■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   Vol.179 『ふるさとメール能登穴水』 平成29年4月27日号 毎月第4木曜日発行 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■  桜前線も落ち着いた今日この頃。穴水の桜の名所と言えば、のと鉄道「能登 鹿島駅」。能登さくら駅の愛称で親しまれるこの場所は、今年も優しいピンク 色にすっぽりと包まれました。プラットホームに並ぶ桜が描くアーチは、今年 も多くの観光客をあたたかく迎えてくれました。  4月16日(日)には今年で27回目となった「花見だよ!in能登さくら駅」 が晴天のもと開催されました。当日の桜は満開の見ごろを迎え、満開の桜のト ンネル散策やいさざの踊り喰いを楽しんだりと多くの方で賑わいました。 さて、季節はこれからさらに色を変え、新緑の候、行楽シーズンが到来します。 ゴールデンウィークのご予定はお決まりですか? 穴水町では、4月下旬から5月中旬頃まで町内9カ所の個人のお庭などで「の とキリシマツツジオープンガーデン2017」が開催されます。ゴールデンウィー クに併せてキリシマツツジめぐりをしてみてはいかがでしょうか? また、5月12日から14日の間、上中集会所前において「能登峨山キリシマ」 の展示即売会が開催されます。キリシマツツジの中でも能登峨山キリシマは花 芽が多く、鮮やかな深紅色が緑の中に映えて、とても綺麗です。  飛行機や新幹線、能越自動車道など、交通手段が豊富になり、首都圏や東海 地区からとても近くなった石川県。能登にもたくさんのお客様に訪れてほしい ですね。おもてなしの心で皆様のお越しをお待ちしています。             ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●              発 行:穴水町政策調整課              TEL:(0768)52−3625              URL:http://www.town.anamizu.ishikawa.jp/              メール:anamizu@town.anamizu.lg.jp             ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○● ▼目次 ★ 穴水町情報  ☆ のと里山空港GWイベント ☆ 「能登峨山キリシマ」展示即売会  ☆ 穴水ニュータウン無償分譲 申込受付中  ☆ ふるさと応援隊 募集中  ☆ ふるさと納税のご紹介 ★ 北國新聞*穴水ニュース ★★★ のと里山空港GWイベント ★★★★★★★★★★★★★★★★★★  のと里山空港において、のと里山空港賑わい創出実行委員会による、さまざ まなイベントが下記のとおり行われます。推定樹齢300年の日本一大きい 「のとキリシマツツジ盆栽」も展示されますので、ぜひこの機会に皆さまお誘 い合わせのうえご来場ください。  詳細につきましては、のと里山空港ホームページをご覧ください。 http://www.noto-airport.jp/notosypher/www/index.jsp <のとキリシマツツジフェスティバル> 日  時:5月3日(水・祝)〜 5日(金・祝)9:00 〜 17:00 (最終日は16:00まで) 場  所:のと里山空港 芝生広場 内  容:のとキリシマツツジ盆栽展(樹齢60〜300年 約30鉢) 苗木即売会 <のと里山空港まいもん市> 日  時:5月3日(水・祝)〜5日(金・祝)10:00〜16:00 場  所:のと里山空港 芝生広場 <のっぴーフリマ&クラフトマーケット> 日  時:5月3日(水・祝)〜5日(金・祝)10:00〜15:00 場  所:のと里山空港 芝生広場 <のと里山空港 子供フェスティバル> 日  時:5月5日(金・祝)10時〜、13時〜(2公演) 場  所:のと里山空港 空港前広場 内  容:ダンスや能登各地の太鼓披露 (お問い合わせ)のと里山空港賑わい創出実行委員会 TEL(0768)26−2303 ★★★ 「能登峨山キリシマ」展示即売会 ★★★  「能登峨山キリシマ」など山野草の即売会を開催します。