図る。  今年は小松市松崎町の宮本三郎ふるさと館(旧宮本三郎記念美術館)の開館 30年、同市小馬出町の宮本三郎美術館開館10年の節目に当たり、市は宮本 画伯の足跡に光を当て、鉛筆の線などで表現する素描に熱心に取り組んだこと も発信する。  石川県内では金沢市の泉鏡花文学賞、白山市の島清(しませ)恋愛文学賞な どゆかりの作家にちなんだコンクールが実施されている。小松市は宮本画伯の 名を冠したコンクールを開催することにより、生誕地である市の知名度向上な ども図る考えだ。  応募資格やコンクールの題材は設定しない方向で今後詰める。  市によると、宮本画伯は晩年まで午前中は素描にみっちり取り組んだ。質の 高い素描作品を多数残しており、宮本三郎美術館には50枚余りが保管されて いる。特に完成度が高い作品にはサインも記されている。 ★〔宮本三郎(みやもと・さぶろう)〕  1905(明治38)年、現在の小松市松崎町生まれ。戦中は従軍画家とし て活躍。戦後は石川県美術文化協会評議員を務め、第二紀会創立に尽力した。 日本美術家連盟理事長、二紀会初代理事長、金沢美大名誉教授などを歴任した。 日本芸術院会員。74年、69歳で死去。 〈08〉2010年11月10日(水)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎長谷川等伯と前田家に接点 芳春院の絵「利長が描かせる」小松で古文書  加賀藩2代藩主、前田利長が七尾出身の絵師、長谷川等伯(とうはく)に 前田家菩提寺(ぼだいじ)の芳春院(ほうしゅんいん)(京都市)の「客殿 の絵」を描かせていたことが9日、長谷川等伯ふるさと調査団の嶋崎丞団長 (県立、県七尾美術館長)が小松市内で行った古文書調査で確認された。  等伯と前田家との明確な接点を示す史料はこれまでに見つかっておらず、 両者のかかわりを物語る貴重な史料である。  嶋崎団長が確認した古文書は芳春院所蔵で、貞享(じょうきょう)3(16 86)年の年号入りで、同院に伝来する調度品などの由緒を記してあった。そ の一節に「客殿之繪(きゃくでんのえ)」については「長谷川等伯に仰せつけ られ候(そうろう)」などと来歴がしたためられていた。  「客殿の絵」は何を描いたものかや、利長が等伯に絵を注文した経緯は分か らないものの、江戸初期の一時期、芳春院の客殿に等伯の絵があったことをう かがわせ、嶋崎団長は「貴重な発見」としている。  文書ではこの後、「微妙院(みみょういん)様」(3代藩主前田利常)が客 殿と書院の絵を狩野探幽(かのうたんゆう)(1602〜74年)にあらため て描かせたとある。等伯の絵を探幽に替えた理由について嶋崎団長は「利常の 時代、探幽は江戸幕府の仕事を手がけ、天下一の御用絵師とされた。文化で幕 府に対抗する意識が見える」と話した。  古文書は、小松市立本陣記念美術館で14日まで開かれる「大徳寺芳春院展 」で公開されている。調査には団員の和田学・七尾市史編さん室次長、同展の企 画にかかわった小松市の陶芸家、北村隆氏が立ち会った。 ★〔長谷川等伯(はせがわとうはく)〕  (1539〜1610年)安土桃山時代の絵師。20代から能登を中心に仏 画などを描いて頭角を現した。1571(元亀2)年に京都へ。狩野探幽の祖 父、狩野永徳との確執を糧として、国宝「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ) 」などの傑作を残した。没後400年に当たる今年、北國新聞社が石川県七尾 美術館、七尾市の協力、のと共栄信用金庫の特別協賛で「長谷川等伯ふるさと 調査団」を発足させ、能登時代の等伯の足跡を調査している。 ★〔芳春院(ほうしゅんいん)〕  1608(慶長13)年に加賀藩が創建した大徳寺塔頭(たっちゅう=大寺 院内の寺院)で藩祖利家の妻、まつの院号と同じ。加賀藩の庇護(ひご)を受 けた。18世紀末に焼失、再建されている。 