キリシマツツジの 中でも能登峨山キリシマは花芽が多いと愛好家に人気が高く、毎年多くの方が 来場します。 <能登峨山キリシマ展示即売会> 日  時:5月12日(金)〜 14日(日)9:00 〜 17:00 場  所:上中集会所前 (お問い合わせ)上中園芸組合 TEL(0768)52−1492 ★★★ 穴水ニュータウン無償分譲 申込受付中 ★★★★★★★★★★★★  穴水ニュータウンは、奥能登の玄関口に位置し、のと里山海道の越の原イン ター・穴水インターの近くで自然環境・交通面でも利便性が良く、住環境づく りに適しています。  穴水町では、この穴水ニュータウンの土地を、町外からの移住者を対象に、 住宅地として無償で分譲します。定住奨励金交付制度により、最大100万円 の助成も併用することができます。 詳細につきましては、当町ホームページをご覧ください。 http://www.town.anamizu.ishikawa.jp 所 在 地:穴水町字大町ヨ地内(来迎寺住宅跡地) 分譲区画:1区画 約69坪 全8区画 対 象 者:町外からの移住者で、自己が居住するための住宅を建築し、 穴水町に永住しようとする子育て世代の夫婦 (お問い合わせ)穴水町政策調整課 TEL(0768)52−3625 ★★★ ふるさと応援隊 募集中 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★  今は穴水町外にお住まいの方で、「穴水が好き。穴水ファン。ふるさとであ る穴水を応援したい。・・・」等 穴水町にゆかりのある方々に、町のPRや まちづくりのご意見など、町の振興・発展に協力をお願いしています。登録さ れた方には町のホットな情報をお届けします。(入隊登録は無料) 詳細につきましては、当町ホームページをご覧ください。 http://www.town.anamizu.ishikawa.jp (お問い合わせ)穴水町政策調整課 TEL(0768)52−3625  ★★★ ふるさと納税のご紹介 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★  穴水町では「ふるさと応援寄附金」(ふるさと納税)の募集を行っておりま す。穴水町で生まれ育ち、今は離れて暮らす方、穴水町を応援くださる方、そ ういった皆様の「穴水町を応援したい」という思いをこの「あなみずふるさと 応援寄附」に託していただき、穴水のまちづくりにご協力をお願いいたします。 また、1万円以上ご寄附頂いた方には、穴水町の特産品をお届けいたします。  穴水町にゆかりのあるみなさんの応援を力に、子どもから高齢者まで活き活 きとした活力あるまちづくりを推進していきます。 詳細につきましては、当町ホームページをご覧ください。 http://www.town.anamizu.ishikawa.jp (お問い合わせ)穴水町政策調整課 TEL(0768)52−3625  ---------------------------------------------------------------------- 01:今年初のテント市、山菜など求め活気 穴水町 02:改修工事が完了、由来碑を除幕 穴水町・鹿島神社 03:「能登丼」人気がドンドン上昇 今年、誕生から10周年 昨年度売り上   げ、当初の2倍 04:穴水駅にまちなかマップ 町、そぞろ歩きを促す 05:豊作願いサバ踊り 穴水町木原で伝統神事 06:タイガーマスク列車、70人が乗車 糸魚川大火の被災者と交流 名レス   ラー佐山さん のと鉄道・穴水−七尾駅間 07:能登半島地震から10年 穴水町の復興へ「里帰り」 発生翌日に引っ越   しの女性 「今度こそ力に」 地域おこし隊に参加 過疎に立ち向かう 08:あのとき、あれから 能登半島地震10年 (4)「ホットちゃん」 励   まし合い仮設に癒やし 仲良し3人の心を継承 09:観光振興へ地域の魅力見つめ直しを 穴水町でシンポジウム 10:ヤギの親子、3頭仲良く 子ヤギの名前募る のと里山海道の別所岳SA ---------------------------------------------------------------------- 〈01〉2017年04月23日(日)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎今年初のテント市、山菜など求め活気 穴水町  穴水町まちなか再生協議会の「ふれあいテント市」(本社後援)は22日、 同町川島のローエル広場で今年初めて開かれ、山菜や鮮魚、菓子などを買い求 める地元住民でにぎわった。  初市を記念してつきたての餅が振る舞われ、町内の児童ダンスチーム「A― Kids」がパフォーマンスを披露して盛り上げた。テント市は5〜11月の 第2、第4土曜、午前9〜11時に開催する。 〈02〉2017年04月14日(金)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎改修工事が完了、由来碑を除幕 穴水町・鹿島神社  穴水町鹿島の鹿島神社の改修工事が完了し、13日、同神社で記念式典(本 社後援)が行われた。住民約30人が神事に臨んだほか、神社の歴史を記した 「由来碑」を除幕し、地区の発展を願った。  昨年9月に着工し、参道の拡幅やコンクリート舗装、神輿(みこし)蔵の新 築、手水(ちょうず)舎の水道工事などに加え、由来碑の建立が進められた。 工事費の大半は同町鹿島出身の佐藤時雄さん(87)=東京=からの奉賛金で 賄われた。  由来碑には、鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)から分けられた祭神「武甕槌神(た けみかずちのかみ)」をまつった歴史や、奈良時代の歌人大伴家持が鹿島神社 を参拝した際に詠んだと伝わる歌が刻まれた。関奉(とも)義(よし)宮司ら がおはらいし、佐藤さんや堂前勇次郎区長らが綱を引いて除幕した。佐藤さん は「多くの人がお参りに訪れてほしい」と話した。 〈03〉2017年04月13日(木)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎「能登丼」人気がドンドン上昇 今年、誕生から10周年 昨年度売り上げ、 当初の2倍  今年で誕生10周年を迎える「能登丼」の2016年度(16年7月〜17 年6月末)の年間売り上げが、過去最高の1億7千万円に達する見通しとなっ た。奥能登の各店で提供が始まった当初の2倍以上となる。全国のイベント出 展など地道な広報活動で観光客への認知度を高めたことが奏功したとみられ、 能登丼事業協同組合(事務局・穴水町)は新メニュー開発や弁当の提供でファ ン獲得を目指す。  能登丼は07年12月、県や奥能登2市2町などでつくる奥能登ウェルカム プロジェクト推進協議会が、奥能登の食文化を発信し、能登半島地震で離れた 客足を取り戻すために2市2町の飲食店54店で提供が始まった。食材から食 器まで能登産にこだわるルールや、新鮮な魚介、野菜、能登牛(うし)など能 登の食の魅力を詰め込んだ象徴的な料理として、観光客の人気を呼び始めた。  10年には能登丼の販売店舗で能登丼事業協同組合が結成され、全国の食イ ベントへのほか、年間30回程度のデパート催事への出展、北陸新幹線沿線の 道の駅でのPR活動を進めた。その結果、07年12月から08年6月には2 621万円、08年度は年間で7586万円となった。  その後は9千万円〜1億2千万円程度で推移し、北陸新幹線開業やNHK連 続テレビ小説「まれ」放映などが重なった15年度は1億6116万円に急伸 した。今年度は、3月末で1億5千万円を超え、大型連休でさらに売り上げが 伸びる見通しである。  組合によると、加盟店は64店を数えたこともあったが、後継者不足なども あり、現在は52店舗となっている。組合では今年、団体ツアー客向けの「能 登丼弁当」の提供を始めたほか、四季折々の新メニュー開発を進める。組合の 島田隆雄事務局長(57)は「どこにも負けないグルメとして能登丼をアピー ルし、能登全体の活性化につなげたい」と話した。 