〈09〉2010年11月09日(火)付北國新聞夕刊----------------------------☆ ◎「校長先生ありがとう」 冥福祈り天国へ届け、丸内中、延期の文化祭  今月4日に校長が急逝したため延期していた小松市丸内中の文化祭が9日、 同校で行われた。「校長先生が楽しみにしていた文化祭を絶対に成功させよう 」。生徒約350人は恩師の冥福を祈りながら、天国に届くようにとの願いを 込めて学習の成果発表や合奏などを披露した。  文化祭は当初、5日に予定していたが、大滝幸夫校長(60)が4日夜に心 不全で死去したため、5日朝に延期が決まった。  オープニングで生徒会長の喜多祐真君(3年)が大滝校長の恩に報いるよう に立派な文化祭にしようと、呼び掛けた。  大滝校長は吹奏楽が大好きで、よく吹奏楽部の演奏会に出席していたという。 前日まで普段と変わらず元気だったため、部員らは突然の大滝校長の死に一様 に信じられない様子で、動揺を隠せなかった。しかし、吹奏楽部長の行松妃奈 子さん(2年)が「校長先生が喜ぶ演奏をしよう」と呼び掛けて練習に励み、 この日の文化祭では大滝校長への感謝の気持ちを込め、歌手グループ・いきも のがかりの「ありがとう」を演奏し、会場いっぱいに恩返しの音色を響かせた。  生徒の学習発表では、職場体験や総合的な学習の成果を報告した。小松うど ん公認サポーター第1号で「うどん王子」の松崎雄一郎君(3年)が「小松う どんと僕」と題して「地元のおいしいうどんをもっと多くの人に知ってほしい 」と魅力をアピールした。  ステージでは美術部員の紙芝居や3年生女子によるダンスのほか、PTA有 志でつくる「MPC合唱団」が合唱した。 〈10〉2010年11月08日(月)付北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎デッサン公開へ 宮本画伯の代表作 長女の美音子さん、小松市で意向  小松市出身の宮本三郎画伯の初期の代表作「婦女三容(ふじょさんよう)」 のデッサンが同市に貸し出され、公開される見込みになった。7日に同市立宮 本三郎美術館を訪れた宮本画伯の長女美音子(みねこ)さん(81)=東京= が貸与を前向きに検討する考えを示した。関係者は市民らが宮本画伯の作品に 親しむきっかけになると期待している。  美音子さんは同館で開催中の特別展「女性像の魅力」を鑑賞するために小松 市を訪れた。美音子さんは展示されている「婦女三容」が好みだとして何度も じっくり鑑賞。応対した吉田洋三教育長、矢原珠美子同館顧問(前教育長)ら に対し、作品の基になったデッサンと、作品に描かれている帯が自宅に保管さ れているとして、「小松市で展示できれば面白い」と話した。  「婦女三容」は洋服と着物、チャイナドレスを着た3人の女性を描いた油彩 画。縦152センチ、幅209・7センチで、1935(昭和10)年に制作 された。  美音子さんは「デッサンを公開すれば、作品の制作過程がほとんど分かる」 と話した。  美音子さんは同市松崎町にある宮本画伯の墓参りをし、同町住民や疎開中に 交流があった旧友と懇談した。 ---------------------------------------------------------------------- ・この記事は北國新聞の「北國新聞データベースサービス」から抽出しました。 申し込みはhttp://www.hokkokushimbun.com/まで。 ・北國新聞「小松ニュース」の記事本文はすべて北國新聞社の著作物です。コ  ピーや加工、再配付はしないでください。 ・「ふるさとメール・小松」の申し込みや解除は、小松市や北國新聞社のホー  ムページから行うことができます。   小松市のホームページ   http://www.city.komatsu.lg.jp/   北國新聞社のホームページ http://www.hokkoku.co.jp/ ----------------------------------------------------------------------