〈04〉2017年04月09日(日)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎穴水駅にまちなかマップ 町、そぞろ歩きを促す  穴水町は、のと鉄道穴水駅前に、町中心部の観光名所などを紹介する地図看 板を設置した。これまで駅周辺には能登半島や町全体を示した地図しか掲示さ れておらず、町を訪れた人に市街地の魅力を詳しく伝え、まちなかのそぞろ歩 きを促す。  市街地図は縦58センチ、横88センチで、穴水駅から約2キロ圏内の寺社 仏閣や能登大仏などの名所のほか、春のイサザ漁、冬のかきまつりといった町 の風物を写真付きで掲載した。  明治時代に穴水を訪れた米国の天文学者パーシバル・ローエルの上陸地、江 戸時代に全国を測量した伊能忠敬の投宿地など歴史スポットを示し、穴水湾沿 岸の釣り場も記号で紹介した。  町の担当者は「観光客が地図を見て、まちなかに長く滞在してもらえるよう にしたい」と話した。 〈05〉2017年04月05日(水)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎豊作願いサバ踊り 穴水町木原で伝統神事  穴水町木原の白山神社で4日、塩サバと包丁を載せたまな板を掲げながら舞 う伝統神事「サバ踊り」(町無形民俗文化財)が春祭りに合わせて執り行われ、 住民が豊作を願った。  神事は、約400年前に木原の村で田畑を荒らすムジナの神に娘がいけにえ として差し出された際、村を訪れた越中の薬売りと村人に飼われていた犬が、 好物のサバを食べている隙に神を退治したとの伝承にちなむ。喜んだ娘の家族 が神社で舞ったのが、サバ踊りとされる。  烏帽子(えぼし)と狩衣(かりぎぬ)をまとった今年の当元、山下博幸さん (55)が、ムジナの代わりとも言われるサバ2匹と包丁をひもで結んだまな 板を持ち、ドンドンと足音を立てながら左右に跳ね回った。  初めて踊り手を務めた山下さんは「これまで見てきた通りに踊れるよう心掛 けた」と話した。 〈06〉2017年04月03日(月)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎タイガーマスク列車、70人が乗車 糸魚川大火の被災者と交流 名レスラ ー佐山さん のと鉄道・穴水−七尾駅間  のと鉄道(穴水町)の「初代タイガーマスク列車」(北國新聞社後援)は2 日、同鉄道穴水−七尾駅間を往復で運行し、車内でプロレスラー佐山聡さん (59)のトークや記念撮影会が繰り広げられた。被災者を元気づけようと、 昨年大火に見舞われた新潟県糸魚川市の住民も無料招待され、名レスラーとの 交流を楽しんだ。 ●サイン、10万円で落札  1980年代に「初代タイガーマスク」として活躍した佐山さんは、デビュ ー秘話やライバルレスラーとのエピソードなどを披露した。参加者一人一人と 握手を交わし、ツーショット撮影に応じた。佐山さんに関係するグッズのチャ リティーオークションも行われ、サイン入りタイガーマスクは10万円で落札 された。  初代タイガーマスク列車は新潟県糸魚川市へのチャリティー企画となり、収 益の一部が同市への義援金に充てられる。町内外のファンら約70人が乗車し た。  イベント後には穴水駅のパノラマカーで、佐山さんと糸魚川大火の被災者2 3人との交流会が開かれた。佐山さんと元新日本プロレス専務取締役の新間 (しんま)寿さん(82)が「これからも何か力になれることをしていきたい」 などと声を掛けた。川合久野さん(67)は「ありがたい。糸魚川も頑張らな きゃと思った」と話した。 〈07〉2017年03月25日(土)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎能登半島地震から10年 穴水町の復興へ「里帰り」 発生翌日に引っ越し の女性 「今度こそ力に」 地域おこし隊に参加 過疎に立ち向かう  能登半島地震の翌日、余震が続く穴水町を、父の転勤で去った少女がいた。 倒れかかった電柱、ひしゃげた家屋。町の惨状に、無力感と後ろめたさを覚え ながらの引っ越しだった。あれから10年。かつての少女は地域おこし協力隊 として穴水へ「里帰り」することを決めた。「今度こそ、町の力になりたい」。 深刻な過疎化に立ち向かい、本当の復興に力を尽くす覚悟だ。  この女性は北海道千歳市の戸田実沙さん(25)。空港警備員だった父の仕 事で、小学6年から中学3年までの4年間を穴水町中心部の川島で過ごした。  2007年3月25日は、父の転勤で千歳へ引っ越す前日だった。自宅のア パートでテレビを見ていた戸田さんは強い揺れに驚き、外へ飛び出した。ひび 割れた道路、土ぼこりを上げて大揺れし傾く家屋にぼうぜんとなった。  揺れが収まった後、ふと目にした住民の笑顔に胸を打たれた。互いに「大変 やね」と声を掛け合い、散らばったり、倒れたりしたものを片付けている。  明日は一家4人で穴水を後にする身である。「町が大変なことになっている のに何もできないなんて」。中学を卒業したばかりの戸田さんは唇をかみしめ た。         千歳市の高校から札幌市の専門学校に進み、札幌にあるウェブデザインなど の制作会社に就職した。休日を利用してまちづくりに取り組むNPO法人の活 動に参加し、人口減や産業の衰退など、地方社会の抱える深刻な事情を知るよ うになった。  「退職して、まちづくりに携わりたい」という気持ちがわいてきた時、頭に 浮かんだのが穴水だった。あの町はどうなったのだろう。かつて近所に住んで いた舞谷(まいたに)裕美さん(50)=同町川島=と会員制交流サイトで友 達になった。やりとりを重ねるうちに、心の底からわき出た言葉を舞谷さんに ぶつけてみた。「穴水で何か、私が役に立てることはありませんか」  舞谷さんが紹介した知人のつてで、戸田さんは1月末、穴水を再訪した。         町に地震の痕跡は見当たらなかった。しかし、中学の同級生が見当たらない。 多くは地元を離れ、都会へ去ったことを知った。住民基本台帳によると、07 年3月末時点で1万748人だった町人口は、17年2月末時点では8675 人にまで減少している。若い世代からこの町を去っていく現状を思い知らされ た。  自分の力になってくれる人はいるのか。東京出身で、昨年4月に町内で飲食 店を開いた齋藤雅代さん(40)の言葉が背中を押してくれた。「この町が好 きだという思いがあれば、助けてくれる人は見つかるよ」。齋藤さんも務めた 地域おこし協力隊に応募することを決心した。  戸田さんは4月に穴水に引っ越し、5月から町の移住相談窓口のスタッフを 務める予定だ。北國新聞社の電話取材に対し、戸田さんは「穴水は人のぬくも りが感じられる。大好きな町へ人を呼び込む力になりたい」と意気込みを示し た。 〈08〉2017年03月24日(金)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎あのとき、あれから 能登半島地震10年 (4)「ホットちゃん」 励ま し合い仮設に癒やし 仲良し3人の心を継承  穴水町中心部の大町の集会所「ふれあい館上出」に、にぎやかな声が響く。 毎月第2、4月曜に開かれる交流サロン「上出 楽(らっ)喜(きー)」。住 民がカラオケや手芸を楽しみ、気兼ねなく憩える場である。  地元の辻本のり子さん(68)が運営する。10年前の地震で被害の大きか った大町には発生から1カ月後、仮設住宅ができた。44世帯91人が身を寄 せた。辻本さんもその一人だった。  談話室でおしゃべりを楽しんだり、おかずをお裾分けしたり、励まし合った りと仲のいい3人組がいた。辻本さんと佐々木静江さん(66)、そして、当 時58歳の皆森(かいもり)照子さん。「まちなかにくつろげる場所があれば いいわね」。3人は被災者の憩いの場となる飲食店開店を思い立つ。  仮設住宅にほど近い、穴水町川島の鮮魚店跡を改装し、簡素なたたずまいの 「ホットちゃん」をオープンしたのは地震翌年、2008年3月だった。 ●名前はタオルから  「ホットちゃん」は当時、仮設入居者の間に広まったベビー服型タオルの名 前だった。町内の手芸愛好者が仮設のお年寄りに教え、かわいらしいタオルは 入居者を癒やした。このタオルのように愛され、ほっと一息つく場にと店名に した。  名物は穴水高生が考えた1杯350円の「もずくうどん」。食器は住民から 譲ってもらった。わずか5席の店内は笑い声であふれていた。「力を合わせれ ば何だってできる。そう感じてほしかった」。3人は協力し合って切り盛りし た。  開店から1年9カ月後の09年12月、「ホットちゃん」は惜しまれながら 店じまいする。皆森さんが体調を崩したのだ。6年後、皆森さんは66歳で他 界する。「みんながほんわかできる場所で恩返ししたい」。まだ元気な頃、皆 森さんはよくそう口にしていた。  「家に一人でいないで、サロンで好きなことを楽しんでもらえればいい」。 昨年5月に辻本さんが交流サロンを始めたのは、先立った皆森さんと同じ思い が原点にあるからだという。  佐々木さんは仮設時代に出合ったタオル「ホットちゃん」作りに励み、時に は講師として教える立場にもある。タオルは全国で災害が起きる度、仮設住宅 などに贈られている。「被害の規模は違ってもつらいのは一緒。少しでも癒や しにつながればうれしい」。励まし合ったあの日々を糧に一針一針縫う。  10年前、「ホットちゃん」を生んだ温かな気持ちが、今につながっている。 〈09〉2017年03月23日(木)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎観光振興へ地域の魅力見つめ直しを 穴水町でシンポジウム  県の「スローツーリズム・シンポジウム」(北國新聞社後援)は22日、穴 水町のキャッスル真名井で開かれ、約140人が観光振興など活性化に向けて 地域の魅力を見つめ直す必要性に理解を深めた。  地産地消や景観保全などを勧める「スローシティ運動」の提唱者である、イ タリアのグレーヴェ・イン・キャンティ市のパオロ・サトゥルニーニ元市長が 基調講演し、「環境や伝統文化など、住民が地域の資源を把握することが大切」 と語った。  パネル討論では、料理人の池端隼也さん(輪島市)、フードコーディネータ ーのつぐまたかこさん(金沢市)、オクルスカイ(穴水町)代表の村山智一さ ん、白山ろくスローツーリズム研究会(白山市)副会長の安本知子さんが登壇 した。4人は、次世代を担う人材の育成、異業種間の連携体制づくりなどを提 案した。 〈10〉2017年03月13日(月)北國新聞朝刊----------------------------☆ ◎ヤギの親子、3頭仲良く 子ヤギの名前募る のと里山海道の別所岳SA  穴水町と七尾市にまたがるのと里山海道・別所岳サービスエリア(SA)で 12日、親子のヤギ3頭がお目見えし、仲むつまじくじゃれ合う姿が観光客ら を和ませた。  いずれも雌で、黒い毛の母親「ミルク」(2歳)と、白い毛並みの子「さく ら」(1歳)、ミルクが1月末に産んだ子ヤギの3頭が、下り線の展望台「能 登ゆめてらす」近くの広場内の飼育場に入った。ミルクとさくらは、冬ごもり のため昨年11月中旬から穴水町の農場「たんぽぽファーム」に預けられてい た。  別所岳SAの広域観光施設「奥能登山海市場」は、ホームページなどで子ヤ ギの名前を募集している。ヤギを世話する同市場の橋爪和夫店長は「ほほえま しい親子のヤギを見て、ほっと一息ついてもらえたらうれしい」と話した。 ---------------------------------------------------------------------- ・この記事は北國新聞の記事データベース「ホッコクシンブン・ドットコム」  から抽出しました。申し込みはhttp://www.hokkokushimbun.com/まで。 ・北國新聞「穴水ニュース」の記事本文はすべて北國新聞社の著作物です。コ  ピーや加工、再配付はしないでください。 ・ふるさとメール・穴水の申し込みや解除は穴水町や北國新聞のホームページ  から行うことができます。   穴水町のホームページは http://www.town.anamizu.ishikawa.jp/   北國新聞のホームページはhttp://www.hokkoku.co.jp/ ----------------------------------------------------------------------